コピー合戦
日本のゴルフクラブの大手メーカーはダンロップ、ブリジストン、ミズノ、ダイワ、ヤマハ、ヨネックスなどです。
これらのメーカーの製造、販売の仕方は自動車メーカーの製造販売の手法と似ています。トヨタ、ホンダ、日産、ミツビシなどの日本メーカーとフォード、ベン ツ、リンカーン各社のモデルを比較すると、性能は酷似しており、価格とデザイン、広告の良し悪しが選択条件になっています。競合他社の性能をコピーして、 ユーザーに同程度、同品質の車を供給する販売体制が解かります。
ゴルフクラブの場合は、まず競合他社の人気商品をコピーすることからはじめるのですが、
自動車メーカーと大きく異なるのは、自社の技術で自社工場での製品生産をしていない点です、メーカー自体に製品開発するための技術力を高め良い製品を作ろ うという熱意が不足しているように思います。中国でのOEM生産依存により、メーカー自体に製品開発をする技術力が必要無くなりました、最近は3Dキャド システムでシュミレーションしながらヘッドのデザインが出来、何時間か後には樹脂で作った実物大模型が出来上がるようになっており、ゴルフの腕前もたいし たことがない技術者が、数字の帳尻あわせの理論武装図面をメールで中国の工場に送れば新製品が完成するわけです。
1970年代から1980年代の大手メーカーの商品開発は試作品(プロトタイプ)を製造しプロゴルファーによるヒューマンテストをして、機械で計測しながら修正を繰り返して商品化するという非常にコストのかかる商品開発プロセスを踏んでいたのです。
今もそうしなければ完成度の高い商品は出来ないはずですが、コストダウンのため工程を省くことが重要視され、ヒューマンテストはロボットテストに変わり、コンピューターシュミレーションのデータがクラブを作る時代になりました。
皆さんにまず理解していただきたいのは「ゴルフクラブは欠陥品」であるということです。
最大の欠陥は重心がシャフトの延長線上にないことです、左手でクラブをグリップしヘッドを顔の高さに持ち上げフェースを目標に向け、右手の指先でシャフトの真ん中あたりを支え左手の力を緩めて手を開くとフェースが開く方向にヘッドは回転します。
シャフトの軸線から重心までの距離を「重心距離」といいますがシャフト軸線と重心がずれているためクラブを振ったときに、重心の方向に動こうとする力が働きフェースが開くのです。
ほとんどの方が初めてクラブを振るとスライスするのは「重心距離」のせいです。
「欠陥」をごまかすためにライ角をアップライトにフェース角をクローズにして帳尻合わせをしたクラブが最近目立ちます。両足を固定した状態で、感情もな く、プレッシャーも感じないロボットならコンピューターのシュミレーション通りの結果を出すでしょう、メーカーは「本日一番ショット用」クラブを作り、最 新テクノロジーを駆使し、最新素材を生かした高性能クラブと雑誌ぐるみで宣伝し販売します。
人間には感情があり「構えにくい」「振りにくい」と感じるとコンピューターのデータのような結果にはならないものです。
1995年に発売された52機種のドライバーの平均スペック
体積 230cc ライ角 55.8度 重心距離 35.9㎜ 重心深度 34.2㎜ 重心角 20.5度
2005年に発売された98機種のドライバーの平均スペック
体積 413.5ccライ角 59.4度 重心距離 37.9㎜ 重心深度 36.4㎜ 重心角 20.7度
以上のデータから体積は倍近く大きくなり、重心距離が2㎜長くなり、ライ角が4度近くアップライトになっているのが解かります、開きやすいフェースを閉じ るようなごまかしを「お助け機能」と宣伝しているメーカーもありますが「当社のクラブは欠陥品」などとは決して宣伝できないのです。


