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SAMMY'S GOLF CO.,LTD.
Bangkok Studio
日本料理・絆3階
3F 595/9 Sukhumvit 33/1 Sukhumvit Road
Klongtan-Nua Wattna Bangkok 10110
MOBILE: 087-906-7272 (日本語)
FAX: 02-259-2662
URL: www.sammygolf.com
E-mail: sammy@sammygolf.com
Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

Kankokutei

「ゴルフへの情熱」の継承

PGAツアー「ソニーオープン」で、今年初戦を迎えた石川は残念ながら予選落ちでした。復活に向けて何かをつかみかけていただけに、決勝ラウンドの2日間も戦いたかったに違いありません。2日目の7番ホールでバーディを奪った後、8番ホールの決めなくてはいけないパーパットをわずかに外しボギーにしたのですが、好調だった同じ組のK・J・チョイや、昨年賞金ランク2位と大躍進を見せたウェブ・シンプソンも、1メートル前後を簡単に外すほど、見た目では判断できにくい海風の影響を受けた強い芝目が入り交じった、ワイアラエCCの難しいグリーンに惑わされているようでした。

続く9番ホールのパー5は流れるようなナイススイングで、イーグルチャンスに2オンしていただけに、8番のパーパットが決まっていれば9番のイーグルパットも入る流れが作れたはずです。しかしこれも決まらず残念なバーディでしたが、スイングは完全に良くなっていると感じました。10番もワンオンが狙えるイージーな短いパー4ですが、ティショットがグリーンサイドバンカー左手前の、木の根元に近い強烈な左下がり傾斜に止まってしまいました。ギリギリを狙ったロブショットは、だるま落としのようになり手前のラフまでしか飛びませんでした。そこから寄せてパーでしたが、バーディだったW・シンプソンのように右から攻めればバーディがとれて、流れを作り直せたかもしれません。

テレビで見る石川に笑顔は無く、何かに追い込まれたように口を真一文字に結んでのプレーでしたが、必死にプレーにのめり込みすぎると「勝負の流れ」は見えてきません。そのためか続く11番パー3で4mのバーディパットをオーバーし、返しを外す3パットのボギーと最悪の流れにはまり、続く12・13番も決められずにカットラインから大きく遠のいてしまいます。14番パー4はティショットを左に曲げ、ラフからのセカンドを無理に狙いグリーンオーバーとやってはいけない最悪の展開を自ら引き寄せてしまいます。悪い流れを断ち切るにはチップインのようなスーパーショットが必要ですが、そこからのアプローチが5mもオーバーしてはパーパットも入るはずがありません。このボギーで予選通過が完全に危なくなります。予選通過のために攻めたのでしょうが、結果として手前から攻めたほうが寄せも簡単だったはずです。

しかしこれで開き直れたのか、15番のバーディパットは下半身が動かず、目線もボールを追わず完璧なタッチでバーディを決めました。18番のセカンドも素晴らしいスイングを見せバーディフィニッシュと「スイング改造」は、とても良い方に進んでいるようです。ショートゲームもそれなりに安定していましたが、流れを作るスーパーショットやチップインがあればスコアは大きく変わりそうに思えるラウンドでした。今シーズン初戦で予選落ちは残念でしたが、世界に通じる大人になりつつあるスイングで、優勝争いも近そうに感じました。本人は自信を取り戻したように見えましたが、やはり「笑顔」が足りませんでした。

今季の開幕戦で予選通過に2打及ばなかったことを受け「バーディを4つ取れたが、もったいないボギーがあった。アプローチのミスがあり、その辺のミスを抑えられればアンダーパーで回れた。参戦最初の年に比べると通用するショットが打てたし、強い気持ちは心の奥にはある。自分としてはやるべきことをやった。次の試合までに、いい状態にしたい」と、感じた手応えを語っていました。

しかしホールアウトした石川に、ギャラリースタンドから容赦ない日本語のヤジが浴びせられました。最終18番のプレーを終え、スコア提出所に向かっていた石川に「この野郎、もっと、しっかり練習しろよ」とギャラリーからの大きな声が響きました。16歳でプロに転向して以来、華やかに第一線で活躍してきた石川が浴びる初めてといってもいい屈辱だったでしょう。石川は無視するように下を向き、足早にその場を後にしました。

考えてほしいのですが、普通の若手選手だったら二十歳でプロ初優勝しただけでも「期待の新星」と騒がれるところです。石川の場合は既に「10代初の賞金王」を獲得して、不調と言われる昨年・一昨年も賞金ランク3位と、 平凡な普通の選手とは違うことはゴルフファンなら周知の事実です。その石川に対して「この野郎」とは、とても声援とは思えず、ゴルファーとしては最低のヤジだと思います。もしその場に私がいたら、探し出して二度とトーナメント会場に顔を出さない約束をさせたでしょう。石川は人一倍練習をしたからこそ、今のポジションまで上り詰めたのです。「もっと、しっかり練習しろよ」という言葉は、日本のゴルフファンの熱い想いを全て一人で背負いこみ、必死に戦ってきた「20歳の石川遼」に対して大変失礼な言葉です。

野球やサッカーのようなチーム戦では、お互いに選手もサポーターも相手チームの中心選手をヤジることはあるでしょう。そのノリでトーナメント会場に来られては、選手からすればたまったものではありません。 大相撲で贔屓の力士が負けたからといって、相手の力士にヤジを飛ばす大相撲ファンはいないはずです。 ゴルフは「あるがままに打つ」が基本原則です。プロトーナメントにおいては競技委員に判断を任せる事もありますが、本来は自分以外には審判がいないスポーツです。あくまでも競技者自身が審判でありルールはもちろんのこと、マナーを守ることが非常に重視されるスポーツなので「紳士・淑女のスポーツ」とされているのです。今回の件は「マナーが守れないのなら出ていけ」と本人を探し出し、きつく叱責して欲しかったですね。 

ジャンボが絶好調のときに「優勝したら、次の優勝までに新しい課題をひとつクリアしなければ勝てない」と語ったことがあります。それは、勝利には運不運がつきもので、次を勝つために不足している要素をクリアする「確かな技術」をさらに身につけなくてはいけないということなのでしょう。「若さの勢いでバンバンと怖さ知らずのゴルフは長続きしない。特に世界のメジャーで戦うとね。それが解ると悩みの時期に入るんだよ」と、ジャンボは石川を心配するかのように語っていました。その「悩みの時期」に入った石川が、プロツアーを初めて観戦したのは2001年の「日本オープン」でしたが、その時出会ったのがジャンボ尾崎でした。大人たちの呼びかけを無視しながら「ジャンボさんが怖い顔して歩いてきて、小学4年生だった自分だけにサインをしてくれた」と石川は強烈な想い出として語っています。感激してプレーを追いかけた18ホールで見た、力強さにあふれるジャンボのドライバーショットが石川の脳裏に刻まれ、ドライバー至上主義の「石川遼のプレースタイル」になっていったのでしょう。

愛媛県松山市に生まれ育った松山が、初めてプロを見たのは小学1年生の冬だったといいます。球拾いをする代わりに練習させてもらっていた地元松山のゴルフ場に、青木功プロが西川哲ら同門の若手プロや、工房などを装備したトーナメント用のツアーバンを引き連れて「クラブテスト」のためにやってきたのです。しかしデータ収集を目的とした「クラブテスト」は部外者立ち入り禁止が原則ですが、松山は父親と一緒にこっそりと青木プロのプレーを追いかけたといいます。

ところが青木プロと一緒に来ていた西川がすぐに松山少年を見つけて「ボクはいくつ?クラブは一番何が好き?」と声をかけたといいます。「ドライバーが一番好きです」と答える松山少年に、西川は「ドライバーもいいけどパターが一番うまくないといけないんだよ」と言い、「ボクだけだったらいいよ。一緒についてきて」と松山親子をコース内に招き入れてくれたのです。松山少年は、当時「世界最高峰」とされていた青木プロのアプローチやパッティングの技術を目の当たりにしたのです。「最初にプロの生のプレーを見たのが青木さんでした。いろんな技術を見せてもらいました。見よう、見まねでやっても全然できなかったですけど」と、少年時代を振り返っています。

「三井住友VISA・太平洋マスターズ」で史上3人目となるアマチュア優勝を飾った翌週に開催された「ダンロップフェニックス・トーナメント」の会場で青木プロから「パターうまくなったな」と祝福されたということですが。松山にとってはこれ以上ない褒め言葉だったに違いありません。青木プロは「プロのゴルファーは金と名誉のためにプレーしている。アマチュアの松山はどんなに悪くたってゼロでしかない。だから勝ち負けのプレッシャーを感じずにプレーできている。その結果がこないだの優勝につながった。勝つことでプロのプレッシャーを感じてきているのが今の遼。松山もそれはプロ宣言してからでないと感じられないことだよ」と、石川と松山の置かれた立場の違いを語っています。

2人のゴルフはプロ、アマの関係なく、日々の練習により進化を続けています。石川はドライバー一辺倒から、アイアンからアプローチ、パターまで、世界に通用するためのスイング改造を始めています。松山は石川より大きい1m80cm、85kgの体を生かし、飛距離アップを目下の課題として共に2度目の「マスターズ予選通過」を目指し、懸命にゴルフに立ち向かっています。ジャンボや青木プロから受け継がれた「ゴルフへの情熱」が、いつの日か大輪の花を咲かせて欲しいものです。



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