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Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

Kankokutei

期待のシーズン 2月1日2013年

石川の2013年シーズンが始まりました。「小学生の時は、もっと早く米ツアーに行って勝てると

思っていたが、実際にはそんなことはなかった。でも、ここまでは順調に来ている。

今年がスタートだと思っている」と、本音ともとれる部分を語っていましたが、

初戦の「ヒューマナチャレンジ」は残念ながら予選落ちでした。

石川はシーズンを迎えるにあたり腰など体への負担を減らし、下半身の動きを抑えることで

上半身との捻転差を最大限に生むスイングに取り組んでいます。

「今のスイングと、前までのスイングの中間になってしまうことも多かった」と、

予選最終日の上がり3ホールでは好調だったアイアンショットでグリーンを外し、

表情も曇りがちでした。結局カットラインには7ストローク届かず「やりたいことが全然できなかった。

スコアももちろんよくないし、納得がいかない部分が多かった」と、完敗を認めていました。

しかし昨年から苦しんでいるパッティングは徐々に復調傾向にあり今後に期待が持てそうです。

初めて実戦で使った新しいクラブと新しいスイング、予選3日間で毎日異なるコースを回るという

不慣れな大会では、予選落ちも仕方なかったのかもしれません。

 

しかし本格参戦によって、石川が得るメリットは計り知れません。

ゴルフ以外のことで煩わされる時間が減り、ゴルフに集中できる環境が自然に整っていくでしょう。

マットの上からではなく、常に芝生の上からボールを打てる練習環境や、

外に買い物に出かけても、日本のように騒がれることもなく、プライベートな時間を

楽しむことができるでしょう。さらに親とも必然的に距離を置きひとり立ちすることにもなり、

石川の一年目はすぐ結果がでなくても、戦うための準備の一年となることでしょう。

 

すでに3月の「アーノルド・パーマー招待」が開催されるフロリダ州ベイヒルの、

ゴルフ場を囲むように立ち並ぶ一軒家と、西海岸のカリフォルニア州カールズバッドに

一軒家を購入したといいます。カールズバッドの拠点は、契約したキャロウェイゴルフ社の本社から、

車で15分ほどの距離で試合のない日は同社のテストセンターで練習や、

クラブの調整が可能になります。

石川はすでに「マスターズ」が行われるジョージア州オーガスタに拠点を持っており、

これで一軒家を3戸、米国内に構えることになりました。広大な北米大陸をまたにかける遠征は

国内ツアーとは比較にならないほど過酷です。ハイレベルなツアーに初めて本格的に参戦することで、

肉体的、精神的な負担がかかることも予想されますが、自宅があるのとホテル住まいは

大きな違いがあります。オンとオフのメリハリを大切にし、オフの間は十分にリラックスして英気を養い、

その1週間、2週間という時間の中で次の戦いに向けての調整ができるように余裕を持った日程を組み、

体調や成績を見ながら調整を加える一年目となることでしょう。

 

石川がまず要求されるのは地域によって違う、さまざまな芝への対応になります。

日本ではベントと高麗ぐらいの違いしか経験したことがないはずで、

グリーンの状態を表現することにおいては、知識的にも学ぶことが多くなります。

西海岸と東海岸で芝の種類がまったく異なりますし、同じ地域でもコースによって

芝質が違うのは当たり前になります。フェアウェーは「007」という芝で、

グリーンは「ペンA1」に「バミューダ」を何%配合した芝、といった状態で、

また同じ会場でもグリーン、フェアウェー、ラフ、それぞれで芝生の配合を変える場合もあります。

石川が今まで経験したことがない様なことが起こりうるのですが、芝目によっては、

傾斜の影響を強く受けて見た目よりさらに速かったり、逆に下りなのに重くなったりということも経験し

冷静に判断しても想定外のことが起こると混乱する状況に直面することもあるでしょう。

芝の状態を正確に判断してパッティングで表現するには、知識と経験が必要になるのです。

 

「マスターズ」前に好成績を残し、3月末の時点で50位以内を目指していたはずの

石川に朗報が届きました。主催者は石川とタイのタワン・ウィラチャンに

「特別招待選手」として出場権を付与することを明らかにしたのです。

石川はこれを受け「知らせを聞いた時は?(ハテナ)マークだった。

自信を持って招待状を待てる状況で昨シーズンを終えた手応えはなかったし、

僕より世界ランクが上位で特別招待されてもいいのではという選手はたくさんいますし、

マスターズ委員会と僕の間で温度差はある。当然のように「特別招待」しますという空気だったので。

アジアと日本がキーワードなのかなと」と今回で自身3度目となる「特別招待」を

困惑の表情で分析していましたが、初出場の2009年から5大会連続で挑む「夢舞台」出場が、

思わぬ形で決まりました。しかし当初の目標である3月末の世界ランク50位以内を

実現するように戦ってほしいものです。

日本勢では既に藤田寛之が昨年度末に世界ランキング43位に食い込み、

2011年大会以来の出場を決めていました。一方のT・ウィラチャンは昨シーズン、

アジアンツアーで年間3勝を挙げ、7年ぶり2度目の賞金王に輝いた選手です。

45歳351日での「賞金王戴冠」は同ツアーの史上最年長記録を更新し

「マスターズ」初出場を決めたのです。タイ人の「マスターズ」出場は、T・ジャイディ、

P・マークセンに次いで3人目となりました。

しかし石川の3度目の「特別招待」の知らせを米ツアーの会場で聞いた米国報道陣からは

驚きの声が上がったといいます。AP通信は招待決定の理由としてアジアのテレビ局との契約を挙げ

「この10年で誰よりも招待を受けた石川が大会で注目されるのは確実だ」と皮肉交じりに報じています。


2005年には、日本の「賞金王」ながら世界ランキング71位だった片山晋呉が、

欧州ツアーで1993年から7年連続の賞金王で、ランク53位だったコリン・モンゴメリーを

押しのけ招待された際に「コリンは選ばれず、どうして片山が招待されたんだ」と

直接的な質問が飛んだことがあります。当時のチェアマンは

「日本のゴルフ界とは長年の関係があるし、テレビ局も我々に大きな影響を与えているから」と

応じていましたが、今回も放映権を持つTBSが視聴率のために動いたということでしょう。

2012年にも、世界ランキング51位だった石川が、同62位ながらメジャー3勝を誇る

南アフリカも英雄、アーニー・エルスを押しのける形となり「マスターズ」に招待されています。

E・エルスは19年連続での「マスターズ」出場が絶たれたのですが、

欧米ゴルフ界からは「招待するなら、もっとふさわしい選手が数人いる」との声が上がっていました。

しかし「マスターズ」に招待されなかったE・エルスは「全英オープン」を10年ぶりに制覇し、

その実力を証明して見せました。

一説によると「マスターズ」の放送でTBSは、放映権料や制作費などで

5億~6億円の経費が掛かっているといいます。

国内で絶対的な人気を誇る石川が出場しなければ、スポンサーが少なくなるとの見方もあります。

いずれにしても石川の活躍が視聴率を左右することになるのは間違いありません。

この不景気に、視聴率が確約できない朝の時間帯に、何千万円のCM枠を売り込むには

「石川遼」という商品がどうしても必要だったのでしょう。

「亀田三兄弟」という視聴率を稼げるおいしい素材に目を付け「輝けるヒーロー」に

強引に祭り上げたのもTBSでした。純粋に石川を応援したくても、

彼がマスターズに出場するということは、これだけ多くの人とお金が動くというのが現実なのです。

「特別扱い」と言われないように、参加できる事実をポジティブに捉え

「マスターズ」までに「米ツアー初優勝」という結果を残してもらいたいですね。

石川と同じく「マスターズ」出場を目指していたアマチュアの松山は、

予選落ちに終わった米ツアー「ソニーオープン・インハワイ」について

「ああいう結果で終わって悔しい」と振り返っています。マスターズの「特別招待」を見据え、

優勝争いをして世界ランクを上げたかったのですが、もくろみは崩れ、

さらに石川がアジアの代表として「特別招待」を受けたこともあり、

オーガスタへの道のりが厳しくなりました。

松山は2011年11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」優勝で、

日本ツアー参戦権はすでに保持しています。この流れで来春の大学卒業を待たず、

プロの世界へ飛び込むことになりそうです。


日本ツアー初戦「東建ホームメイトカップ」は4月18日に開幕しますが、

プロ宣言をすれば日本ツアーのほぼ全試合に出場できる権利を今季末まで持っています。

昨季もプロとして賞金を稼ぐことはできたのですが、アマチュアとしてのプレーを選択したのは

「マスターズ」出場のためでした。「アジアアマチュア選手権」連覇で得た出場権で、

12年「マスターズ」に2年連続出場を果たしたのですが最終日に崩れてしまい、

2年連続のベストアマと、翌年の出場権を逃したためアマタスプリングスで開催された

「アジアアマチュア選手権」3連覇を狙っていたのですが、14歳になったばかりの

中国の「天才少年」グァン・ティンランに敗れ、その想いは叶いませんでした。

アマチュアのままなら「マスターズ」から招待される可能性があったため、

プロ転向を急がなかったのでしょうが、石川の「マスターズ特別招待」が決まり、

松山が招待される可能性が低くなったため、プロ転向が早まったといえるでしょう。

来年はプロゴルファーとして「マスターズ」に出場してほしいものです。


松山の次戦は2月28日からタイのアマタスプリングスで開催される「全英オープンアジア予選」ですが、

同予選の出場資格はプロ・アマを通じた世界ランキングで得たもので、

プロ転向しても出場に支障はありません。3月の「タイオープン」など、

日本開幕前にもアジアでプロ大会は行われるため、

早ければ2月にも「プロゴルファー・松山英樹」が誕生しそうです。

松山がプロ宣言をすれば、今年の日本の男子ツアーが盛り上がることは間違いありません。

池田勇太も母校の後輩との戦いを楽しみにしているはずです。

これまで「世代交代」と騒がれながらも、20歳前後のプレーヤーで際立っていたのは石川だけでしたが、

2012年シーズンで松山の先輩でもある藤本佳則が初優勝を飾り、

賞金ランク5位と大活躍しました。石川の高校の後輩、浅地洋佑も見事にシード権を獲得しましたが、

今年20歳になるプレーヤーです。ツアールーキーだった川村昌弘も賞金ランク32位でしたが

やはり20歳になる今年が楽しみです。ジュニア時代から注目されてきた石川の同世代が増えてきたのは

素晴らしいことで「ゴルフ道」を貫くベテランの藤田、谷口に対して、

若手は池田勇太を筆頭に活気に満ちたトーナメントが展開されるに違いありません。

立候補してまで選手会長となり、責任感を持ってシーズンに臨む池田には大きな期待が持てます。

石川や松山にとっても、存在感のある池田は計り知れないほどの影響力を持っています。

男子ツアーを良くしたいという強い意欲を持つ池田が盛り上げるツアーは、

石川や松山以外の若手にもプラスになるでしょう。しかしだからこそ、

池田も結果を出さなければなりません。米ツアー挑戦はもちろん、

まずは「日本オープン」をはじめとした国内メジャー競技の優勝が求められ、

さらに「賞金王」を取りに行く一年になりそうですが、スポンサーとどのようなつき合い方をしていくか等、

多くの課題が山積みの日本男子ツアーですが、ファン拡大、ツアーの活性化等のために、

新会長がどのような手腕を振るうか注目したいですね。

 

池田が予選落ちを喫した「ソニーオープンinハワイ」で、スペシャルラウンドリポーターとして

登場したのもその意欲の表れでしょう。前日まで予選ラウンドを戦った経験と、

データ等の入念な準備をして、意外にも流ちょうな語り口で中継スタッフをもうならせました。

ラウンドリポートを担当した谷原に、スタートホールからついてラウンドし

16番ホールでは「グリーンは海に向かって順目。このパットはカップの近くになってから

急激にフックします。前半からチャンスを決められなかったので、

本当にバーディーがほしいところですね」と、プレーヤーだからこそ分かるコースの特徴、

選手の気持ちを、丁寧に解説していました。

「選手会長だから予選落ちしても日本人選手の応援に来るつもりだった。

どうせ来るなら、リポートしてもいいんじゃないって話になってさ」と、気さくに話していましたが、

国内ツアー試合数の減少を食い止めるため、ファン層拡大に力を尽くす考えの池田は、

国内男子選手のPRには格好の場ととらえた様です。

池田勇太の「男気」に期待したくなる2013年シーズンになりました。



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