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SAMMY'S GOLF CO.,LTD.
Bangkok Studio
日本料理・絆3階
3F 595/9 Sukhumvit 33/1 Sukhumvit Road
Klongtan-Nua Wattna Bangkok 10110
MOBILE: 087-906-7272 (日本語)
FAX: 02-259-2662
URL: www.sammygolf.com
E-mail: sammy@sammygolf.com
Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

Kankokutei

ゴルフクラブとの付き合い方 1月15日号

親交のあった「フォーティーン」創業者の竹林隆光さんが12月27日、

心不全のため64歳という若さでお亡くなりになりました。

73年に成蹊大学を卒業後「75年・香港オープン」ベストアマ、

27歳の時に「77年・日本オープン」のベストアマになられていますが、

当時ミズノに次ぐ2番目のメーカーだったヨコオゴルフ製作所を経て

81年に「株式会社フォーティーン」を設立されています。

私が竹林さんと知り合ったのは地元にあったヨコオゴルフの販売店でアルバイトをしていた時でした。

ジュニアとして競技ゴルフを始めたばかりの頃で

日曜日はゴルフ場でキャディをさせてもらい、

平日はゴルフショップの手伝いをしていたのですが、

師匠のいなかった私にスイングやクラブについて教えていただき、

クラブ作りを始める際にもいろいろとアドバイスをしていただきました。

 

交通事故で現役を引退し、韓国でプロゴルファーの育成に携わっていた際に本社を訪ね、

韓国での販売を竹林さんにお願して、バンコクに来るまで「フォーティーン」を販売していました。

当時はすべて注文製作でしたが、アマチュア目線と物理的な発想で

「やさしく美しくなければクラブではない」をコンセプトに、

クラブの進歩を追求しロングアイアンの長尺化等、

個性的な商品を次々に発売する魅力的な会社でした。

2008年には「会社の成長性を高めるには、あらゆる意味で中小規模では限界がある」と、

ダイワ精工株式会社(現グローブライド株式会社)の完全子会社となり、

竹林さんは特別顧問を務められていましたが、スタッフのことを考えての決断だったのでしょう。

「世界初の中空アイアン」も、竹林さんの代表作です。

重心理論をいち早く導入し、同時に身体とクラブの最適化を図るために

「慣性モーメント数式表」を発表するなど、

ゴルフクラブ作りに物理の視点を取り入れた画期的な発想でした。

スコット・シンプソンが使用し「87年全米オープン」を制し、

日本のクラブとしては初メジャートーナメント優勝クラブとなった

「YAMAHA・SX-21」を設計し、1980年代にもっとも売れたといわれる「PRGR・500アイアン」や

ユーティリティの元祖「インテスト」(通称タラコ)も竹林さんのアイデアです。

「フォーティーン」としては2002年~2003年日本プロゴルフツアー使用率NO.1

ユーティリティ「HI‐858」が大きな話題になりました。

「HI‐858」は2002年「全英オープン」でアーニー・エルスの優勝に貢献しましたが、

ニック・プライス、ジャスティン・レナードや、タイガーと№1争いをしていた

デビッド・デュバルも使用し「フォーティーン」を世界に広めた「名器」でした。

 

「日本オープン」でベストアマに輝いた時使っていたクラブのことに触れ

「14本で7ブランドのクラブがバッグに入っていました。

セットで買って、そのうち2本が使えるというように選んでいって、

生き残ったのが7ブランドで14本だったのです。形がどうこうではなく、

「これはヘッドの先が重い」とか、「後ろのほうが重い」というのを感じていました。

その感じを合わせるためにクラブをいじっていたわけです。

そういったヘッドの重さの違いを、すべてのゴルファーが感じているのかと思ったら、

実はそうではなかった。ほとんどの人が感じていないことが分かったので、

だったら自分の感じで数値化しようと思った」というエピソードを話してくれたことがありました。

 

横浜ゴムが「PRGR」の発売にあたって「ゴルフ業界に新規参入したいけれど、

どうやって設計したらいいのかわからない、商品開発に行き詰まってしまい、

どんなクラブをつくればいいのかわからない」と、相談を受けた竹林さんは

会社を立ち上げた段階で、いきなりオリジナルのクラブを製造しても

販売に自信もなかったので、それまで携わってきた仕事の延長線上にある

設計の依頼を受けることから始めたということでした。

会社を起こして20年間くらいは「フォーティーン」は製造会社ではなく設計会社だったのです。

 

設計会社から製造会社へと転換するきっかけについては

「ゴルフクラブの設計をするときは、金型までつくってから引き渡します。

その際、図面も一緒に添付するのですが、記載された数値を

意図的に隠した状態で渡していたので、先方は図面をもらったところで

同じ金型をつくることはできません。ですから「フォーティーン」のノウハウは

外に漏れなかったのですが、3Dキャドを使って設計をするようになり、

それにともなって金型加工用のデータを渡すようになると、

どうしてもノウハウが外に流出してしまうことになりました。

データでの引き渡しを1~2年続けていたら、ほとんど仕事がなくなってしまって、

それならば自分たちの手でクラブをつくって売らないといけないということになったので

製造会社にはなりたくてなったわけでもないんです。

ただラッキーだったのは、クラブの設計というのは金型を買ってもらうほかに、

1本売れるといくらというロイヤリティー契約だったので、設計の仕事がゼロになっても、

一年半くらいはなんとか食いつなげた」と、話してくれたのを思い出します。

 

2002年~2004年日本プロゴルフツアー使用率NO.1ウェッジ

「 MT-28」を発売して話題になりましたが、当初はティアドロップタイプのウェッジには否定的でした。

新製品が発売される度に、試し打ちとオーダーを兼ねて韓国から高崎の本社を訪ねたのですが、

プロトタイプを私に見せ「この形状が良い様なんだけど、どう思う?」と質問を受けたことがあります。

「アメリカンタイプですね」と答えると「自分にはまだ良さがわからないけど、

若い連中に任せているんだ」と笑顔で話していました。

それまで竹林さんが発売していたモデルはすべてグースネックだったため、

出っ歯型のウェッジは「構えにくい」のは当然でした。

高麗芝用の「ジャパニーズタイプ」とも言えるグースネックのウェッジの特徴としては、

ヘッドの座りがよく、自然にハンドファーストに構えることができ、

ダウンブローに打てることになります。ロングアイアンにもよく使われるのがグースネックですが、

ボールのつかまりはとてもいいのです。私の工場で作っているウェッジは、

ヒール側にふところがあるため、ボールを包み込む様なイメージに仕上げています。

自然にハンドファーストになるということは、ボールが低く飛び出しやすいという特徴があります。

ジャンボが得意にしていた低く飛び出しキュッキュッと止まる難しいアプローチも、

このグースネックのウェッジなら簡単にでき、ダフリも防止できます。


日本のゴルフ場も洋芝が増えてきて、ボールがフェアウェイにあったとしても

少しだけボールが沈むようになり、アメリカンタイプのウェッジが

主流になったのもうなずけるのですが、アメリカンタイプは、

小ぶりで出っ歯なのでボールを拾いやすく、ディアドロップ型という滴に似た形状が特徴です。

ヒール部分が低くリーディングエッジが丸いため開いて使っても違和感がなく、

スイートスポットからトウ側とフェース面を長く使える効果がありスピンを効かせやすいのです。

またヘッドファーストに構えることでさらにロフトが増し、

スピン効果が上がるのですが、現在発売されているアイアンは

PWまではグースネックのモデルが多く、セットとしての流れの中で違和感が生まれ、

距離が合わせ難くなるという問題も発生します。

 

プロゴルファーとの共同開発ということで誕生した「MT-28」ですが、

プロゴルファーはクラブの使用契約をしています。しかしパターと、

ウェッジ契約から外しているプロが多く、ウェッジを使ってもらうことが可能で、

「MT-28」は一気に使用者が増えたのです。

 

竹林さんは「ゴルフのスイングというのは、“クラブによって決められる”ので

流行のクラブばかり次から次へと買い替える人は、それほど上達していない場合が多い。

クラブが変わると、スイングも変わります。それまで使っていたクラブと

異なる特性のクラブを選んでしまった場合、いままで覚えてきたスイングとは違う動きを要求され、

バランスを崩してしまう」と話してくれたことがあります。

買い替えたクラブ用にスイングを変えるのはいいことではありませんが

「ゴルフショップに行って『自分に合ったクラブを探しているのだけど、

どれでしょう?』と聞く人がいますよね。でもそれって、

家電量販店に行って『ぼくに合ったデジカメを選んでください』とか、

カーディーラーで『僕に似合うクルマを探してください』と言っていると同じだと思います。

はたしてそれだけで見つかるのでしょうか? 自分に合ったクラブというのは、

『自分が何をしたいのか、何を目指しているのか』がわからなければ見つけられません。

クラブを買うときは自己分析をしてからでないと」とも話していました。

最も興味深かったのは「ゴルファーに蔓延している二つの勘違いは

『ドライバーを軽くして飛距離UPしたのだから、アイアンだって軽いほうがいいのだろう』と

思っていることです。軽すぎるアイアンを使っているとスイングが変わってしまい、

いままで打てていた球が打てなくなることになる。そしてドライバーのロフトについては、

ほとんどの人が少なすぎると思う。ドライバーの飛距離はスピン量と打ち出し角度で決まるのですが、

いまのクラブも、それからボールも、スピン量が減るように変わってきているので、

高く打ち出さなければ遠くに飛ばせません。でもみなさん、

経験値からロフトはフィックスして考える傾向にあるので、バランスがすごく悪い。

ロフトを変えてみるのもドライバー選びのポイント」という話です。

 

D・ジョンソンが「HSBC・チャンピオンズ」で、ロフト角10.5度のテーラーメイド

SLDRドライバーを使って優勝しましたが、ドライバーのロフト角が増えてきたのは、

マルチレイヤーでコアが硬いボールが市場を賑わせるようになった

2000年代後半からで、ツアーで使用されていたドライバーの

平均ロフト角は8度でしたが、2002年には約8.5度に。

そして2008年の「ドイツ銀行選手権」時点では、9.17度にまで増え、

2013年の「ドイツ銀行選手権」では平均ロフト角は9.39度となり、

HSBCではついに9.41度にまで増えています。2002年は、

出場選手中30本以上のドライバーがロフト角8度かそれよりも低く、

10度かそれ以上のロフト角のドライバーは5本だけでした。

 

最近は、低ロフト角のドライバーは10本程度。高ロフト角のドライバーは20本を越えており、

HSBCでは、23本のドライバーがロフト角10.5度以上。

出場選手が78名だけだったことを考えるとその多さが際立ち、

竹林さんの考えを証明しています。

サミースタジオで販売しているトム・ウィション・ゴルフのデータでは、

スイングスピード時速90マイルで打ち出し角12度のゴルファーは、

ロフト角9度から13度に変更すると、キャリーで9ヤードも飛距離を伸ばせるということです。


竹林さんは「ゴルフクラブといい関係を結ぶことが上達への近道です。

ゴルフクラブを単なる“もの”として扱ったり、すぐに買い換えたりするのではなく、

ゴルフクラブと気持ちを通わせてほしいですね。

ゴルフクラブは、“どうやって振ってほしいか”を訴えているので、

その声に耳を傾けてみてください。クラブがいつもより重いと感じたら、

『今日は体調が良くないのかもしれない』と思っておとなしくゴルフをしてみるとか、

自分をチェックするバロメーターにもなるでしょう。クラブが何を訴えているのかを聞き、

どう応えるのかを考えたほうが、ゴルフはずっと楽しくなると思いますよ」と

クラブ選びのアドバイスをしています。

昨年のゴルフフェアで「次回バンコクに行く時は必ず連絡するから、

ゴルフに連れていって」という約束は、残念ながら果たせませんでした。 合掌。



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