手加減
誇大広告の理論武装で毎年発売される新製品、メーカーはコンピューターでのシミュレーションとスイングロボットによる試打データにもっともらしい理由をつけて売り込みます。
ゴルフはコンピューターゲームではありません、生身の人間がプレーするものです。
ハイテクよりフィーリング、突き詰めれば人間の感性に勝るものは無いということです。
目で見た情報をいかに手先で表現できるか(Hands eye coordination)が重要です。
アプローチの場合30ヤードと20ヤードの打ち分けは振り幅である程度調節できますが、20ヤードと22ヤードの打ち分けは技術ではありません、微妙な距 離を調節するフィーリングが必要になります。目から入ってくる情報を正確に分析して速やかに手先に伝えるには「あの辺に落として転がして寄せるにはこれく らいの大きさのスイングしよう」といった人それぞれの「これくらい」という尺度があるはずです。
微妙な距離を打ち分けるには正しいセットアップと正確なストーロークそして「繊細な手加減」が必要です。
トッププロたちはハンズ・アイ・コーディネーションの重要性を認識しそれを伸ばす努力を怠りません、皆さんにできる具体的な練習方法はボーリングと同じよ うに手でグリーン上にボールを転がしてカップインさせる練習をすることが効果的です、一例ですがまずこれから転がす距離を歩測して直線上の①3歩②6歩 ③12歩④24歩のところにティーを立てます、そこに一球ずつ転がすのですが転がす球速と球筋(ライン)のイメージを持ちながら目標に正対してひざまずい た低い姿勢で、低い位置から転がすことがポイントです。①から④を順番に転がしてみて確立が上がったら順序を変えてランダムに転がしてみたり、ティーの間 隔や距離を変えてみて「客観的な全体の距離」のつかみ方を覚えることも忘れないでください。目でとらえている距離感はその時の心の中の状態によってズレが 生じます、「入れたい」または「オーバーしたくない」などと心の中で強く思っていると距離の見え方が不正確になり、間違った距離を脳にインプットしてしま います。「主観的な距離感」は頼りになりません。まず目で見て何歩あるか予測します、次に歩いてみて実測し距離を確認する習慣を身につけておくとラウンド で役立ちます。
転がす練習からボールを打つ練習に移行します、右打ちの場合ボールを転がしたのは右手ですね、そして右手にはすでにハンズ・アイ・コーディネーションの能 力が芽生えているはずです、いつも通りセットアップしてから左手を背中に回して右手一本だけでボールを転がした時と同じイメージでボールを打つ練習を始め てください。
ボールを転がす練習でボールを強く握りしめたり、リリースの瞬間に指先に力を入れたり、反対に力を抜いたりしては転がりが安定しません、大切なことはグリップを柔らかく握りその強さを最後まで変えないことです。
そうすることでパターを持っている右手とパターヘッドのスピードの変化がボールの初速に変化を与え距離に対応できるようになります。
右手とパターを一体化し、パターという道具を扱うのではなく、腕や手の延長として動かすイメージが描ければ最高です。
大きなうねりのあるグリーンならうねりを越えるボールスピードとその後の減速、最後の惰性までをイメージすることがポイントです。
ピッチエンドランの場合は何ヤード上げて何ヤード転がすのかを決めてファーストバウンドの落とし場所を決め、そこに落とすにはどれぐらいの強さで打つかを イメージしてから投げてみましょう。実際にアプローチの練習をする時も全体の距離に対して何ヤードのキャリーと何ヤードのランのアプローチなのかを明確に イメージして練習すると、使用クラブ別のキャリーとランの比率の違いも覚えることができます。
ファーストバウンド後、グリーンの傾斜がボールの転がりにどのような影響を与えるのかをイメージするともっと実戦的です。「これぐらいのスピードで振ると ボールの初速がこれぐらいになってあそこに落ちる、傾斜でキックしてあの辺で減速して惰性で転がりながらこっちに流れてカップイン」世界のトッププロ達も こんなことをキャディーと相談して、頭の中でイメージしながら素振りをするのです、いくつものラインをシミュレーションして決断を下し、自分なりに身につ けた「繊細な手加減」で賞金を稼いでいるのです。


