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MOBILE: 087-906-7272 (日本語)
FAX: 02-259-2662
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E-mail: sammy@sammygolf.com
Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

Kankokutei

ライダーカップ 10月15日

米国と欧州の2年に1度の対抗戦「ライダーカップ」も、最終日大逆転で欧州チームが勝利して

幕を閉じました。賞金のない「ライダーカップ」ですが、米国や欧州の選手にとって

「何よりも大切な大会」といっても過言ではないでしょう

彼らにとってライダーカップは常に夢であり、目標であり

ギャラリーの応援の仕方も大きく違いますが、選ばれることは大変名誉なことなのです

「ライダーカップ」が創設されたのは1927年でした

当初は米国と英国の対抗戦として始まったのですが

やがて英国にアイルランドが加わり、79年からは欧州全域に拡大され

現在のような「米国対欧州」の団体戦になりました

 

競技方式はフォーボール、フォーサム、シングルスの3種類

両チームとも12名のメンバーで構成され、そのうち10名はポイントランクから選出

残る2名はキャプテン推薦というのが長年の形式でした

しかし近年はポイントランクもキャプテン推薦枠の数も各々のチームで

独自の形式を取るようになり、欧州はキャプテン推薦が2名、米国は4名になっています

欧州チームに抜擢されたのはニコラス・コルサートでした

 5月に行われた「ボルボワールドマッチプレー選手権」の準決勝第1試合

ラファエル・カブレラベローとニコラス・コルサートの対戦は、オールスクエアが続く接戦で

延長20ホール目にN・コルサートがアップを奪い勝利

準決勝第2試合はグレーム・マクドウェルとポール・ローリーが対戦

G・マクドウェルが2アップでP・ローリーを制し、N・コルサートとの決勝に駒を進めました

悪天候の中迎えた決勝戦の前半は、N・コルサートがアップを奪っても

ゲーム巧者のG・マクドウェルにオールスクエアに戻すという展開でした

後半は常にN・コルサートがリードを奪い、1アップで接戦を制し

メジャーチャンピオンのG・マクドウェルに勝利したのですが

マッチプレーでの勝負強さがベルギー出身として、初めて代表に選出された理由でしょう

N・コルサートは2011年「ボルボ中国オープン」でツアー初勝利を挙げると

昨年の「ボルボワールドマッチプレー選手権」では3位

「ボルボゴルフチャンピオンズ」では4位でした

今季も「ボルボ中国オープン」では2位フィニッシュと

ボルボがスポンサーをする大会で数々の好成績を残しています

 「厳しいコンディションでよくプレーできた。対戦相手は全米オープンを制した

マクドウェルだから、このような悪コンディションの中でタフなゲームになると予測していた

勝てて本当に嬉しい」と、今季初勝利、ツアー通算2勝目の喜びを語っていましたが

「全英オープン」7位の後参加したPGAツアーの「ウインダム選手権」でも7位

直近の2試合「KLMオープン」8位タイ「BMW・イタリアンオープン」では5位タイと

何故か乗り物がスポンサーの大会で強さを発揮しています

 

平均飛距離316ヤードというN・コルサーツは「史上最長のストレートヒッター」と

評価されていましたが29歳と中堅で、昨年までは無名の存在が

欧州チームの「ライダーカップルーキー」として選ばれたのです

もう一人は「ライダーカップ」の実績と、やはりマッチプレーの強さから

イアン・ポールターが選ばれました

米国キャプテンのデービス・ラブⅢ世はスティーブ・ストリッカー

ジム・フューリック、ダスティン・ジョンソン、ブラント・スネデカーの4名を選出しましたが

人気者のリッキー・ファウラーは選出されませんでした

 

ランキングで「ライダーカップ」出場を決めていたババ・ワトソンの

去年の「フレンチオープン」で見せた奔放な態度に、地元の欧州では非難が集まっていました

欧州のメディアは、B・ワトソンがビデオ撮影、携帯電話使用の禁止を無視した

ギャラリーを批判したことを大きく取り上げたのです

確かに欧州の選手はそれほどシリアスな対応はしませんが

ルーブル美術館や他のパリを代表する建造物の名前を知らなかったことを挙げ

「甘やかされた環境で育った世間知らずプロゴルファー」とアメリカを代表する

「マスターズチャンピオン」をこき下ろしたのです

PGAツアーでは何もかもが全て同じ条件になっています

スポンサーから送迎の専用車がついて、同じビュッフェスタイルの食事と

プレー後にはビールを提供するバーもあり、スポンサーを巻き込んで

ショー的な派手な演出が多いのも確かです

欧州勢の強さは、選手同士の強い繋がりとツアー組織そして

開催コースとの連携で成り立っているように思います

欧州ツアーは毎週、全く環境の異なる場所での連戦が続きます

選手達は「環境に対応すること」ができなければ良い成績は残せません

PGAと欧州ツアーはグリーンの速さ、それに芝の長さという環境条件を

近く設定するのを目標にすべきという意見もありますが

欧州ツアーはアフリカ、アジア、オーストラリア、欧州各国はもちろん

中東でも大会を開催する為、基準設定が極めて困難なのです

アメリカでは気候条件が良い時期を選んで、毎年開催する地域が決まっていますが

そのためメジャー以外は統一基準に沿ったコースセッティングが可能です

欧州では同じコースでも焼けつくように暑い日もあれば急激に気温が下がることもあります

雨が降ったかと思えば強風が吹きすさぶ、というように変化に富んだ気候条件の

急激な変化に対応しなくてはいけないという、その辺のツアー環境が

前回2010年の「ライダーカップ」で欧州代表が勝利し

1985年以降の成績で欧州チームが米国チームより2倍勝っているという

最近の「米国劣勢」を生んでいるのでしょう

今回の「ライダーカップ」は、地元米国チームのキャプテンを務めるデービス・ラブⅢ世が

開催コースのセットアップを決める権利を持っていました

チームミーティングの意見に合う条件にすることが出来るのですが

ファーストカット部分を10ヤード幅と広くしていましたし、フェアウェイの芝と

大差無い長さに刈るように条件を出していました

大きく曲げる事が多い、B・ワトソン、P・ミケルソンが2打目からでも

リカバリーできるように配慮したのでしょう

しかもティグラウンドを選択してホールの長さも変えることができ

さらにピンポジションも、D・ラブに選択する権利が与えられているという

大きなホームアドバンテージが与えられ「強いUSA」の復活に期待が集まりました

 

スタートから米国選手がギャラリーを煽り大歓声の中スタートするという

普段ではありえない、ギャラリーを巻込み明らかに米国有利な条件で

初日から米国チームがリードを奪いましたが

キャプテン推薦のN・コルサートはリー・ウェスウッドと組んだ午後のフォアボールマッチで

1イーグル8バーディを奪い勝利に貢献しました

タイガー、S・ストリッカー組みが16番でバーディを奪い欧州1アップと迫られた

17番パー3、タイガーはティショットをピンそば1mにスーパーショット

しかしN・コルサートが8mのバーディパットを先に沈めてこのホールを引き分けに持ち込みます

初日3ポイント対5ポイントとリードを許した欧州チームでしたが

最後のマッチとI・ポールター、J・ローズ組みがともにタイガー・S・ストリッカーの

エースチームに勝利したことで、キャプテン選出が間違っていないことが証明されました

 

2日目は「GO!EUROPE・SEVE」の飛行機雲を見ながらのスタートでしたが

米国チームで「ライダーカップデビュー」を果たしたK・ブラットリーの勢いが止まりませんでした

いずれもP・ミケルソンと組んで、初日に2勝をあげると

2日目は午前のフォアサムでL・ウェストウッド、L・ドナルドという強豪ペアに

同フォーマット最多差タイとなる7&6で勝利とエース的な活躍でした

コース上で激しく感情表現する姿が印象的なK・ブラッドリーは

「ストロークプレーでは、絶対にあんなことはしない。でも、ここではフィルがいてくれる

たとえグリーンを外して、林に打ち込んでも、そこからどう取り返すか知り尽くしている

ゴルフ殿堂プレーヤーがいれば、リラックスして居られる」と

将来のキャプテン候補ともいわれるP・ミケルソンの援護の重要さを語りました

 

最終日のシングルス戦へ、4ポイント差をつけられて挑むことになった

欧州チームキャプテンは「私は信じている。まだ終わったわけじゃない

これがセベ(バレステロス)から学んだことで、選手たちに伝えようとしていることだ

本当に終わるまでは、終わりじゃない、明日はまだ12試合ある

困難な仕事であることは確かだが、まだ終わっていない。シンプルなことだ」と

最終日の逆襲を、故郷の英雄に誓っていました

欧州チームが「ライダーカップ」を持ち帰るには、引き分けの場合

ディフェンディングチームが持ち帰るという規定があるため

8ポイント以上を獲得する必要がありました

 

アメリカカラーのウェアで真っ赤に染まった敵地での最終日

キャプテンの戦略は、ランキング上位選手を先行させポイントを稼ぎ

流れを引き寄せるというものでしたがそれが見事に決まりました

L・ドナルド、Iポールター、R・マキロイ、J・ローズ、P・ローリーと

5連続ポイントで米国を追い上げます

2試合落とした後のない状況で、セベの想いを受け継ぐ

セペインのS・ガルシアが上がり2ホールを連取して逆転勝利で繋ぎます

M・カイマーが1UPで最終ホールを迎えたS・ストリッカーとの戦いは

2パットで勝利というバーディパットをM・カイマーが2m弱オーバーしグリーン周りは騒然となりました

外せば米国勝利に流れが傾く重要なパットを、M・カイマーが決め欧州がポイントで逆転したのです

欧州チームのエース格の活躍をしたのはI・ポールターでした

出場全試合4勝を挙げ、やはりキャプテンの選出に応えました

 

最終組は16番でF・モリナリのバーディが惜しくも決まらず、

7番では奥からのアプローチをミスし、タイガーにリードを奪われて最終ホールを迎えます

このままタイガーが勝つのが当たり前の展開に思えました

しかし左奥からのバーディパットを80cmに寄せたF・モリナリに対し

右エッジからアプローチを狙ったタイガーのボールはカップに蹴られ

ボールに勢いがつき1.2mのパーパットが残ります

タイガーが決めれば14対14の引き分けでしたが

誰もが目を疑うようなラストシーンが待っていました

タイガーのパーパットは左をすり抜けてしまったのです

しかしタイガーは次の瞬間F・モリナリのマークを拾い上げ

F・モリナリに重圧のかかるパットを打たせませんでした

 

F・モリナリがパーパットを外しても「ライダーカップ」は欧州に持ち帰られることは決まっていました

それだけに打たせたくないというのが、タイガーの正直な気持ちだったのでしょう

1969年の大会は、初めて引き分けになった大会でした

その最終ホールでも同じようなドラマが起こっています

同点で迎えた最終組はJ・ニクラウスとトニー・ジャクリンというメジーチャンピオン同士の戦いは

最終18番のパー5までもつれ込んだのですが、ともにセカンドショットをグリーンに乗せ

T・ジャクリンがイーグルパットをショートした後

J・ニクラウスのイーグルパットはカップを2m弱オーバー

しかしJ・ニクラスは外すと負けというプレッシャーのかかるバーディパットを決め

1927年にスタートしたこの大会は初めて引き分けとなったのです

カップからボールを取り出すと、T・ジャクリンのマーカーに手を伸ばし

それを拾い上げたことが語り草になっています

J・ニクラウスはT・ジャクリンと握手をすると、その肩に腕を回し

「君はあのパットを外さなかったと思う、でも、あの状況の中でパットするチャンスはあげないよ」と

話したといいます

この振る舞いは、のちに「ザ・コンセッション」と呼ばれ

ゴルフでスポーツマンシップを示す最高の瞬間と称えられることになったのです

仲間意識と友情が生んだ、国際大会の理想的な姿として語り継がれていますが

カップを防衛することこそ、J・ニクラウスの心の中にあった

「ライダーカップ」に対する想いだったのでしょう

「もし引き分けだったら、我々はカップを防衛できるが、見方によれば

イギリスとイギリス代表にとって引き分けは大きな勝利で、トニーを立場上、追いやりたくなかった

万が一、パットを外してしまったら、その時は彼がスケープゴートにされる

彼はあれだけ偉大なるヒーローなんだから、それはフェアじゃないと思ったんだ」と語っています

タイガーも「ライダーカップ」がかかっていたら最後のパットは違っていたことでしょう

日本にこのように素晴らしく感動的な団体戦がないのは、とても残念なことですね

 

 



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