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SAMMY'S GOLF CO.,LTD.
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E-mail: sammy@sammygolf.com
Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

Kankokutei

逆転劇と「経験」の力

米国PGAツアーは、既にいくつかの試合で、54ホール目を終えて2位に56打差をつけて独走かと思えたプレーヤーが、最終日に優勝を逃す試合が多く「逆転優勝」が続いています。「ザ・プレーヤーズ選手権」までの20大会中最終日を首位、もしくは首位タイでスタートした選手で優勝したのは僅かに8名のみ。さらに「ザ・プレーヤーズ選手権」でもトップだったケビン・ナが76を叩きマット・クーチャーに逆転を許しましたが、3日目を終えて首位の22人中11人という、50%の選手が最終日にオーバーパーを叩いています。

「バイロン・ネルソン選手権」では、2日目に首位に立ったジェイソン・ダウナーが2日目に立つとそのまま逃げ切り、4月の「チューリッヒクラシック」以来の今季2勝目を挙げ、流れを止めたかに見えました。今年大ブレークのJ・ダフナーは翌週の「クラウンプラザインターナショナル」でも最終日を首位で迎えます。しかしZ・ジョンソンとの一騎打ちに最終日は74とスコアを崩してしまい、2週連続優勝を逃してしまいます。優勝したZ・ジョンソンは最終グリーンで、マーカーを戻さなかった2打罰で72とこちらも結果として最終日オーバーパーでしたが「逆転優勝」でした。

「メモリアルトーナメント」でも最終日を8アンダーの首位で迎えたS・レビンが75と自滅。151618番でバーディを決めたタイガーが、またしても「逆転」で今季2勝目、通算73勝を挙げました。そして迎えた「全米オープン」でも最終日を首位で迎えたG・マクドウェルは73J・フィーリックも74と最終日に崩れ68で後続を待つW・シンプソンが「逆転」でメジャー初優勝と今年の「最終日大逆転」の流れは止まりませんでした。

石川が「全米オープン」最終日の3パット4回の「悪い流れ」のままに予選落ちした「トラベラーズ選手権」でも今年の「逆転優勝」の流れは止まりませんでした。最終日を20位タイでスタートしたM・リーシュマンが8バーディを奪う猛攻で62をマーク、通算14アンダーで最終組より2時間以上前にホールアウト。その段階で優勝など想像もしていなかったことでしょう。13番まで5バーディを奪い13アンダーとスコアを伸ばしたババ・ワトソンが優勝候補一番手でしたが、14番以降バーディが決められず2位で終戦。13番のバーディで16アンダーまで伸ばしたチャーリー・ホフマンの逆転優勝かと思えましたが、17番ダボ、18番もボギーと首位から転落。首位で最終日を迎えたローランド・タッチャーは一度スコアを崩すものの後半持ち直し17番のバーディでM・リーシュマンに一打差と迫りますが、最終18番でバーディが奪えず万事休すと、またしても「逆転優勝」となりましたが、6打差の大逆転でした。

初優勝のM・リーシュマンはオーストラリア勢としてはG・ノーマン以来の「トラベラーズ選手権」覇者となりましたが、これまでに目立った活躍がないプレーヤーでした。2009年からPGAツアーに参戦していますが、タイガーが8打差で優勝した「BMW選手権」で2位に入ったのが今までで一番賞金を稼いだ試合で、その年のベストテン入りは3回。2010年は「ファーマーズ・インシュランスオープン」でB・クレインについで2位でしたが、その試合は今田竜二が2打リードして最終日を迎えた試合でした。今田はボギー先行の最終日で、結局9位タイに終わった大会でした。昨年も「アーノルド・パーマーインビテーショナル」での3位が最高で、ベストテン入りは2度だけで、通算でも22回、32回という戦歴でしたが「ネーションワイドツアー」で勝利を挙げてPGAツアーに参戦した選手です。「マスターズ覇者」のババ・ワトソンや、母国の実力者S・アップルビーが上位に名を連ね「優勝を意識」することなくプレーを終えたことが勝因でした。

PGAツアーデータみると、54ホール目を終えた時点で首位に立った選手が、最終日に逆転される確率は、2007年から2012年までで45%にも上っています。そして最終日のアベレージスコアを見ると、首位からスタートした選手がどれだけ苦しんだかが理解できます。2007年以降、タイガーを除き3日目を終えてトップに浮上した選手の最終日のスコアは、平均71.35ストロークとなっていますが、最終日の全選手平均スコア71.06を下回っています。3日目までは順調にスコアを伸ばして首位に立った選手が、優勝のプレッシャーからツアーの平均スコアにすら到達出来ていないことが分かります。3日目までとは違うプレー内容で、本人も信じ難い結果になってしまうのですが、データによれば最終日をトップ20位以内で迎えた選手の最終日は、全体の平均ストローク71.06に対して71.33と、3日目を終えた時点でトップ20位以下の選手よりも成績を落としているのも分かります。

最終日の不調の原因は「プレッシャー」でしょうが、そう簡単に片付けられる問題でもなさそうです。2003年から2006年までの統計を見ると、3日目を終えて首位に立った選手の、65.4%(182人中119)が優勝しているからです。しかし、2007年から2012年になると、44.7%(244人中109)へと大幅に減少しています。2000年代の前半に活躍し、賞金王争いをした代表的な選手というとアーニー・エルス、タイガー、フィル・ミケルソン、そして2004年に9勝を挙げたビジェイ・シンでしょうが、最近は特出した実力で、ツアーを席巻するような選手が現れていません。押し出されるように多くの新しい選手たちが、3日目を終えた時点で首位に立っていることになり、それは彼らにとっては初めての体験の場合も多く「強烈なプレッシャー」を感じるポジションで戦うことを強いられるのです。

ゴルフとは、自分の置かれたポジションを意識した「その瞬間」に変化が生まれるゲームです「自分が優勝したらどうなるか」更に先を考えて「優勝賞金を何に使うか」反対に「もしリードを保てずに優勝を逃してしまったらどうなるか」と考えた瞬間「1打1打の積み重ね」というゲームから逸脱してしまうのです。先々のことを考え始めた場合「次のショットで何をするか?」という自問自答に立ち返らなければいけないのですが「経験」の浅い選手が、その局面で自分自身をコントロールすることは容易なことではありません。

今年1月にトーリパインズGCで開催された「ファーマーズ・インシュランスオープン」では、最終ホールにドラマがありました。最終日を2位に5打差の単独首位でスタートしたカイル・スタンリーは、ブラント・スネデカーに3打リードで迎えた最終18番で、痛恨のトリプルボギーと、まさかの展開でプレーオフに突入し、2ホール目で敗れてしまったのです。しかし翌週の「ウェストマネジメント・フェニックスオープン」では大逆転優勝を演じてわずか7日後に見事“雪辱”を果たしています「このようなシチュエーションに身を置く機会が増えれば、それだけ自信を持ってプレーできるし、プレッシャーにも対応出来るようになる、僕はまだ24歳だし、今経験していることの多くは初めてのことばかり」と語っていますが、前週の「経験」をバネに「絵に書いたような逆転劇」を完結させてみせたのですが、やはり「経験」に勝る力はないようです。

そして勝利することを一番多く「経験」しているタイガーが「ATTナショナル」で今期3勝目を挙げました。かつてジャック・ニクラウス、バイロン・ネルソン、アーノルド・パーマーら名選手のみに与えられた、名誉ある「大会主催者」の冠をタイガーも得た大会でした。「ジ・インターナショナル」が今年に入りスポンサーが集まらないことを理由に中止になったのですが、PGAツアーはタイガーに呼びかけ、タイガーが一役買って出る形で開催が決定したのです。昨年亡くなったタイガーの父、アール氏は元米軍隊員でしたが、大会前のプロアマは「アール・ウッズ記念プロアマ」と命名され、兵役に対する「感謝」の気持ちから、タイガーは米軍大佐と共にラウンドしました。開催コースのコングレッショナルCCは「大統領たちのホームコース」と言われ、ホワイトハウスに関係する人たちがよく使用するコースとして有名ですが、ブッシュ元大統領が水曜日の「始球式」に登場し、 現役の隊員には大会期間中30,000枚の無料観戦券を配布するなど、タイガーの想いがこもった大会で「タイガーの、タイガーによる大会」と報道されていました。

タイガーの初日は、2バーディ・3ボギーで30位タイのスタートでした。2日目は、タイガーと同じく今年2勝を挙げているハンター・メイハンが6ストローク伸ばし単独トップに立ちましたが、タイガーは1イーグル、2バーディ、1ボギーの68をマークして通算2アンダーの11位タイに浮上していました。3日目は初日から好調のB・デ・ヨングが首位に立ち、2位タイには初日トップに立ったB・バン・ペルトとノ・スンヨル、4バーディ・ノーボギーで追い上げたタイガーが並びました。最終日は首位と1打差の2位タイからスタートしたタイガー・ウッズが通算8アンダーとただ一人スコアを伸ばし、「アーノルド・パーマーインビテーショナル」、「ザ・メモリアルトーナメント」に続く今期3勝目を、自身の大会で飾ったのです。リードして最終日を迎える難しさを証明している今シーズンですが、「自分でも勝てるかもしれない」という流れが「逆転劇」を演出しているのでしょう。戦国時代の様相を呈していますが、石川にも早く順番が回って来て欲しいですね。



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