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E-mail: sammy@sammygolf.com
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Kankokutei

キーワードは「笑顔」1月1日2012年

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。年末にアマタスプリングCCで開催された「タイランドゴルフ選手権」の最終日、平塚哲二は通算7アンダーの9位タイでホールアウト。アジアンツアー最終戦で賞金20,850ドルを加算し、日本人史上最高位となる同ツアー賞金ランキング2位でシーズンを終えました。5アンダーの13位タイからスタートした平塚は最終ラウンドで「70」をマーク。「アプローチ、パットですね。悪いなりにやれた」と、2日目のイーブンパー以外の3日間はアンダーパーでまとめる安定感を見せました。平塚はアジアンツアーの賞金ランクにも加算される9月の国内ツアー「パナソニックオープン」で優勝し、一時は同ツアーの賞金レースのトップに立ちました。しかしフィリピンのジュビック・パグンサンが、賞金額の高い11月の「シンガポールオープン」で2位に入り666,660ドルを稼ぎ、逆転で賞金王を獲得しました。2011年シーズンのJ・パグンサンは未勝利でベストテン入りも3回と、他の試合での合計獲得賞金は121,373ドルでした。たった1試合の好成績だけでの賞金王獲得は、釈然としないものがあります。ランキング2位で終えたことに平塚は「嬉しいし、最低限はクリアできた、これからも日本、アジア両ツアーを掛け持ちする意向です。賞金ランクで2位に入ったことで「WGC・キャデラック選手権」の出場権も獲得しました。「これ以上出たら死ぬな…。でも試合数を減らそうとは思わない。環境を整えてやっていきたい。一年間、調子を持続できるように」と“鉄人・平塚”は2012年も世界を飛び回り、活躍する意気込みを語りました。6位には丸山大輔が入り、アジアでもプレーしている日本人選手がベストテンに入りました。

 

大会はリー・ウェストウッドの完全優勝で幕を閉じました。予選ラウンド2日間を終わり、ツアータイ記録となる通算20アンダーをマークしたL・ウェストウッドの独走と思われましたが、3日目に「マスターズ王者」のチャール・シュワルツェルが猛追を見せて4打差、最終日も一時3打差まで迫るなど、スター選手が優勝争いを繰り広げました。参加予定だったロリー・マキロイはデング熱で体調を崩し、直前でキャンセルとなってしまったものの、L・ウェストウッドやC・シュワルツェルをはじめダレン・クラーク、セルヒオ・ガルシア、ジョン・デーリーといった欧米ツアーを主戦場とするスター選手の参加は、不景気な日本のトーナメントでは見られない豪華なメンバーでした。

 

同大会で58位に終わり「マスターズ」の出場権が得られる、年末の世界ランキング50位以内から陥落することが確定した石川は「これが今の実力ということ。こういう形で今年が終わり、逆にピリッとした気持ちになった。1月のソニーオープンから2月末まで米ツアーに出て、その後の3月も出られる試合があれば、米国に居続ける日程になると思う。その中で1試合でも2試合でもいい成績を挙げれば、世界ランキング50位以内に戻れる可能性があるので頑張りたい」とコメントしています。

 

初日の練習場での暗い表情を心配していたのですが予想通りというか、頭の切り替えが出来なかったようです。ゴルフをするのが辛く、苦しくなっている様にも感じました。1月の「ロイヤルトロフィー」でもそうでしたが、石川自身がゴルフを楽しんでいる様に見えません。2009年に初めてアマタで見た石川は、打つたびにギャラリーから歓声が上がるような、見ている方も楽しくなる練習風景で、石川も「笑顔」で声援に応えていました。今の石川の周囲には、見てはいけないものを見てしまったような警戒感に満ちていて、ミスをするたびにため息がもれ、ギャラリーが石川のプレーに期待し、トーナメントを楽しむという雰囲気ではありませんでした。

石川は8月の世界ゴルフ選手権シリーズ「ブリヂストン招待」で、アダム・スコットとタイガーの元キャディS・ウイリアムスを向こうに回し、最終日のバックナインまで堂々と優勝を争い、米ツアー自己最高の4位の活躍を見せました。日本どころか近い将来のPGAツアーでの優勝をも予感させてくれたのです。しかし石川は「ブリヂストン招待で4位にはなれたけどスイングの形にこだわりすぎて、アダムにも飛距離で離され過ぎていた。とにかくできるだけ前に飛ばせるスイング、躍動感をテーマにもう1回練習しようと」この遠征から帰国した後、スイングの修正に取り組んだのです。自ら望んだこととはいえ、飛距離を求めるスイングチェンジが、賞金レースを左右する秋口になっても修正できず、ドライバーは曲がり続け、躍動感は制御不能な振り回し過ぎに見えました。

台風や悪天候の影響で短縮になる試合が多かったのも、石川の後半の追い上げに水をさすこととなりました。しかし一番のダメージは「無免許運転騒動」だったようです。この騒動は「優等生的」なイメージが定着していた石川にとって初めての不祥事でした。米国で取得した国際免許は、一定の条件を満たさなければ日本国内では無効だと知らずに運転してしまったということで、事態の大きさに気づいた直後の「ダイヤモンドカップ」、そしてそれが明るみに出る直前の「日本ツアー選手権シティバンク杯宍戸」はいずれも予選落ちに終わっています。特にツアー選手権ではプロ転向後の自己ワーストスコアを記録するなどブービーの119位と、不祥事による動揺が成績に現れています。さらには「恋人騒動」がスクープされそうになるなど、今年の石川はゴルフに集中出来ない時間が多かったのも事実です。

初日の練習場では、ミスをするとクラブヘッドを地面に叩きつける場面もありました。少し考えすぎなのでしょうが、「ハニカミ王子」と呼ばれた頃を思い出し、プロゴルファーとして「楽しく・笑顔」で、ギャラリーを楽しませるような、気持ちの余裕が必要なようです。上手くいかない時クラブに当り散らしても何も解決しないばかりか、悪い結果をさらに自分自身に認識させることになります。いいショットもたくさん出ているのに、わずかなミスを許せずに考えすぎてしまう「ネガティブスパイラル」に入り込んでいるようです。ラウンド中に怒りを爆発させては、勝てる勝負にも勝てません。練習の段階では常に考え、繰り返しの練習が必要なのは間違いありません。しかし本番では体の反応に任せて「考えなくてもいいことは考えない」という頭の切り替えができないと、今の悪循環から抜け出せません。すべてを一人で背負い込んで、出口を模索しているようですが、父親の意見も聞かないような険悪な場面もありました。階段を一気に飛び越すように成長してきた石川が「大きな壁」を乗り越えるには、石川自身が変わらなくてはいけないのですが、まず「笑顔」を取り戻し「ゴルフを楽しむ」ことだと思います。

「太平洋クラブ・マスターズ」で、ホールインワンを決めた時の「笑顔」が、石川の本来の姿です。ミスをすると「カッ」となり、力でねじ伏せようとしている様に見えますが、ミスショットという「結果」は誰もコントロールできません。怒りをコントロールするには、頭と気持ちをどう切り替えるかが重要ですが、今年の活躍には米国ツアーで長年プロキャディとして実績を残している、外国人プロキャディのサポートが不可欠でしょう。毎年同じコースで開催されることが多い米国ツアーではコースの知識や情報を持つことが重要で、経験の少ない石川をサポートして結果が残せるのは、性格が明るく、石川にとって兄貴の様な存在に成り得る外国人キャディです。不調に陥った宮里藍を支え続け「キャディ・オブ・ザ・イアー」を獲得したミック・シーボンのようなパートナーと契約して日米で連戦を重ねれば、将来を見据えても大きな力になることは間違いありません。

史上初の偉業と、高額なボーナスを争う欧州男子ツアー最終戦「ドバイ・ワールドチャンピオンシップ」は、アルバロ・キロスが優勝し、ルーク・ドナルドが「米国・欧州・賞金王」の、ダブルタイトルがかかる最終日に「66」をマークと、世界ランクトップの貫禄を見せつけて、前人未到の快挙を成し遂げました。賞金王のドナルドはボーナスとして150万ドル(約1億1,550万円)も合わせて手にしました。イングランドの国旗を背中に背負い、イングランドカラーのいでたちで最終日に望んだL・ドナルドは、中盤でバーディパットが決まらなかったものの16番からの3連続バーディで「王者」の貫禄を示しました。いつの日か石川や松山が日の丸を背負い、白と赤のウェアで海外の「賞金王」を決めて欲しいと思うのは私だけでしょうか。

優勝したA・キロスの「武器」は欧州ツアーNO.1のドライビングディスタンス(312.7ヤード)です。「比較的速いスピードでスイングすることを、幼いころから実践していた」と飛距離の秘密を語っていますがもうひとつの魅力は「笑顔」でした。「マスターズ」で初日首位に立ちながら失速した時は深刻な顔をしていましたが、今回はミスしても「笑顔」でキャディやギャラリーと話をしていたのが印象的でした。レッスンで「もっと早く振りましょう」というと、怪訝な顔をされる方が多いのですが、プロゴルファーのスイングは思ったより早いものです。テレビを見ながら一緒にスイングに合わせて動いてみると分かりますが、プロゴルファーのスイングについていける方は少ないと思います。バックスイングに時間がかかりすぎることが、ミスショットの原因になっているアマチュアゴルファーが多いのは事実です。自分にとって快適なスイングテンポを身に付けることがコースでは重要だと思いますが、A・キロスは0.7秒でインパクトを通過します。石川は0.9秒ですが、世界のスイングスピードは「ゆっくり」ではありません。

A・キロスは「なぜボギーを打っても笑っていられるのですか?」という質問に「これでも笑顔を絶やさないように努力しているんだ。あまり良いプレーができなかったとしても、笑ってさえいれば、次につなげることができると信じている」と答えています。「マスターズ」の苦い教訓から得た、新しいプレースタイルだったのでしょう。「スペインの笑顔の戦士」A・キロスの「マスターズ」でのリベンジが楽しみですが、日本でも「マイナビABCチャンピオンシップ」で、賞金ランキングを快走するベ・サンムンとのプレーオフで、大金星を挙げた河野晃一郎も見ている者を楽しくする「笑顔」の勝利でした。2012年のキーワードは「笑顔」のようです。

 

 

 



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