ヘンな癖
レッスンをしていて「もったいない」というスイングをしているゴルファーを多く見かけます。
アドレスはとても良いのに、スイング理論の勘違いでコースでは確立の悪いスイングにしてしまっているのです。
「へんな癖」がついてしまった訳と直し方を考えて見ましょう。ビデオでのスイングチェックで一番多いのが、インサイドにヘッドを引きすぎるテークバックです。
長年ゴルフをプレーしている方に特に多く見られる現象です。パーシモン(柿の木)ヘッド・スチールシャフトのドライバーしかなかった時代のスイング理論 は、100匁(375g)という現代では考えられないほど重たいドライバーを、技術で真っ直ぐ打つ方法(経験)論がスイング理論でした。
総重量が重たいため、長さは42.5インチが標準でパワーのあるゴルファーでも43インチだったのです。現在の3番ウッドより短かったわけでボールに近く立ち、重いクラブに負けまいとスイングするとアウトサイドインのスライスになりやすかったのです。
そのため「アウトサイドインはスライスの悪い軌道」「インサイドアウトに振るのが正しい」と言われていました。
1900年スコットランドのベン・セイヤー社が考案した「ドレッドノート」がドライバーの原型になったといわれています。
1927年トゥルーテンパー社が初めてステップつきのスチールシャフトを開発。マグレガー社からこのシャフトを採用したクラブが発売されました。
それ以降1984年に米ツアーでリー・トレビノやカーチス・ストレンジらがメタルヘッドのドライバーを使いはじめ、テーラーメイドの人気が高まるまで、パーシモンヘッドの時代が続きました。
1988年にテーラーメイドはカーボンシャフト「ツアーゴールド」を装着したメタルヘッドを発売。尾崎将司プロが使用し話題になりました。カーボンといっ てもスチールより多少軽いという程度だったと記憶しています。その後ボロン等の新素材を使った超軽量シャフトの登場でドライバーの軽量・長尺化が進みスイ ング理論も大きく進化したのです。
「アウトサイドインは悪い動き」と強く思い込まされているゴルファーは、なんとかインサイドからヘッドを戻そうとします。そこで「インサイドアウトの誤解」に悩まされることになります。
アドレス時のシャフトとその延長線を「シャフトプレーン」といいます。ハーフウェーバックでこのシャフトプレーンに沿ってヘッドを上げていくのがオンプレーン・テークバックになります。(写真参照)

ハーフウェーバックでグリップとヘッドが重ならないのは「インサイドから」の意識が強く、右脇を締めてインサイドに引き過ぎるためです。この位置からクラブを上げようとすると、シャフトがターゲットラインにクロスするトップの形になります。
(写真参照)

かぶったトップの形からは、シャフトを寝かせたシャフトプレーンより下から戻るダウンスイングになります。
インサイドから戻っているので正しいようですが、ボールの手前を叩きやすくクラブフェースが開いた振り遅れのインパクトになります。
そのまま打つと「プッシユスライス」になりますが、フェースローテーションが使える上級者がプッシュアウトを嫌うと、左に飛び出して更に左に曲がる「チーピン」が出ます。
インサイドに上がりすぎるテークバックを直すには、右手一本でシャフトプレーンにそって振り上げてみることが効果的です。クラブが一番軽く感じる位置が正しいポジションです。さらに左手甲を右ひじの下から押し上げるようにして振り上げるのも効果的です。
「思い込まされている奇妙な常識」は50年前の理論と疑ってかかるべきです。


