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SAMMY'S GOLF CO.,LTD.
Bangkok Studio
日本料理・絆3階
3F 595/9 Sukhumvit 33/1 Sukhumvit Road
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MOBILE: 087-906-7272 (日本語)
FAX: 02-259-2662
URL: www.sammygolf.com
E-mail: sammy@sammygolf.com
Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

Kankokutei

石川の決意

石川遼の2011年シーズンは、3年連続の出場となる米ツアー「ノーザントラスト・オープン」からでした。年頭から目標に 掲げているように米ツアーで、そして「マスターズ」で優勝争いができるのかという『夢の戦い』に向けた調整をしていましたが、「賞金ランク125位を目指 す」というサブテーマの達成も、石川には重要なことです。米ツアーではランク125位以内の選手に翌年のシード権が与えられます。米ツアーにメンバー登録 をしていない石川や池田でもシード権を手にすることができる唯一の方法です。推薦などを受けて日本からスポット参戦する選手は出場試合数が限定されるため 「シード入り」が難しいのです。昨年の125位の選手は78万6977ドルでしたが、石川の2010年の米ツアー獲得賞金額は33万6430ドル(WGC の賞金を含む)。同じように米ツアーのシードを意識していた池田勇太も26万3713ドルを稼いだだけに終わっています。賞金王を争った、日本を代表する 2人がいずれも遠く及ばなかった「シード権125位」でした。

石川は現実を直視するかのように、昨年の米国参戦を振り返り「今年もかすかな望みをかけて最後の最後まで挑戦したけど、フォールシリーズに出ても今のゴル フじゃ絶対に無理だと思った。もし125位以内に入れたら、米ツアー参戦はその時の自分が決めること。また来年もダメかもしれないし、その次もダメだと思 わされるかもしれない。とりあえず今年は全然ダメだなという感じでした」と語っています。米ツアーの出場権を得るにはQスクールに出場する方法もあります が、最終予選会が開催される12月は、日本ではツアー大詰めを迎えており、この時期に日本を離れる影響の大きさを考えると石川にとっては難しい選択肢とい えます。今田竜二は米下部ツアーのネイションワイドツアーで賞金ランク上位に入り、レギュラーツアーのシード権を手にしましたが、これも日本を主戦場にす る石川には無理な話です。

過去に「125位以内」を達成した丸山茂樹は1999年にスポット参戦を繰り返し、WGCの2試合での好成績でシード権を獲得しました。これを契機に米ツ アーに腰を据え、日本人最多となる米ツアー3勝を挙げる活躍をしました。石川も丸山のステップアップを目指しているはずですが、石川はシードについて「目 指してはいきたいけど、今の自分がそこに手が届く実力があるかどうかはやってみなきゃ分からない。それを考える前にやるべき核となる目標がある。自分のた めだけでなく、日本のゴルフファンのためにも、日本のゴルファーがここまでできると発信していかないと」と、日本を主戦場にする想いを語っています。

「優勝」に手が届けば文句なしですが「トップ10」入りを繰り返すことがシード奪取の必須条件で、獲得出来れば石川、池田はともに米ツアーで戦う決断を下 すこととなるでしょう。日本ツアーは4月に開幕して12月まで続くのに対して、米ツアーは野球やバスケットボール等、他の人気スポーツのプレーオフと日程 が重ねるのを嫌い、1月に始まって9月には「ザ・ツアー選手権」でシーズンを終え、シード権争いの「フォールシリーズ」に突入します。今シーズン最初のメ ジャー「マスターズ」は、まだ日本ツアーの開幕前に行われることになり、日本の選手はいつも調整段階で「夢の大舞台」に挑まざるを得ないのが現実です。 シーズンを3カ月戦ってきた海外の選手とは、コンディションに差が生じるのは当たり前のことです。石川の父・勝美さんは昨年12月のツアー最終戦を終えた 時に「来週がマスターズだったら、ちょっとは盛り上げられるかもしれないね」と語っていましたが、石川が米国で活躍するためには、日程の調整も重要な課題 ということになります。

「マスターズ優勝」を目標にしている石川は初戦の「ノーザントラスト・オープン」に向けて、去年より1週間以上早い2月上旬には渡米し、4月の「マスター ズ」まで2カ月以上米国に滞在し続けるという、異例の長期滞在で準備をしました。「マスターズ」を含めて6試合に出場と、これだけ試合数をこなせば、細か な調整も十分にできるだろうし、試合勘などの不安も消えると考えたのです。しかし現実はマッチプレー選手権一回戦負けを含め、5試合で予選通過はわずか一 試合だけでした。東日本大震災が起きた3月11日は、唯一予選通過を果たした「WGC・キャデラック選手権」に出場中でした。不安な気持ちが、最終日のプ レーに影響したのでしょうが、最終日を16位タイで迎えた石川は、終盤にスコアを崩し42位タイに終わっています。

プレーを終えた後、海外メディアに囲まれた石川はこう答えています。「日本は今までにないくらい大変なことになってると思うので心配です。日本の国内では スポーツが中断されているけど、ゴルフだけでなくサッカーとか、海外で頑張っているスポーツの力で日本を勇気づけられればいいなと思った。そういう風に切 り替えてやるしかないです」と答えるのが精一杯で、石川の表情は硬くこわばっていました。

石川は被災地の過酷な状況をニュースで見たのでしょうが、欧米で流れるのは日本では放送されないような、特に悲惨な映像ばかりのはずで、大学時代を仙台で 過ごした池田とともに大きなショックを受けたことでしょう。池田は複雑な思いを「ここでゴルフをしていていいのかという気持ちは正直なところあるけども、 それはもうしょうがないこと、自分には(出身地の)千葉と仙台しかないから辛い」と第二の故郷を思って苦しんでいました。

石川は「今すぐ日本に戻っても現場に駆けつけることもできないし、助けるプロフェッショナルや物資を運ぶプロがいる。だからこそ、僕も自分たちにできるこ とをやろうと思いました。普段はスポーツの素晴らしさを見せる立場にいる人間として、それを変えることなく、この瞬間もやり続けるしかない」と、宮里藍や 有村智恵ら多くの女子プロたちがツイッターやブログを通じて支援を表明する中で、石川は4月の「マスターズ」まで米国でゴルフに打ち込む決意を固めたので す。今年の「マスターズ」に参加した4人の日本人選手は、アマチュアの松山英樹を除けば、石川遼も池田勇太も藤田寛之も「前年末の世界ランク50位以内」 という資格での出場になります。「世界ランキング」はメジャーやWGCが出場選手を決めるために採用しているゴルフ界の“通行手形”のようなものです。全 米オープンは従来50位までだった出場枠を60位まで拡大し、代わりに「日本ツアーの前年賞金ランク上位2人」など各国ツアーの成績に基づく資格を排除す る方針で、より世界ランク重視の姿勢を打ち出しています。世界ランクは各選手が試合で稼いだポイントに基づいて算出され、ツアーのレベルに応じて各試合の 優勝に与えられる得点は以下のように差がついています。 米ツアー、欧州ツアーが24点と最も高く、日本とオーストラリアツアーは16点。アジアンツアー、南アフリカツアー、米下部ツアーは14点と差がついてい ます。メジャーや各国のナショナルオープンではポイントが増えますが、日本ツアーは欧米ツアーに次ぐ扱いを受けていることになります。この高ポイントのお かげで日本ツアー上位の選手が、世界の大舞台に立つことができたのです。

しかし昨年8月の全米プロでは日本勢5人がそろって予選落ちし、今年2月のアクセンチュア・マッチプレーでも石川、池田、藤田がそろって1回戦で姿を消し ています。昨年日本ツアー賞金王の金庚泰やブレンダン・ジョーンズといった日本で活躍する外国人選手まで1回戦で全滅という最悪の結果でした。日本人選手 の海外での不振は、日本ツアーの実力に疑問が投げかけられても当然ですし、恵まれていたポイントに変化を与えることになります。今年7月の全英オープンで は国際ゴルフ連盟の理事会が開かれますが、それまでに日本選手の活躍がなければ、世界ランクの配分ポイントが改定される可能性が高いように思います。この コラムが掲載される4月15日には結果が出ていますが、世界が注視する「マスターズ」は、日本ツアーへの評価を高める最後のチャンスです。世界への扉を押 し開くか、閉ざしてしまうかは、まさに石川たちの戦いぶりに懸かっています。'69年生まれの藤田、'85年生まれの池田、'91年生まれの石川と'92 年生まれの松山。彼らの年代差が、どういう形でゲームに現れるかも興味深いのですが、藤田のパッティング技術は日本を代表する上手さで、ミスショットをし てもそれをリカバリーしてパーを拾うゴルフスタイルは「メジャー」でも十分通用するはずです。フィジカル、メンタルのバランスが重要で、パワーだけに頼ろ うとすると大怪我をしてしまうのが「メジャー」です。今年の藤田に期待を抱くのは、確立されたプレースタイルとメンタリティの強さからです。

「マスターズ」2年連続予選落ちの石川は、この試合から東日本大震災の被災者支援に今季の獲得賞金を全額寄付すると表明しました。「今シーズンの獲得賞金 を全額、寄付することに決めました。トータルで2億円を目指したいと思っています。被災地の皆さんは、これから長い戦いになるでしょう。ボクも一緒に頑張 ります」と、自身の成績と支援額を連動させた『もうひとつの夢の戦い』がスタートします。デビュー以来、何かと驚かされてきた百年に一人の逸材の活躍が 「日本の復興」に大きな力を与えることを期待しましょう。



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