一年を振り返って
今年も残りわずかとなりました。一年間ご愛読ありがとうございます。
LPGAツアー選手権リコー杯最終日に、横峯さくらが大逆転優勝を飾り、念願の賞金女王に輝きました。首位と5打差の5位から出た横峯さくらは4バー ディ・1ボギーの69でラウンドを終え、通算6アンダーとし“奇跡の逆転劇”で今季6勝目。一時は約4390万円の大差をつけられていた諸見里しのぶとの 賞金レースを最後の最後に逆転したのです。さくらの今季獲得賞金は1億7501万6384円となり、歴代最多記録を更新しました。
「勝てたことがうれしい。女王のことは少しも頭に入れず、少しでも上に行くことだけを考えていた。(女王は)オマケでついてきたもの」と語りましたがシーズン当初から公言していた「賞金女王獲り」を実現した実力は、本当に素晴らしいと思います。
首位との5打差、賞金レースでリードを許していた諸見里との1打差を追う最終日は我慢比べでした。「幸運もあれば不運もある。それがゴルフ」と自分のゴル フを信じ、チャンスを待ちました。第2打のミスでパーオンに失敗した14番のピンチに、逆にチップインバーディーとして流れをたぐり寄せ、諸見里をつかま えたのです。「打った感触よりも出球がちょっと強かった」という約20ヤードの第3打がピンに当たって入ったのです。
続く15番では第2の幸運が訪れます。フェアウエーから打った第2打は、グリーン手前のバンカーをぎりぎりで越えると、着弾点の傾斜でピン方向へ跳ねて転がり、ボール1個分カップ右に止まるミラクルショット!連続バーディで一気に諸見里を抜き去りました。
上位陣もスコアを落としたため、ホールアウト後に単独首位に立ったのです。「神懸かっていないとできない。自分の実力だけじゃできないプレー」何が起こる か分からない−それがゴルフですが「練習でしたものしか、ラウンドで出てこない」のは間違いのない事実です。「さくら流ゴルフ」の源は、悔しさをばねにこ なした練習量に他なりません。
女王獲りを公言して臨んだ今季。3勝目を挙げ「女王」の2文字が現実感を伴った後、約3カ月も優勝から遠ざかり悩んだ後「プレッシャーの中で自分のベスト を出せるかと考えたとき、賞金女王は絶対に無理だと気づいた」と語っていました。9月のマンシングウェア東海で、女王獲り宣言を撤回して4勝目。「あきら めた」と表現してはいましたが、胸の中に秘めた思いは変わらなかったはずです。
この時横峯は「勝って泣いたのはあまりない。泣くとしたら狙って勝てた時、今季最終戦で勝って賞金女王になったときですね」と明かしていました。悲願へ思 いの強さを証明した予告女王、来年から大挙押し寄せるUSLPGAツアーから転戦してくる韓国女子チームに立ち向かう「強いさくらの新時代」の予感がしま す。
2009年度 ジャパンゴルフツアー表彰式で、今季4勝を挙げ史上最年少賞金王に輝いた18歳の石川遼が、最優秀選手賞、Unisys ポイントランキング賞、平均ストローク賞、平均パット賞、バーディ率賞、ゴルフ記者賞、MIP賞、特別賞の9冠に輝き、同じく4勝を飾った23歳の池田勇 太が最優秀新人賞「 島田トロフィ」を獲得しました。しかしMVPはポイントでは池田が獲得するはずでした。特例としてJPGAが石川に決めたことは、ルールを重んじるゴルフ というスポーツの協会関係者の失態ではないでしょうか。
特別賞を含む9冠は、2003年の伊沢利光の8冠を上回る過去最高タイトル獲得数となりました。ここまでの活躍をいったい誰が予想できたでしょう。18歳2カ月19日での賞金王で、国内では1973年に26歳で賞金王となった尾崎将司の最年少記録を大幅に更新しました。
世界の主要ツアーでも、76年の欧州ツアーを制したセベ・バレステロスの19歳を更新する世界記録となりました。「これまで塗り替えた最年少記録より実感 がある。こんなに込み上げてくるとは思わなかった。あと2週間ぐらい試合をしたい。すぐにやりたいことはトレーニング!」となんともうれしいコメントで、 新年アマタスプリングスで開催される「ロイヤルトロフィー」が楽しみですね。
不倫騒動のスキャンダルで「完全無欠のタイガー・ウッズ神話」は崩壊しました。1996年、タイガーがプロ転向以降、米ツアーは超新星の登場でスポン サー、テレビ放映権などの収入が激増しました。今年の主要試合の優勝賞金は1億円を超え、今季賞金王となったウッズの獲得賞金は1050万ドル(約9億 4500万円)あまり。さらに、ポイントで換算する年間王者フェデックスカップ優勝でボーナス1000万ドル(約9億円)を手にしたのです。
日本ツアーとはケタ違いのビッグマネーが動くUSPGAツアーですが、PGAツアーコミッショナーのティム・フィンチェム氏は「米ツアーは石川に非常に強 い関心を示している。来季、できるだけ多くの試合に出場してもらいたい」と語っています。極端にイメージを大切にする米国のスポンサーが今回のスキャンダ ルで、来季ツアーから離れるのは間違いないことです。
そこで、タイガーに代わるスターを早急に作らなくてはならない事情があり、来年参戦を表明しているローリー・マキロイや石川に「救世主の期待」がかけられ ているのではないでしょうか。男子ゴルフ最終戦・日本シリーズJTカップで10年ぶりの優勝を飾った丸山茂樹も、米ツアーで戦った自らの体験から「今の気 持ちで早めに米ツアーに挑戦したほうがいい。世界でやれる能力はある」と語っています。
石川は賞金王を獲得したことと世界ランクから、来季は4大メジャー全戦の出場権をほぼ手中に収めました。さらに、この4戦以外に8戦の出場が可能で、石川がこの12戦をフル出場すれば、日本ツアーはかなりの試合数の欠場を余儀なくされます。
日本ツアーのスポンサーにとっては一大事です。石川の出場によって、テレビ視聴率、メディアの露出度、観客数が大幅に変わるのは明白です。コーチである 父・勝美氏は、当面は日本を主戦場にさせる方針のようです。今年はすべての経験を大きなプラスにした一年でした。成長途上の石川には「ゴルフだけに打つこ める環境」を早く作ってあげてほしいと思います。
日本ツアーのスケジュールには、マスターズ前に試合がありません。いかに準備をして、いかにメジャー初戦に備えるのかが、石川のさらなる成長のターニングポイントになるでしょう。
スイングチッェックやゴルフに関するお悩みは常時受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。来年も変わらぬご愛顧のほどよろしくお願いします。


