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E-mail: sammy@sammygolf.com
Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

Kankokutei

セルフコンディショニング 10月1日号

人気の陰りが問題となっている日本男子ツアーで

新ルールが適用になりましたが、それはトーナメント会場

入場時の「ジャケット着用」の義務化でした。

日本ゴルフツアー機構(JGTO)監修のトーナメント規程には、

第36条(2)「服装、身だしなみ等に関する準則」というものがありますが、

ツアープレーヤーとしてのエチケットを重んじるもので、

ここに「トーナメント会場に最初に入る日と

大会最終日のゴルフ場の行き帰りについては、

必ず、ジャケット又はスーツを着用すること」という条項が加わったのが、

今季開幕前のことでした。

 

しかし数カ月経っても徹底が見られないということで、

9月のフジサンケイクラシックから、違反者には罰金10万円という

重いペナルティを課すことになったのです。

しかしクラブハウス前で監視の目を光らせるというのは、

校則違反の取り締まりの教師が立つ校門前と同じです

どうせなら毎日義務付けてもいいのに、

チェックがあるのは大会開幕前と最終日というのもおかしな話で、

暑さの強い日は手に持って入場できるという

徹底のなさはいかがなものでしょうか?

選手会の要望をJGTOサイドが受け入れ、

明文化したというこの「ドレスコード・ルール」ですが、

事の発端はファンからの疑問の声でした。

 

「あの選手はサインをお願いしたのを無視した」

「移動の飛行機内ではTシャツ、短パン、サンダル履きだった」という様な

ゴルフファンからの苦情が多く寄せられたとのことです。

チーム指定の揃いのスーツで移動するプロ野球選手や

サッカー選手と比べるとイメージが悪かったのでしょう。

「大人の社交場」としてゴルフ場が持つ格式、

試合をスポンサードする財界人との付き合いの他に、

会場内外での移動時における服装の乱れや、

ファンサービスの不十分さが指摘されていたのも事実です。

プロゴルファーとは、アマチュアゴルファーがいて

はじめて評価されるのですが、勘違いをしている選手もいるようです。

 

PGAツアーの考え方は「コース外での振る舞いで、

選手としての価値が上がるか下がるかは、

それぞれの選手次第」となっています。

プレー中に審判がいないゴルフでは、すべての責任は選手個々に

委ねられるというゴルフ本来の発想ですが、

日本のルール厳格化には否定的な意見が寄せられています。

強制されたジャケットを着用することだけで問題が解決するとは思えません。

ゴルファーとしてゴルフ場やファンの方々に

「敬愛の念」を持って接することから教えるべきです。

 

「スポーツマンとしての規律」や「ダンディズム」を感じる服装なら

問題ないでしょうが、ド派手なデザイナーブランドや、

昭和のヤクザ映画の様な服装では「ジャケットだけ着ていればいいのか」

ということにもなるでしょう。

マナーという線引きが曖昧な分野では、それぞれのモラルが重要です。

私は今まで一度もサンダルでゴルフ場に行ったことはなく、

プレーは長ズボンで、プレー後はワイシャツを着用しています。

ゴルフや同伴競技者に対する想いがそうさせているのですが、

規則のあるなしに関わらず、ファンが納得する立ち振る舞いが

できることを求められているのかと思います。

残念なのは「ドレスコード・ルール」は、開幕前に決まっていた「ルール」が

守られなかったために、厳罰化されたということです。

マナー、モラルの域を飛び越えて、罰金を含む義務にまで

せざるを得なかった事が、日本男子ツアーの窮状を物語っています。

 

PGAツアーのシード選手として迎えた松山英樹の最初の1年が幕を閉じました。

昨年10月にスタートした2013-14年シーズン。

開幕戦の「フライズドットコムオープン」で3位に入り、

2月の「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」で優勝争いの末、

4位に。そして6月初旬「ザ・メモリアルトーナメント」で初優勝と、

24試合に出場して、トップ10入りが4回、予選落ちはわずか3回。

日本勢としては2008年の今田竜二以来となる

プレーオフ最終戦に勝ち進みました。

フェデックスカップポイントランキング28位、

獲得賞金額は283万7477ドル(約3億円)の活躍でした。

 

本格参戦1年目の成績としては素晴らしいのですが、

最終戦を終え一年を振り返った松山は「うーん、ダメでしたね」と、語っています。

「勝つ前は目標が勝つことだったから、満足感はありましたけど、

それが終わってからトップ10が1度もない。

そんなシーズンで満足できるとは言えない」と、

自身に対するダメだしの理由を語っています。

日本人メジャー初制覇については「年に4回しかないメジャーに、

うまく調子を合わせるのは難しいけれど、去年はどの試合でもトップ25

外さないゴルフをしていた。去年も調子がいいとは思わなかったが、

安定する何かがあった。それがないとずっと崩れたまま。

そのきっかけを見つけないと」と、悔しさを語っていますが、

全てはグリーン上でのスランプでした。

8月末には「ラインがよく見えてこない。去年にはなかった」と、

パッティングの不調を振り返っていました。

 

しかしパッティング以外のスタッツを見ると、スクランブリング率

(パーオンを逃したホールで、パー以下のスコアを記録する確率)は

今年60.42%で、全体41位と昨シーズンの56.29%(121位相当)を

大きく上回っています。

昨夏から今年半ばに至るまでは、体調不良や左手首の故障といった、

万全の状態でプレー出来なかった辛い時期を乗り越えた事は賞賛に値します。

「去年は自分の中に『こうしておけば、どうにかなる』ものがあった。

怪我の影響で、知らぬ間にかばって打っていたのかもしれない。

怪我が治ってきたのに、そういうかばう動きが入るのがショックで」と、

痛みに耐え「選手生命のピンチ」と直面していた1年前の苦悩を語っています。

アトランタでの最終戦「ツアー選手権byコカ・コーラ」では、

納得のいかないラウンドを続け、22位フィニッシュでしたが

「笑顔のガッツポーズ」も見られました。

もうすぐ始まる新シーズンでは、ツアーメンバーとして

一層厳しい目で見られるようになるでしょう。

ファンサービスの面も、そして何かと反省を促された

プレー中のマナーについてもですが「笑顔」で乗り切って欲しいものです。

 

松山はPGAツアー初勝利を挙げた後も、練習場に最後まで残り

一心不乱にクラブを振り続けていました。

デジカメで撮影した動画を見ながら

「そのスイングじゃ、そんな球が出るわ」

「なんでこれがコースで出来ないかなあ」と、

自虐的なコメントを並べ、スイングチェックをする日々が続きましたが、

そこにはコーチの存在はありません。

頼りは自分の感覚と、キャディ、トレーナーらサポートスタッフで、

トッププレーヤーの中ではいまや少数派のコーチを持たないプレーヤーです。

ロリー・マキロイは幼少時代からの恩師マイケル・バノンとのタッグで世界を獲り、

リッキー・ファウラーは昨年師事したブッチ・ハーモンのもとで

スイング改造に成功しています。

ショーン・フォーリーとの関係を解消したタイガー・ウッズの

今後が騒がれていますが、フィル・ミケルソンは

「パッティング専門」のコーチに師事しています。

 

松山にとって最初の指導者は家族でした。

英樹少年が4歳の時、後に「日本アマチュア選手権」に

出場するほどの実力者となった父・幹男さんと、

二人三脚でスイング作りに励んだのです。

東北福祉大進学後はその父子の時間は減り、

特定の指導者がいないまま「マスターズ」に出場し

「賞金王戴冠」「PGAツアー制覇」まで成し遂げてしまったのです。

松山は「いずれはコーチに習うかもしれないけれど、

今の僕は、まだ教えてもらうレベルまで行っていない」と

話していますが「コーチの方にはそれぞれ考え方があって、

ショーン・フォーリーならショーン・フォーリーの理論っていうのがある。

でも今の自分は、そのコーチのパターンにスイングをハメたくない。

“自分のスイング”って人によって違って、それぞれ、

できる動きとできない動きってあると思うんですよね。

コーチに習ったからと言って、それを無理矢理変えたくないんです」と、

コーチに対する考え方を語っています。

 

スイングが人それぞれ違うのは体のサイズの違いに伴い、

関節の可動域、スイング時の癖の特性や傾向の表れ方の違いなのですが

「コーチがいないから悩んで、今みたいに悪い方向、悪い方向に行ってしまう。

でもそれもね、しっかりスイングができあがったら、

そういうこともないと思うんですよ。

ある程度自分の中でスイング理論を確立できるようになってから、

習うのがいいのかなと。その上でコーチの理論を聞いて、

自分にプラスになればいいと思う。いますぐにそのコーチの話を聞いて、

その人の言う打ち方、理論でやってみて、うまく行くとは限らないでしょう」と、

ただ従順なだけでは発展的な関係にはならないという考えを語っています。

 

松山がコーチを雇わない理由は、自身が「確固たるスイング論」を

掴みきれていないことに加え、悩んだ際に「何かにすがりたくなる」という

人間が当たり前に持っている部分への挑戦でもあるのでしょう。

「メモリアルトーナメント」の優勝会見で、現地の記者にコーチの存在について

「スイングが崩れたら誰が治すのか?」と聞かれると「誰も治してくれない」と言い、

会見場には笑いで包まれたのですが、

松山の隣にいた「帝王」ジャック・ニクラウスは「それこそが、

彼がいい選手である理由だ」と評価しています。

自分流のゴルフを模索しているのでしょうが、まず「パッティング専門」の

デーブ・ストックトンをコーチに迎えて欲しいですね。

A・ソレンスタムを「女王」に導き、P・ミケルソンを復活させ、

Aスコット・R・ロキロイをメジャーチャンプに育てた手腕は間違いありません。

 

昨季下部ツアー選手との入れ替え戦に参戦した石川遼は今年、

松山とともに「プレーオフシリーズ」という、

サバイバルレースへの挑戦権を手にしました。

翌シーズンの戦場すら不透明で、暗中模索の1年前とは大違いでしたが、

レギュラーシーズン最終戦の会場には、遠征をともして来た

トレーナーの姿はありませんでした。2008年のプロ転向後、

石川は専属トレーナーをほぼ毎試合に帯同させていました。

特に昨年米ツアーへの本格参戦を開始した直後は、深

刻な腰痛という懸念材料があり、彼らの存在は欠かせないものでした。

 

日本にいるトレーナーとは、SNSで相談しながら

「セルフ・コンディショニング」に取り組んでいます。

ティオフの約4時間前に起床し、ストレッチから徐々に体を起こし、

ハリを感じる筋肉には自身でマッサージを施し

、ランニングを中心とした有酸素運動を経て、ボールを打ち始めるのですが、

すべてのルーティンワーク、そして夜の体のケア、トレーニングメニューの考案も

トレーナー不在で自ら行なっています。

寝起き直後のストレッチは40分間と長時間で、

マッサージも自分の両手頼りですが「そんなことやる必要あるの?って、

思われるかもしれないけど、毎日他人にケアをされて、

誰かに頼らないと回復しない体になるのが嫌だった。

“自己免疫力”というか、それをつける期間にしたいなと。

『ここが痛いから治してください』と言ってばかりだと、

自分の体が分からなくなってくる」と

「セルフ・コンディショニング」の意義を語っています。

 

プロゴルファーとは孤独でアドレスに入れば、頼れるのは自分しかいません。

誰にも頼れない状況を受け入れ、全てを決めるのはプレーヤー自身なのです。

16歳でプロになった石川は類まれなタレント性により、

他の選手たちに比べて甘えが許され、決断を他人に委ねる時期がありました。

他人任せにできる環境を自ら排除して、真剣に自分の体と向き合う姿勢は、

今までの石川にはないものでした。

松山も石川も「自分が納得のいく環境」を、

自分で作り出そうと日々努力しています。

石川には年末の時点で「マスターズ」参加資格が与えられる、

世界ランク50位以内を目標に頑張って欲しいですね。



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