スイングテンポ
このコラムで何度も述べてきたプレショットルーティーンをおさらいしたいと思います。
トッププロゴルファー達は、結果には執着せずプロセスを重視して転戦します。彼らは「プロセスはコントロールできるけど、結果はコントロールできない」ことを知っているのです。
ショットに入るまでのプレショットルーティーンを大切にすることで結果は必ずついてきます。プロセスを楽しんで、結果に期待することのほうがメカニカルなスイング理論に振り回されるより、はるかに早く上達できる秘訣だと思います。
ショット前、これから自分が起こすスイングのイメージとターゲットに向かう弾道を描く動作を大切にしなくてはいけません。
ミスショットはあなた自身のスイングの問題よりも、ショット前のターゲットに対するイメージの描き方の不十分さが引き起こすものなのです。良いイメージと悪いイメージが頭の中を交錯したまま集中を欠いた状態でスイングを始動すると、悪い予測が当たるものです。
プレー中の思考は邪魔となることが多く論理的な思考をすればするほど迷路に入り込みます、最初に浮かび上がった単純なイメージを信じて、その通り作業すること、そして同じ作業の繰り返しをすることがイメージ通りにショットできたという喜びにつながります。
プレショットルーティーンという準備動作は、ボールを打つ作業より大切だと述べてきました。前回までのグリップを含めたターゲットに対する正しいセットアップもルーティーンのなかで自然に行われるものです。
トッププレーヤーのボールを打つまでのルーティーンはまるでロボットのようにいつも不変です。どんなスポーツでも生まれながらのチャンピオンは存在し得な いものです、真の天才とはルーティーンから始まるスイングという動作を何千回、何万回の単調な繰り返しの練習で頭と体に深く、そして明確に刻み込んだ「稀 有の努力家」のことを言うのです。
次に私が考えるスイングの核心の部分について述べていきたいと思います。「プロとアマチュアとのスイングの違いは何ですか?」とよく聞かれます。
「テンポです」と私は答えます、指導者の勉強不足のためか説明が不足し、リズム、タイミング、テンポの違いを説明できるゴルファーは少ないと思います、それ以前にスイングスピードを正しくとらえていないゴルファーがとても多いと思います。
プロゴルファーはアマチュアゴルファーよりはるかに早くスイングしています、プロゴルファーのテイクバックからインパクトまでの経過時間は0.93〜1.2秒以内に収まります。
タイガーウッズの経過時間は1.06秒で時速216キロメートルになります。
アマチュアゴルファーのスイングを測定したことがあります、ハンデキャップ3のゴルファーが1.3秒で、ハンデキャップ36のゴルファーは3.5秒もかかっていました。アマチュアゴルファーの経過時間はあまりにも遅すぎるということです。
ビデオシステムを使ったレッスンで生徒さんのスイングとプロゴルファーのスイングを同じ画面で連動させると、生徒さんがトップに上がりきる前にプロのスイングはインパクトを通過する場合がほとんどです。
テレビでプロゴルファーの動きに合わせてシャドウスイングをしてみてください、スイングスピードの違いに驚くと思います。
なぜこんなに差がでるのでしょう、大体のゴルフインストラクターは「力を抜いてゆっくり」をモットーに指導しています、それを鵜呑みにして強調しすぎるのです。
インストラクターが「力を抜いてゆっくり理論」に行きつく理由として、コースに行くとアマチュアゴルファーは目一杯でリズム感に欠けたスイングをすることが多いからです。
しかし「ゆっくりスイング」を勧める最大の理由は「スイングの形作り」を優先させるためです、「ゆっくりスイング」のなかでやってはいけない注意事項と、 体を正しく動かすためのチェックポイントを覚えるという「形にこだわりすぎる」レッスンは、結果として練習場シングル養成カリキュラムになっていると思い ます。
またこれだけいろいろなことを考えながらスイングしていては、プレーに不可欠な「良いリズムとテンポ」を習得することは不可能です。
次回からツアープロ達が考えるスイングの核心「テンポ」について述べさせていただきます。


