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E-mail: sammy@sammygolf.com
Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

Kankokutei

全米プロ2015

男子ゴルフ米国ツアーメジャー最終戦

「第97回全米プロゴルフ選手権」はウィスリングストレイツGCで開催され

2日目に岩田寛がメジャー最少打数タイとなる

9アンダー「63」をマークし話題になりました。

初日に出遅れた岩田は1イーグル、8バーディ、1ボギーとし、

通算4アンダーで松山英樹らと並ぶ暫定15位タイに浮上し、

決勝ラウンドに進みました。

これまで出場したメジャー3大会はいずれも予選落ちに終わっていますが、

今年の「タイランドオープン」でも、2日目に10アンダーの「62」をマークし、

最終的に6位に入りました。

爆発力を秘めたプレーヤーで「セガサミーカップ」を制し、

国内男子賞金ランキングで2位につける岩田は

「日本とアメリカでは、コース設定がまったく違います。

パー4の距離が長く、日本では使わないロングアイアンを頻繁に使います」と、

日本ツアーとのステージの違いを語っています。


悪天候のため順延となった2日目残りのラウンドを終え、

3日目のスタートとなったのですが、首位に立ったマット・ジョーンズは、

序盤つかんでいたペースを後半に崩し、

残り3ホールで4ストロークスコアを落とし9位と後退、

岩田は通算6アンダーで17位タイ、

松山は通算5アンダーの22位タイで、

岩田はフィル・ミケルソンと、松山はアーニー・エルスという

ビックネームとの最終日のラウンドでした。

 

M・ジョーンズと最終組をラウンドしたジェイソン・デイは、

終盤のダブルボギーをものともせず、

このラウンドでスコアを6ストローク伸ばし、

「マスターズ」と「全米オープン」を制した

ジョーダン・スピースに2打差をつけトップに立ちました。


メジャー年間3勝と「世界ランク1位」を目指すJ・スピースは、

残り8ホールから6つのバーディを奪い、

スコアを7ストローク伸ばし追い上げてきました。

22歳のJ・スピースは、最終日のJ・デイとのラウンドを控える中、

優勝トロフィーの「ワナメイカー・トロフィーに名前を刻めるようにするだけ」と、

ベン・ホーガンとタイガーに続く「メジャー年間3勝」については

「考えることはない」とコメントしていました。

これまでにメジャー大会で2位タイを3度経験したものの

「メジャー制覇」に手が届いていないJ・デイは

「明日は間違いなくエキサイティングなラウンドになる」と語り、

3位タイには、この日のベストスコア8アンダーをマークした

ブランデン・グレースと、ジャスティン・ローズが通算12アンダーで並び、

今大会と同じウィスリングストレイツGCで行われた

2010年大会を制しているマーティン・カイマーが5位と、

豪、米、南ア、英、独、と見ごたえのある優勝争いがスタートしました。

会場は強風が吹くことで知られていますが、

最終日は比較的穏やかな一日で、

飛距離がでる、攻撃的プレーヤーが有利な展開になりました。

J・デイはJ・スピースに2打差の単独トップから、

ドライバーを武器に前半から攻めの姿勢を見せます。

2番、5番とパー5でバーディを奪うと、

ワンオン可能な6番パー4(355ヤード)はスプーンでグリーンそばまで運び、

アプローチはピン上1.5m。これをしっかり決めると、

続く7番では15mのロングパットを放り込むなどやりたい放題。

 

8番でボギーをたたくも前半を18アンダーまで伸ばして折り返し、

この時点で年間メジャー3勝の記録に挑む

J・スピースとの差は4打に開きましたが、

2番ホールでJ・スピースがバーディを取れなかったことが

流れを決めた様に思います。

 

J・デイの2打リードに始まり、終始J・デイがリードを守り抜いた展開は

「シーソーゲーム」にはなりませんでした。

しかし2人の若者の「ゴルフに対する真摯な想い」が伝わってきました。

17番のパー3、どちらもグリーンを捉えましたが、

J・デイは18m、J・スピースは12mの距離を残していました。

先に打ったJ・デイがファーストパットを見事に50cmまで寄せたとき、

スピースは親指を立ててサムアップしながら

「ナイスパット」とJ・デイを讃えていましたが

「勝負」が決まった瞬間でした。

 

2010年、まだ16歳だったJ・スピースは、

地元のテキサス州で開催された「バイロン・ネルソン選手権」に

スポンサー推薦でPGAツアー初出場を果たしています。

16位と健闘し話題になりましたが、

その大会でPGAツアー初優勝を遂げたのがJ・デイと、

二人には不思議な縁がある様です。

 

J・デイは20アンダーまでスコアを伸ばし、

タイガーが2010年の「全英オープン」で記録したメジャー最小の、

通算19アンダーを上回りましたが、

パー5だけで4日間14アンダーと、

ツアー3位の飛距離が勝因でした。

 

J・デイは12歳で父親を亡くし、

アルコール依存症になった時期がありました。

家は貧しく、芝刈り機を修理するお金がないからと、

母はナイフで芝を刈っていたといいます。

それでも家を担保に入れ、親戚からお金を借りてまで

車で7時間かかるゴルフアカデミーに通わせてくれたのです。

そこで出会ったコーチのコリン・スワットンの指導で

メキメキ腕を上げて、04年全豪アマ、世界ジュニア選手権に優勝。

06年にプロデビュー。その高校時代のコーチが今でもJ・デイを指導し、

キャディーバッグを担いでいます。

 

今大会のJ・デイは「ゴルフの記事も読まず、

テレビでゴルフの中継もニュースも見ず、

ラウンド中はリーダーボードもあまり見ないようにしている。

それがメンタル的にうまく作用している」と

メンタルトレーナーのアドバイスで戦い方を変えていました。

優勝インタビューでは「泣くとは思っていなかった。

これまでもメジャーで優勝に絡みながら、

ほんのちょっとの差で勝てずに、いろんな感情がこみ上げてきた。

バックナインになってからも、まだ勝利が決まったわけではないと、

感情を押し殺してからいいショットが出始めた。

コーチのコリンに出会って一緒に歩いてきた。

今日は最高だ」と、二人三脚での歩みを振り返っていました。

 

2008年から米ツアーで戦い始めたデイは、

これまでメジャー20試合に出場し、トップ10に9度も入りながら、

いつもぎりぎりで勝利を逃してきました。

メジャー惜敗の流れは今年も続き「全米オープン」では

3日目を終えてトップに並んだものの、

女子サッカーの澤穂希も患った良性発作性頭位めまい症に襲われ、

9位に終わっていました。

「全米オープン」が終わった段階で、

このコラムでオーストラリア勢の巻き返しを予想しましたが、

J・デイ、A・スコットの二人が最後まで挑んだものの、

G・ノーマン以来の豪州勢「全英制覇」は果たせませんでした。

最終18番でJ・デイのトップに並ぶバーディチャンスは、

力なく、カップ手前で止まります。

呆然と立ち尽くし顔を覆うJ・デイの眼には

うっすらと涙も浮かんでいました。

「いつも通りラインを読んで、良いストロークをすることだけを心掛けた。

強すぎてオーバーしすぎるのはイヤだったから、

普通に打って決めたいと思った。しかし残念ながら、

曲がってショートしてしまった。

どうにかメジャーに手が届くようにハードワークをしているのに、

あの終わり方には失望している」と、18番グリーンの真ん中で

J・デイのまわりだけ時が止まったかのようでした。

しかし翌週の「カナディアンオープン」を制し、メジャーに挑んだのです。

初のメジャー優勝に向けて「頑張れよ、

やるべきことをやればいいんだ」と、

J・デイに言葉をかけたのは

練習ラウンドも共にするほど仲が良いタイガーでした。

子供の頃から憧れていたタイガーはJ・デイにとっては大きな存在です。

「以前、タイガーに“プレーは5時間、

リカバリーに19時間費やせる"って言われたことがある。

最終日はそれを肝に銘じて全力を尽くすだけ。

タイガーのこれまでの優勝を支えてきた心構えが、

自分にも役立つことを願っている。明日優勝出来たら最高だけど、

出来なかったらまた挑戦するだけ。

ただ言えることはその挑戦に終わりはないということ」と、

何度も悔しい思いをしてきたJ・デイは、

今年最後のメジャーで「悲願」を達成したのです。

 

最終日に追い上げたJ・スピースは

「最高の負けだ。3打縮めればプレーオフ、

打なら勝てると思ったが、勝てなかった。

今日はジェイソンの日だった」と振り返っていましたが、

R・マキロイにかわって「ワールドランクトップ」に躍り出ました。

2日目にメジャー最少タイ記録の「63」をマークし

21位に入った岩田は、世界で戦っていく自信になったと思います。

試合に出るだけでいいのか、プロになっただけでいいのか。

それはプロ一人一人の問題ですが、

メジャー出場のチャンスを掴み、

何度も世界にぶつかっていく。

世界でどのくらい戦えるのか?

ツアープロたちは高い目標を持って海外へ挑戦して欲しいものです。

 



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