オーバースイング
このコラムも60回を越え、最近は業界の情報を書いてきましたが、ラウンドに役立つスイング理論をコラムにして欲しいと要 望をいただきました。以前も書きましたがスイング理論とは難しいもので、私が伝えたいことを文章にしようとすると、レッスンとは違って説明が不十分になり 正確に伝わらない場合が多いものです。そのためスイング理論を文章にすることには、あまり積極的に取り組んできませんでした。身長・体重が違い、グリップ やアドレスの違うゴルファーに文章だけで説明するのは簡単なことではありません。お客様のスイングも見ずにクラブを勧めるゴルフショップと同じことになり かねないからです。
ショットを不安定にしている様々なケースを改善するためには、どのように取り組めばいいのかを述べていきたいと思います。
毎週末コースレッスンをしていますが、スイング理論の誤解・勘違いからミスを繰り返している生徒さんがとても多いことに気がつきます。「飛距離=大きな バックスイング」と無意識に思い込まされているゴルファーが非常に多いと思います。その勘違いから起こるオーバースイングについて考えてみましょう。オー バースイングの原因として考えられるのは肩を回そう・回そうと思い、ついつい下半身を動かしすぎてオーバースイングになるケースが多いと思います。バック スイングでは右足が軸足になりますが、右足の小指側にまで体重を乗せると右ひざが流れてしまいます。腰も回りすぎることになり、左ひざが前に出すぎた形に なります。回転椅子に座って足を地面から離して回転するとどこまででも回っていってしまうのと同じことです。
椅子に腰掛けベルトのバックルを正面に向けたままでバックスイングを取ってみると、腕や手が曲がらない限りオーバースイングにはなりません。
オーバースイングを直すための体重移動は、左右の股関節の幅での移動にしなくてはいけません、バックスイングは右足の拇指丘と右膝・右股関節で支えるよう にしなくてはコースでは通用しません。女性や初心者は腕が曲がるためにオーバースイングになるケースが比較的多いと思います。しかし左ひじを伸ばそうと練 習することは、腕に力が入りすぎクラブがインサイドに上がりすぎるためお勧めしません。
肘が曲がるとかつぐ様になり、両肘の間隔が開きすぎてオーバースイングになるのですが、
オーバースイングの手の形を治すには肘を伸ばそうとするより、たたんだバスタオルやボールを両腕で挟んで上に上げる練習をして両腕の距離感を覚えることが効果的です。
オーバースウィングの原因で一番多いのは、クラブの動きと腕・肩・腰の動きが同調していないことです。ボールをはさんだ状 態で30ヤードアプローチをしてみてください。クラブと体が同調することがお分かりいただけると思います。またこの練習はアプローチを安定させるのにも効 果があります。
しかしオーバースウィングを直すのに一番大事ポイントは、バックスイングの所要時間を短くすることです。スイングのスタートからトップまでが1.5秒以内 に収まっていない人は、スウィングが遅いと考えて下さい。 素早くバックし、素早くダウンスウィングしてみることです。スウィングテンポを速くすることで、コンパクトに振ることができます。
2006年12月5日号のコラム(スイングテンポ)に書きましたが、プロゴルファーはアマチュアゴルファーよりはるかに早くスイングしています、プロゴルファーのテイクバックからインパクトまでの経過時間は0.93〜1.2秒以内に収まります。
タイガーウッズの経過時間は1.06秒で時速216キロメートルになります。アマチュアゴルファーのスイングを測定すると、ハンデキャップ3のゴルファー が1.3秒で、ハンデキャップ36のゴルファーは3.5秒もかかっていました。アマチュアゴルファーの経過時間はあまりにも遅すぎるということです。
「ゆっくり」上げたバックスイングでは飛距離が出ません。ブランコで遠くに飛ぶには、後方に上がる時にもスピードが必要です。ハンマー投げでハンマーを遠くに投げるために徐々に加速していくのと同じ理屈です。
「ゆっくり」を意識しすぎてバックスイングに時間をかけすぎると、トップで急激に加速しないと早く振れません。その急激な加速がオーバースイングの原因です。
オーバースウィングは、バックスウィングを2回とっているかのようなので、ダブルバックスウィングと言われています。シングルバックスウィングで素早くコンパクトに振ることでオーバースイングは直ります。




