明けましておめでとうございます
あけましておめでとうございます、今年もよろしくおねがいします。
天才少女ミッシェル・ウィーが、USLPGAのツアー出場資格獲得を目指しQスクールを受験し、大山志保、宮里美香と共に出場権を獲得しました。
鳴り物入りでプロデビューしたミッシェル・ウィーは、スポンサー推薦で参加できたため、Qスクール受験という道をずっと否定してきました。しかしツアー参加にはもうこれしかないという状況での受験だったようです。
USLPGAのQスクールはファーストステージ、セカンドステージの2段階で行われています。ファーストステージは時期をずらして2か所で行われます。不合格となった場合も次の会場で敗者復活戦参加が可能なため実質的には3段階構造になっています。
ミッシェル・ウィーがQスクールを受けることになることを、彼女のプロ転向前やプロ転向時に想像していた人はいなかったでしょう。デビッド・レッドベター をコーチに選び、一流マネジメント会社のウイリアム・モリス・エージェンシーと契約し、ソニーを始めとする大企業と総額10億円を超えるスポンサー契約を 結んだ頃、マスコミは「タイガーに匹敵する大物スターの誕生」と大々的に報道していました。
ミッシェル・ウィーの成績が下降していったのはなぜでしょうか。まだ心が成熟していないティーンエイジャーに対して過度の期待をかけ、過度の対応を要求し た結果、スコアが悪い時には、相当なプレッシャーが彼女に圧し掛かっていたことでしょう。女子ゴルフ界ならではの陰湿な攻撃にさらされたのかもしれませ ん。他選手に対する尊敬や配慮がなければツアーの仲間として認められ、良好な人間関係を築くことはできませんし、味方がいない状態では結果を残すことは難 しいと思います。
ミッシェル・ウィーはプロ転向後、スタンフォード大学という難関校へ進みました。ゴルフと学業の両方を同時に求める彼女の選択にも疑問を感じていました。
スタンフォード大学にはタイガー・ウッズも入学しましたが、結局2年で中退してプロに転向したのです。あのタイガーでさえあきらめたプロゴルファーと学業との両立をミッシェル・ウィーは選んだのです。
今回のQスクール挑戦は「ミッシェル旋風」を巻き起こしたスーパースター当時には、思いもつかなかったことでしょう。しかし着実に歩んで行くための、本来 のスタートラインに彼女が立ったと評価をするべきではないでしょうか。高いポテンシャルを秘めているのは周知の事実で、ひと回り大きくなった彼女の更なる 成長が楽しみです。
同様に出場権を獲得した宮里美香がプロ宣言しました。14歳で日本女子アマを制した日本の天才少女がアメリカでどのような戦いをするのか非常に興味があり ます。日本で活躍してアメリカに行った宮里藍、上田桃子両選手はスポンサーの協力も得て、上手にステップアップしたと言えます。宮里美香の一番の課題は、 広大なアメリカ大陸やアジアを遠征して廻ることです。これまでのアマ時代と違って本拠地があって時々試合に参加するというのではなく、遠征に次ぐ遠征とい う精神的・肉体的負担に耐えられるかが鍵になるのではないでしょうか。
「冒険だけど自分のため」と日本ではなく世界にフィールドを求めた理由を語りました。ジュニア時代からのライバルのヤニ・チェン(台湾)が今季の全米女子 プロ優勝など活躍したことに刺激を受け、米ツアー挑戦を決断したようです。6月からはテニスの錦織圭も本拠地にしている米フロリダ州の『IMGアカデ ミー』で練習を重ねていたようです。
「まずは1勝が目標です。同期の選手には負けたくない」とインタビューに答えていました。飛び込みで行ってすぐに良い成績がでるほど甘いステージではないことは間違いありません。同期で同じ歳(誕生日が一日違い)のミッシェル・ウィーと共に大きく成長してほしいものです。
Qスクールは男子6日間108ホールの戦いで、女子は5日間90ホールの戦いです。ファイナルステージ挑戦者の人数は、男子が163人、女子が140人。そのうち、来季の出場権が獲得できるのは、男子が25人(25位タイ以内)、女子が20人だけです。
日本から参加した岩田寛は、通算7アンダー107位タイで出場権を逃してしまいました。しかし参加者がたった一人という現状では、これからの日本男子ツアーは期待薄ですね。
石川遼一人に期待が高まるようでは寂しい限りで、石川が第二のミッシェル・ウィーのように周囲の影響で遠回りすることがないよう、同じステージで戦う他のプレーヤーやファン、スポンサーとの良好な関係を構築してほしいと願うばかりです。
Qスクールは「クォリファイング・トーナメント」というのが正式名称です。トーナメントと呼ばれる以上、賞金も設定されています。男女どちらのQスクール もエントリーには5,000ドル前後のお金がかかるのですが、賞金によってどのぐらい取り戻せるのかというと、女子は1位(優勝)でも6,000ドル程度 で旅費・ホテル代などの経費を含めたら、元手を取り戻すどころか、赤字になってしまいます。
男子は、1位(優勝)の賞金は5万ドル。来季出場権がもらえるトップ25に入れば、最低でも2万5,000ドルの賞金が約束されており、エントリーフィー を含めた経費分は十分に取り戻すことが可能です。25位以下の50名はネイションワイドツアーの出場権を得ますが、エントリーフィー分を取り戻せる 5,000ドルの賞金が設定されています。
男子のQスクールは3年前から「プレ・クォリファイ」という予選の予選が設けられたため、プレ(4日間)、ファースト(4日間)、セカンド(4日間)、 ファイナル(6日間)という大変な長丁場になります。プレからファイナルまで進出すると、合計18ラウンドの戦いとなります。この戦いに挑み、勝ち抜いて いくことで「世界一のステージ」を手に入れる日本の若者に出てきてほしいものです。
日本のプロゴルファー資格には、「トーナメントプロ(TP)」、「ティーチングプロ(TCP)」の2種類があり「資格認定プロテスト」は毎年1回実施され ています。資格認定プロテストは、4つの段階から構成されており「プレ予選プロテスト」「1次プロテスト」「2次プロテスト」「最終プロテスト」となって います。「最終プロテスト」(4ラウンド)を終了し、上位50位までの者が合格となります。しかしエントリーフィーがプレ(57,750円)・一次 (110,250円)・2次(162,750円)・最終(215,250円)となっていて、プロテストを受験するだけで55万円もお金がかかるのはいかが なものかと思います。これ以外に宿泊や移動の経費もかかり薄給のプロ候補選手には大変な負担になります。
また合格時に入会金42万円・保険料他4万5千円・年会費4万2千円も納入しなければ入会できないのです。またJPGAのトーナメントプレーヤー(TP)ライセンスを取得した段階では、トーナメント出場の権利を得ることはできません。
トーナメントに出場するためには、日本ゴルフツアー機構(JGTO)が毎年1回実施しているクォリファイングトーナメント(QT)に出場し、出場順位を獲得しなければならないのです。
QTのエントリーフィーはファーストが52,500円でセカンド・サード・ファイナルのステージ毎に21万円が必要で、ファーストからファイナルまで行く には68万2,500円のエントリーフィーが必要です。JPGAに入会して、トーナメントで賞金が稼げるようになるまでの出費は相当なものになります。
そのためトーナメントプレーヤーを目指す選手の中には、JPGAに入会せずにQTから直接トーナメント出場を目指すプロも増えています。
JPGAは4,800名弱の会員である「プロゴルファー」の生活を支えていくことにも着手する必要があり、この不況をいかに乗り切るのか、大きな岐路に立たされていると思います。


