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Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

Kankokutei

軽量スチールシャフト Ⅱ

軽量スチールシャフトを採用したアイアンで名器と謳われたのはベン・ホーガンでした。70年代装着したのが「レジェンド・ シャフト」はカーボンシャフトに対抗できる軽量スチールシャフトという触れ込みでしたが、シャフト自体は従来の軽量スチールとそれほど差はありませんでし た。ただバット側を太くし、やや軽量化できたのと、それ以上に太いバット径に合わせてグリップを肉薄に軽くしたのです。グリップ側が軽くなればバランスが 重くなるので、バランスを合わせるためにヘッド重量も軽くしたのです。グリップとヘッドを軽量化し、総重量を軽くしながらバランスを合わせたアイアンだっ たのです。
ベン・ホーガンを使用していたプロ達は、ダイナミックゴールドにリシャフトするとヘッド重量が足りずバランスが出ないため、仕方なくヘッドに鉛をべったり貼っていました。
この考え方はカーボンシャフトでも使われました。バット側を太くしたシャフトに滑り止めと感触を良くするためにテープを巻き付け、グリップ重量を極限まで 軽量化したクラブを作ろうとしたのです。カーボンシャフトとスチールシャフトには振動減衰性に大きな違いがあります。インパクトの感触をそのまま手に伝え やすいスチールシャフトに対し、カーボンシャフトはインパクトの感触を途中で吸収してしまい、手に伝わりにくくなります。カーボンシャフトのほうが、ミス ショットしたときに手がしびれるような衝撃が伝わりにくいのです。スチールシャフトでシャフトを直接握ってミスショットしたら、クラブを握っていられなく なるほど強い衝撃が伝わります。スチールシャフトしかなかった時代、グリップは「衝撃吸収材」としての役割も持っていたのです。
カーボンシャフトはシャフト自体が衝撃を吸収します。グリップを肉厚にしなくても、滑らないように摩擦力さえ持たせたごく薄い「膜」を巻いてグリップ+ シャフト重量を最大限軽くする、というアイデアでフジクラが開発しテーラーメイド社のクラブに装着されたのがインテグラル(バブル)シャフトでした。グ リップの手前で一度くびれさせたシャフトをグリップエンドに向かって徐々に太くして、薄く、軽い(20g台)専用グリップを装着して発売されました。
当時のテーラーメイド使用契約プロは私と同学年の大町昭義、水巻義典、研修生時代によくラウンドした室田淳プロなどがいました。そういえば皆このシャフト を使った頃にスランプになりシード落ちしていったような気もします。「軽いけどヘッドは効いてる」というインテグラル(バブル)シャフトは手元が軽く、し なり戻りが独特でタイミングの合わせ方が難しく、バブルと一緒に消えていきました。
極端な異型の20g台軽量タイプのグリップは姿を消した一方、40グラム台の軽量グリップは市販クラブで広く使われています。ヘッドは軽量化も大型化も限 界に近くSLEルール適合にするため肉厚にすると、ヘッドの軽量化は時代の流れに逆らうことになりそうです。新素材も話題のものがなく今年のキャッチフ レーズは「大慣性モーメント」のようです。

慣性モーメントとは「そのままでいたい」という非常に保守的な法則です。回転する物体についても、同様で回り始めたらずっとそのまま回り続け、また逆に止 まっているものは回されても回りたくないといった、わがままな性質があります。 回しにくい物体は、確かに回すまでは大変なのですが、一度回り始めると、いつまでも回っていたい、という性質を持っています。これが「慣性モーメントが大 きい」という意味なのです。

たとえば、コマを考えたとき、全部が木でできているコマと、周囲だけ鉄のリングがついているコマを比較すると、全部が木でできているコマは、容易に回すこ とができますが、すぐ止まってしまいます。逆に回りに鉄のリングがついて重くなっているコマを回す時には、木製より大きな力が必要ですが、一度回り始める と、全部が木のコマより長い間回っています。
これはクラブヘッドにもあてはまります。パーシモン(柿の木)ヘッドは慣性モーメントが小さく、チタンヘッドは慣性モーメントが大きいのです。パーシモン はソールに金属、フェイスにカーボンなどが埋め込まれているとはいうものの、基本的には全部木でできているコマに近いのです、それに対してチタンヘッドと いうのは、中は空洞です。従って重量のほとんどすべてが、外側に配分されているのです。
ボールを芯でとらえた場合は、ヘッドの回転は起きないのですが、芯をはずしてトゥーの部分やヒールに当たった場合、慣性モーメントが小さいヘッドは回転運動をおこします。
振り下ろされたクラブヘッドの端の方にボールが当たった時、ヘッドを回転させようとする力が加わる訳です。慣性モーメントが大きいクラブは曲がりにくいということがお分かりいただけたでしょうか。

慣性モーメントを上げるには、ヘッドを重くすることが一番簡単な方法です。長尺、軽量を売りにしていた1999年、ヘッドの平均重量は190gでした。 2007年発売されたモデルで一番重いのがテーラーメイド・バーナーTPで208g、その差18gです。キャロウェイ・FT5が203g、ナイキ SUMO2が202gと重いヘッドが増えてきた2007年でした。しかし45,5インチでヘッドが重いためバランスはD5〜D6になっていて、他のクラブ とのセッティングを無視したスペックだと思います。
コブラやクリーブランド、一時軽量化したタイトリストも慣性モーメントを意識し200g以上の重量設定にしています。
ブリジストンはツアーステージXドライブ410が202g、VIQ・MXは187gと15gも違います。男性用Xドライブ(320g)、女性用VIQ(290g)としたのでは売れないでしょうね。
違うコンセプトのクラブを、同一ブランド「ツアーステージ」で販売することに問題があると思います。2008年も新製品が続々と登場します、自分にあったスペックは何か?を知った上で、クラブを買い替えることをお勧めします。



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