コースランキング
なかなか世界的なプレーヤーが育たない日本。ゴルフコースのレイアウトも大きな関係があるように思います。どのホールもフェアウェイ中央を狙い、限りなくボールを飛ばすことにより、好結果が得られるような単調なコースがお好きですか?
日本の利益最優先のシステムとそのためのコースが、ゴルフの持つ本来の楽しさを後回しにしてきてしまったのです。A、B、Cとコースにランクを付けたとき、日本のコースでは残念ながら90%以上はBランクに位置づけられると思います。
日本独自のローカルルールも考え物です。どこでも6インチプレースや山岳コースに多く見られる「前進4打」はルール上違反となります。
ハーフ終了時点での昼食も「不当の遅延」に相当し、競技ルールでは失格です。英国で発祥したゴルフ規則は、日本の土地事情を考慮されて作られたものではなく、もちろんレストランの売り上げを考えて作られたルールではありません。
自然の風雨や自分のコンディション、リスクとチャレンジといったセッティングを自己の判断によって選択し、その結果に一喜一憂するのがゴルフの楽しみだと思います。
コースの基準や条件を考えずに、利益最優先のコースを造るよう依頼したオーナーサイドや請け負った設計者の責任も大きいのではないでしょうか。
プロゴルファーに眼を向けてみても、良いコースが少ない日本では世界と戦えるプレーヤーは生れてこないと思います。
人格を育成し、世界的プレーヤーを育てることが日本ゴルフ界の大命題ならば、ゴルフ関係者が一丸となって取り組むことが必要で、ゴルフ関連機関の責任も重大です。
他人事のように何もせず、事が起こってからあわてて改革を叫ぶようでは遅いのです。組織に新風を送る人事や活動をしなければ、日本のゴルフ界の明日は見えてきません。世界レベルで発展努力しなければ、世界で戦えるプロゴルファーは生まれてこないでしょう。
雑誌等に載っている「日本のコースランキング」は基準がないといっていいのではないでしょうか。知識の統一もなく、明確な基準ではなく、それでいてランキングが一人歩きしています。
そのために「権威のあるランキング」とはなりえていません。
いずれにしても、コース選定とランキングを決めるデータを明示することから始めなくてはなりません。
基準もなく選定するため、1位と30位の違いが分かりにくくなっています。基準づくりにおいても世界の基準で決めなければ意味が無く、外国から学び、納得できる基準から選定された時、日本のランキングも本物に近づくことが出来る様に思います。
米国のゴルフダイジェスト誌は、例年「米国ゴルフコース・ベスト100」を発表します。
アメリカには、約1万6000コースがあると推定されています、その中から100コースを選び出すためには、”しっかりした基準”と”公平に、的確に評価できる選者”の二本柱が不可欠です。コース評価の基準は以下の7項目から評価されます。
①ショット・バリュー<SHOT VALUES>
リスク(危険を冒す)とリウォード(危険への報酬)が、一つのホールの中で、どのように展開されるかという点。正確性、飛距離、デリケートなコントロールがどれ一つ誇張することなく、バランスよく要求されているか。
②スコアへの抵抗度<RESISTANCE TO SCORING> チャンピョンシップ・ティーからスクラッチ・プレイヤーがプレイし、フェアでありながら、どれほど難しいか。
③デザイン・バランス<DESIGN BALANCE>
距離、地形、ハザードの位置、グリーンの形状、アンジュレーションなどが変化豊かにコースを造りあげているか。
④メモラビリティ<MEMORABILITY>
各ホールに個性があり、しかも、1番から18番まで一貫した流れがあること。プレイ後、明確に各ホールが印象的であること。単調さを極力避けること。
⑤エスティックス<ESTHETICS>
景観の美しさが、ゴルフをより楽しいものにする
⑥コンディションニング<CONDITIONING>
評価するためにプレイした日の、ティー、フェアウェイ、グリーンなどの状態。
⑦伝統<TRADITION>
どのような歴史がつくられたか。公式競技を開催したか。コース設計はどのように寄与したか。ゴルフの起源、真髄を思い起こさせる雰囲気があるか。
各項目を10点(ショット・ヴァリューは20点)で、計80点満点となります。
現在、7項目合計80点のほかに、コースを歩けるかどうかに点数が加わります。いつでも歩ける場合は2点、制限時間つきで歩ける場合が1点です。ということで、満点は82点となり、それをもとに”米国ゴルフコース・ベスト100”が発表されるのです。
日本でも公平な人選をおこなって、カテゴリー別のコース評価ができるように努力してほしいものです。コースデザイナーに対抗してゴルファーは、考え、ア タックするのですが、力(距離)、コントロール(正確性)、精神的な力(計画性、戦略、忍耐力)および精緻性(デリケートなコントロール、微妙なスピン) などを数字で表現するのが、ショット・バリューです。
米国で発表された難易度上位コースのショット・バリューは、パイン・バレイ(9,10)シネコックヒルズ(8,58)ぺブルビーチ(8,54)ウィングド フット・ウェスト(8.49)サイプレス・ポイント(8,45)となります。コースをこのように数字で表現するには、まずホールとして、ティーショットか らはじまり、グリーンまでを場面に分けて点をつけるのです。
ティーショットの距離(例えば280ヤードのキャリー)と正確性(フェアウェイの幅30ヤード、しかも起伏がある)、この両方とも要求がきびしければ、グ リーン周辺の守備や起伏は、寛大であるべきだといったようになります。造成時には、設計者がバランスを考えながら、ショット・バリューをどのようにもたせ るかを決断していくのです。
コースが完成し、レーディングを測る時には、風の強さ、方向や地面の固さなどによって、ショット・バリューが変わってきます。
グリーンだけでもショット・バリューの変化はあります。グリーンのスピード、固さ、起伏によって数字が変わるのです。
グリーン周辺では、ほとんど平らなチッピング・エリアから、平らなグリーンへのショットはバリューが低くなり、グリーンの起伏が強く、しかもバンカー越えで、ダウンスロープからのショットとなるとショット・バリューはかなり高くなります。
グリーン周囲だけで1〜3ポイントほどの差がでてくることになります。
各ホールがお互いに関連し合って、各ホールに変化があるほうが「楽しく、飽きのこない」18ホールということになります。
ゴルフクラブ販売に代表される、エンドユーザーを無視した「利益最優先」の日本のゴルフ業界では、世界レベルの環境作りは難しいのかもしれません。


