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Kankokutei

パットイズマネー

FedEx Cup(フェデックスカップ)プレーオフが終了しました。年間王者に輝き1,000万ドル(約9億円)を獲得したタイガー・ウッズは、プロアスリートとし ては史上初となる「$1 billion(10億ドル=約900億円)」を、プロ転向後わずか13年目で突破したことが話題になっています。この総額には、試合での獲得賞金、試合 出場収入(ギャラ)、スポンサー収入、ゴルフ場設計収入などが含まれています。ちなみに、タイガーは2002年にF1のミハエル・シューマッハを抜いて以 来、最高年俸アスリートの座を守り続けています。

今季開幕時のタイガーの総収入は8.95億ドル(約805億円)でした。今季の獲得賞金だけで約20億円を加算し、これにスポンサー契約料などを上乗せ し、大台に到達したということになります。2002年以降、タイガーはゴルフ場の設計も始めていますが、それによる収入増も大きかったようです。しかし収 入の大半はNikeとのスポンサー契約で、年間約3,200万ドル(約28億円)だと言われています。

資産だけではなく、総合的に見て「史上最高のスーパーアスリート」はというと?10年前までは、間違いなく「マイケル・ジョーダン」だったと思いますが、現在は「タイガー・ウッズ」と答えるスポーツファンが多いのではないでしょうか。

FedEx Cupプレーオフ最終戦「ザ・ツアー選手権」で今季一度も見られなかった「タイガーVSミケルソン」のワンツーフィニッシュが実現しました。組が違ったた め、デッドヒートとまではいきませんでしたが、来年のメジャーでの「タイガーVSミケルソン」の対戦が待ち遠しくなる最終戦でした。最終日。第2ラウンド からまるで別人のようなパッティングを見せたフィル・ミケルソンが、ノーボギーの5アンダー「65」で回り、今季3勝目を挙げました。ミケルソンはこの優 勝でFedEx Cupプレーオフポイントランキングでも総合2位まで浮上しました。年間王者になるためには、タイガー・ウッズが8位以下まで落ちことが条件でしたが、タ イガーは単独2位を守り1,500点を加算して、合計4,000点のダントツの1位で年間王者に輝きました。

手術を受けた左膝がどうなるかわからぬまま復帰した今年、手探りと不安の中でスタートし、6勝も挙げたのは立派ですが、以前のような最後の最後に追い上げ 追いつくという「タイガーチャージ」は影を潜めてしまったように思います。4大メジャーがそうであったように、ここぞというところで、勝てなくなったよう に感じる一年でした。負けたときに見せる悔しい表情も、以前とは変わってきています。誰も近寄れないほど足早に去っていくということもなく、Y・E・ヤン に負けた全米プロでも、きちんとインタビューに応じ、愛想笑いやジョークも交えた「大人の対応」に変わってきています。

33歳にして家庭、子供といろいろなものを山ほど手に入れてしまった今は、以前ほど勝利へ執着が強くなくなったのか、かつての激しいタイガーとは、少しだ け別人のように感じます。しかし、オフには新たな課題に取り組み、今年勝てなかったメジャーに勝つために、万全の体制で「戦う準備」を整えてくるはずで す。

約10億ドル(約900億円)の金額を年俸相当にすると約7,600万ドル(約69億2,300万円)ということになります。キャディーのスティーブの ギャラ(獲得賞金の10〜15%)、コーチ費用(獲得賞金額の10%)、IMGのマネージメントフィー(約10%)、移動費等の経費と税金を引いてもすご い収入です。スティーブのギャラを、仮に2009年度の獲得賞金(19,508,163ドル)の12.5%としても2億を超えるわけで、ナンバーワンプ レーヤーのキャディーやコーチの収入も別格ですね。

ミケルソンは今年、妻と実母が続けざまに乳がんと診断され、手術を受け、そのために全英オープンをはじめ、いくつかの試合を欠場しました。そんなことがあった末のこの優勝は、苦しく、辛い中で踏ん張ってきたミケルソンへのご褒美だったのでしょう。

ミケルソンの勝因はずばり「パッティング」でした。首位のケニー・ペリーとは4打差、2位のタイガー・ウッズとは2打差でスタートしたミケルソンは、土曜 日に続きパッティングが好調で、16番ではチップインバーディを決めるなど「グリーン周りの名手」ぶりが復活しました。ミケルソンは全米オープンで優勝を 逃して以来、5試合に出場、トップ10入りは一度もなく、上位争いから姿を消していました。全米プロではショートパットをことごとく外し、「パットをどう にかしないと」と嘆くほど悩んでいました。しかし今週は4ラウンド合計で105パット、1ラウンド平均26.25パット。「パットが好感触なのは久しぶり だよ。パットが良かったドラール(WGC-CA選手権)でもL.A.(ノーザントラスト選手権)でも、グリーンに上がった時に1.2メートルであれ12 メートルであれ、絶対に決められる自信があった」と語りました。トーナメントの前週、チャンピオンズツアープレーヤーであり、元全米プロ選手権覇者デイ ブ・ストックトンに2日間、パットをアドバイスをしてもらったようです。ミケルソンはスイングコーチにブッチ・ハーモン、ショートゲーム専門にデイブ・ペ ルツを雇っているのですが、今回のストックトン氏による助言をミケルソンは「自分が今までずっと信頼してきたパッティングのストロークが大切だということ をストックトンさんに指摘されました。ハンドファーストで、手を下げたまま打ち込むような感覚で、テークバックでフェースをスクエアに引くことが重要だと 指摘され、パッティングが子供の頃、自然に打っていた時の感覚に戻り、最高の気分です、そしてスイングコーチのブッチの貢献も大きく、全てが上手く回り始 めた」とブッチ・ハーモンにも気配りをしたコメントを残しています。

FedEx Cupプレーオフの年間王者になれなかったことよりも、グリーン上の「ボールタッチ」が戻ってきたことのほうが、重要だったようです。超高速グリーンでタ イガーが「傾斜が強いのか、芽が強いのかが分からない」とコメントするほど難しく、グリーン上で苦戦を強いられた選手が多かった中、ミケルソンの4日間合 計で105パット、ラウンド平均26.25パットは、出場していた30名中2位の成績です。全米オープンで惜しくも優勝を逃してから、ツアーを離れていた ミケルソンの復帰後5試合のパット数を見てみると・・・BMW選手権(30位タイ)30-26-29-30=115:ドイツバンク選手権(27位タ イ)29-27-28-28=112:ザ・バークレイズ(52位タイ)29-31-34-28=122:全米プロ選手権(73 位)34-33-30-30=127:WGCブリヂストン・インビテーショナル(58位タイ)30-26-29-30=115というパット数でした。

4日間のパット数を比べると、ザ・バークレイズとは17打、全米プロとは22打もパッティングだけで縮めたわけですから、優勝するのも当然ですね。大会3 日目に猛追し3位タイまで浮上した後、ミケルソンは「ショットは最高に調子が良いのに、これまではそれがスコアに結びつかなかった。飛距離が伸び、より正 確なショットが増え、アイアンショットの精度も上がっている。ブッチ・ハーモンとトライしてきたことが実を結びはじめてきていて、近く結果にも表れるで しょう。なぜならパッティングが良い時の状態に戻ってきているから」と語っていました。自分のスタイルを思い出し、最終日に結果を出したことになります。 まさに「パット・イズ・マネー」ですね。



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