ジャパンゴルフフェア
2月20日から22日まで開催された「ジャパンゴルフフェア」に行ってきました。
リーマンショックから津波のように世界を駆け抜けていった金融恐慌により、フロリダオーランドで開かれた「PGAショー」の評判を聞くと「ここ数年アパレ ルのブースばかりが目立ち、本来のゴルフクラブや練習器具の商談会とは違う方向性に向かっていて、楽しくなくなった」ということでした。
PGAショーの不参加組みはテーラーメイドとナイキで(ウェアは出展)来年以降の参加も微妙なようです。長らく欠場していたピンとアクシネットは最大規模のブースで復帰したものの、常連のゴルフスミスや、かつて最大規模のブースを誇ったウィルソンも姿を消しました。
話題になったアクシネットは、なぜ8年ぶりに復帰したのでしょうか?キャロウェイとの特許紛争で敗れ、「新プロV1」の発売を余儀なくされ、大々的にプロ モーションする必要があったのでしょう。ピンは7年ぶりに復帰しましたが創業50周年の功績をアピールしたいがための復帰で、来年の参加は?だといわれて います。
昨年のPGAショーで「行過ぎた異形ヘッド」を売り込もうとした多くのメーカーは、ゴルファーの支持を得られませんでした。私が大型ヘッド Miracle(460〜560cc)を販売した2000年当時は、ヘッドを大きくすることのメリットに注目して設計、販売をしていました。
構えた時の違和感をなくすために、なるべくそれまでの形状を保って大きくすることに取り組んだのですが、決して長尺にはしませんでした。大きくすることで 慣性モーメントが高くなったヘッドを、短く組むことでミート率が上がり、結果として曲がらず飛んだのです。当時は1986年にプロギアがパーシモンヘッド より軽量のカーボンヘッドの長尺クラブを発売し「長ければ長いほど飛ぶ」という風潮があった時代でしたが、私は長尺反対論者でした。長尺に組むにはヘッド を180g台に軽くし、シャフトを50g以下にして総重量を280g台にする必要があったのです。しかし当時のカーボンシャフトは50g前後まで軽くする と肉厚が薄くなり、頼りないものばかりでした。芯に当たればいいのですが芯を外れたショットの行方は悲惨なものでした。
それ以前のパーシモン・スチールシャフト時代は、ヘッド200g+シャフト120g+グリップ50g=370g以上で、長くするとバランスが重くなり振り 切れませんでした。無理やり振ってもヘッドスピードが上がらず飛距離が伸びなかったので「43.5インチが限界」と言われていたのです。
現在のドライバーのヘッド重量は、パーシモン時代と同じ200gを越えているモデルが多くなってきています。
アイアンにも同じことが言えるのですが重い鎌で草を刈るほうが、軽い鎌で刈るより重さを利用してきれいに刈れます。ヘッド重量が重いほうが当たり負けしな いのですが、重すぎると振り遅れることになります。自分に合った気持ちよく振り切れるスペックを見つけるには、いろいろな長さ・重さを試すことが第一歩で す。意外に知られていませんが、グリップを抜いてシャフトをカットしたり伸ばしたりするのは難しいことではありません。同じドライバーを何度か組み替えて コースで試すことで、自分に合った長さ・バランスに調整してみることをお勧めします。
カーボンシャフトが1973年に登場してから、軽いカーボンヘッドが開発され長尺化が進むまで13年もかかっています。さらに軽くて硬い、チタン素材の登場で大型ヘッドが作れるようになったことで拍車がかかったのです。
カーボンシャフトの素材が多様化され2軸から4軸と進化し、現在のシャフトには長尺にしても振り遅れない復元性の高いシャフトも登場しています。現在、クラブの開発は行き着くところまで行き着き、新素材が出てこない限り「限界」に達していると思います。
今まではオイルショック時のカーボンシャフト、バブル崩壊時のチタンヘッドと景気が悪い時に登場した魅力的な新素材がゴルフ業界を救ってきました。
今回のジャパンゴルフフェアで感じたことはカラーグリップ、カラーシャフトさらにはカラーヘッドと、飛距離性能や方向性能とは無縁の「綺麗でかわいい」路線でした。
ボールにも同じ傾向が見られます、光沢のあるパールのおとなしめのカラーボールからビビットカラーまで登場し、昨年は白いボールより高い販売実績を残しました。
メーカーは昨今の長尺・異形ヘッドを選んだゴルファーが意外にも少なかったことにまだ気づいていないのでしょうか。異形ヘッドをいまだに追っているのが昨年スリクソンの傘下に入ったクリーブランドです。
SRIスポーツとのコラボでどのような新製品を発表するのか期待していましたが、まさかハイボアの流れのヘッドをゼクシオやスリクソンで発売するとは思っていませんでした。
価格帯、ターゲットのゴルファーに合わせての発売なのでしょうが、スリクソンGie、ゼクシオレボは、ハイボアのデザイナーの意見を取り入れたとしか思えません。
四角形のヘッドを発売していたキャロウェイの新製品レガシーエアロはオーソドックスな構えやすい形状に変わりました。タイトリスト909は発売以来、市場 シェアを二倍に伸ばしましたが使用プロのデービス・ラブⅢやアダム・スコットが使っているヘッドは3角ではなくオーソドックスなものです。試行錯誤を繰り 返したどり着いた先はオーソドックスな形状ということでしょう。
石川遼効果なのか?ヨネックスの新製品はアイアンもライ角がアップライトではなく、ドライバーの形状もやさしそうに感じました。
一番驚いたのがマルマンでした、異型ヘッドの生みの親ともいえるメーカーですが、発売されたコンダクターは日本人の体型に合っており、派手なオレンジのシャフトが気にならなければ以外に人気が出るかもしれません。


