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E-mail: sammy@sammygolf.com
Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

Kankokutei

飛距離だけではないはず 5月1日号

松山英樹はプロ転向後のPGAツアーで出場した6試合はすべて21位以内で、

メジャーでも2試合続けてトップ10に入っていましたが

「マスターズ」直近3試合は棄権、34位タイ、予選落ちでした。

 

左手のテーピングが取れることはなく、復調の兆しもまだ見えていない状態で、

焦りを口にすることはありませんが、強気の言葉も影を潜めていました。

手首の状態は「普通」ショットの感触も「普通」と答えていましたが

「なんでやっているんですかね。考えてみます」と、

納得がいかないのか笑顔は見られませんでした。

 

迎えた「マスターズ」の初日は2バーディ・8ボギー・

1ダブルボギーの「80」でした。

「途中で修正できなかったのが残念」と、首位と12打差の

90位タイ発進に悔しそうな表情でインタビューに答えていました。

 

プロとして初めて挑む「マスターズ」でしたが、1番のティショットは

「普通に、何も変わらず打ちました」と、完璧なショットで

フェアウェイを捉えました。

しかし2打目をグリーン右に外すと、アプローチを

2メートルオーバーしてボギー発進。

続く2番パー5では2オンに成功したものの、

25メートルのファーストパットを

 今度は3メートルショートさせての3パットと、

本戦に入って速度を増したグリーンに

タッチが合わないようでした。

 

初日のフェアウェイキープ率は100%と、

手首の不安を感じさせない状態でした。

しかし、完璧なティショットもスコアには繋がらず、

6番パー3でも3パットのボギーとすると、

8番パー5では2打目でグリーン手前に運びながらも

アプローチを突っ込みきれず、

10メートルのバーディチャンスから4パットのダブルボギーとし、

呆然と立ちすくんでいました。

 

折り返した後半も5つのボギーを叩いて、

奪ったバーディは13番パー51つだけでしたが、

イーグルチャンスにつけた13番の第2打も「ミスショット」と取り合わないほど

大きなショックを受けている様でした。

 

3パット3回に4パット1回で、この日のパット数は屈辱の「39」パットでした。

プロ転向後、国内ツアーでは「36」という記録が残っていますが、

PGAツアーのスタッフによれば、米ツアーでも「36がこれまでの最多だ」

ということで、キャリアワーストを更新したことになります。

ホールアウト後は練習グリーンへと直行し

「分かっていれば、もう終わっています」という様に、

何度もストロークとグリーンの速さを確かめるように

球を転がし2日目に臨んだのです。

 

2日目の1番では15メートルのファーストパットを

50センチに寄せてのパー発進でしたが、

バーディが欲しい2番パー5のティショットを大きく左へと曲げてしまいます。

2日目にして初めてフェアウェイを外したティショットは、

林の中のカート道に止まり、フェアウェイに戻すのに2打を要すことに。

4打目はグリーン奧のパトロン席に突っ込み、

5打目のアプローチは手前のカラーで止まってダブルボギーと、

天国から地獄へ突き落とされるような「オーガスタ」の洗礼を味わったのです。

 

しかし4番パー3ではグリーン奧の左足下がりのラフから1メートルに寄せ、

7番ではグリーン右手前のバンカーから、ピンに向かって傾斜する

幅の狭いグリーンに落としてパーを拾い、

決勝ラウンド進出に我慢のプレーが続いたのです。

 

アーメンコーナーに入り、予選ラウンドで難易度1位の11番、

2位の12番を共にパーで切り抜けると、

13番、15番とバック92つのパー5は、

共に2オンに成功してバーディを奪取します。

池越えの16番パー3では、左奧に切られたピンを右サイドの傾斜に落とし、

ピン下3メートルに戻し、13番からの4ホールで3バーディを奪い取ったのです。

残り2ホールで通算6オーバーまで戻し、

予選通過にあと2ストロークと追い上げてみせたのです。

 

4オーバーならチャンスはあると思ってプレーしていた」という松山は、

アイゼンハワーツリーの無くなった17番でも右下6メートルにつけたのですが、

このバーディパットは無情にもカップの左をすり抜けます。

18番は2打目をグリーン右サイドのバンカーに入れ、

最後はボギーで静かに「マスターズ」を終えたのです。

 

この日アンダーパーで回ったのは97選手中21人でした。

パット数は初日の「39」から「30」へと改善し、松山が記録した「71」は、

2日目の平均スコア74.0823ストローク上回るものでしたが、

最大の目標とした「マスターズ」も予選通過ならず、

満を持して臨んだ米ツアー本格参戦1年目は

すでにシーズン半ばを迎えています。

 

「別に半分という感じもしないし、今年はあまり出ていないので

なんとも言えない」と、素っ気なく答えています。

フェデックスカップポイント480点でシード権をほぼ確定させていますが、

思うようにプレーできない日々が続いています。

 

「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」優勝を果たし、

今年の「マスターズ」出場権を獲得したケビン・スタドラーは今大会、

史上初めて「マスターズ」王者の息子が出場という歴史を作りました。

トップ12の選手には来年の「マスターズ」出場権が与えられるのですが、

K・スタドラーは、最終日のラスト2ホールをボギーとしつつも、

通算「288」のイーブンパーで8位タイに入賞し

来年の出場権を獲得したのです。

 

K・スタドラーは「数週間前ここに来た時、

自分のゲームに適したコースだと感じた。

実際、良い成績を残せたしね。

ラスト数ホールの結果を忘れるには

少し時間が必要だろうけれど」と話しています。

 

ケビンの父クレイグ・スタドラーは、

息子が「マスターズ」出場を決める前から、

今年を最後の出場にすると発言していました。

しかし、来年の出場権を息子が獲得したことで、

考えが変わるかもしれません。

1982年の「マスターズ」王者となったクレイグは、

初日から82-77と予選を通過出来ませんでしたが、

60歳の元王者にとっては2007年以来となる予選落ちとなりました。

 

父の去就について、息子のケビンは「父がどうするかはわからない。

親子で同じ大会に出場できて、楽しい1週間だった。

父が来年も出場したら嬉しいね。もし本人が出場しないと言ったとしても、

100%理解出来る。このコースは距離もあるし、

今の父にとってはきついだろうから。

ただ、出場は検討すると思う。

なにしろ、この大会に出ることが大好きな人だから。

今回は良いスコアを残せなかったけれど、

父はまだまだ高い競技レベルにいる選手で、

今大会のスコアには本人も苛立ったと思う」と、

来年も親子で出場することを望んでいるようです。

 

初日の首位発進で「マスターズ」連覇の期待が高まったアダム・スコットは、

最終日を首位と6打差の16位からスタートでしたが、

5バーディ、5ボギーと出入りの激しい「72」で回り、

上位に絡む事はできませんでした。

 

3位以内に入れば、今回欠場していたタイガーを抜いて初めて

「世界ランキング1位」に浮上できたのですが、2位にとどまっています。

A・スコットは「後半にスコアを伸ばし通算4アンダーまで

伸ばすことができれば、チャンスはあると考えていた。

週末はグリーン周りが雑になってしまった。

 

今週はパッティングが今ひとつ。ロングパットでスピード、

タッチを合わせられなかった。このコースのグリーンは、

乾いてくるとどうしても長いパットが残るケースが多くなる。

土曜日の前半のプレーが良い流れを止めてしまった、

 追い込まれた感じになった、それがメジャー」と、

世界ランキング1位を目指した「マスターズ」を締めくくっています。

 

次なるメジャー「全米オープン」までは8週間の準備期間があります。

今後A・スコットが参戦するのは「ザ・プレーヤーズ」と

「メモリアルトーナメント」でしょう。

タイガーがツアーに復帰するまでに、A・スコットを含め他の選手が

「世界ランク1位」になるのはもはや時間の問題となっています。

A・スコットが「真の1位」と認められるためには

優勝での達成と二つ目のメジャー制覇を期待したいですね。

 

グリーンジャケットをめぐり、通算5アンダーの首位で並んだ2人の最終日、

最終組での直接対決はバッバ・ワトソンが5バーディ、2ボギーの「69」で回り、

通算8アンダーとして最年少優勝を目指した

20歳のジョーダン・スピースを振り切り、

2年ぶりの「メジャー制覇」を成し遂げましたが、

序盤にペースを掴んだのはJ・スピースでした。

 

4番パー3でバンカーからチップインを決めるなど7番までを

4バーディ・1ボギーと単独首位に躍り出たのです。

しかし2ストロークリードして迎えた8番から2連続ボギーを叩いたのに対し、

B・ワトソンは2連続バーディでトップの座を奪還。

サンデーバックナインは圧倒的な飛距離で勝負を優勢に進め、

13番パー5のバーディでリードを3打と広げ逃げきりした。

 

左にドッグレッグしているホールが多いオーガスタは、

コントロールしにくいドローボールで攻める選手より、

ボールを止めやすいフェードでコースなりに攻めることができる

レフティに有利と言われています。

 

事実、2003年にマイク・ウィアが優勝して以来、

フィル・ミケルソンが3(040610)B・ワトソンが2(1214)と、

ここ11年でレフティが6勝を挙げています。

しかしM・ウィア、P・ミケルソンとB・ワトソンの違いは

極端なまでの「飛距離と高弾道」です。

 

B・ワトソンの平均飛距離305.62ヤードは全選手中1位でしたが、

最終日パトロンの度肝を抜いたのは2つのパー5でした。

前半の8番ホール、フェアウェイ右サイド約290ヤード地点に

バンカーがありますが、B・ワトソンは「あのバンカーは問題じゃない」と

軽々キャリーでオーバー。

落下地点が打ち上げにもかかわらず

330ヤードのビッグドライブを見せてバーディを奪うと、

首位に立っていたJ・スピースはボギーを叩き、

ここが勝負の分かれ目となりました。

後半唯一のバーディを奪った13番パー5では、

ティショットで左の木の上をショートカットして360ヤード近く飛ばし、

510ヤードのパー5で持ったセカンドのクラブは56度のサンドウェッジ。

これには同組のスピースも「バッバの13番は忘れることができない。

70ヤード先のOBかと思ったら、セカンドはウェッジだったんだよ」と、

驚きを隠せませんでした。

 

「飛距離だけがゴルフではない」ということは、

米国シニアの「チャンピオンズツアー」出場資格を持つ

50歳以上の選手6人が予選を突破したことでも明らかです。

毎年、優勝争いに加わるF・カプルスも2日目を終え7位でしたが、

最終的にMA・ヒメネスが4位に入り、

57歳のB・ランガーも8位と健闘していました。

「全米オープン」などと比べて「難しすぎない」

コースセッティングで行われるため、

飛距離では劣るシニア勢でも対応できるのです。

数々のドラマが生まれる「マスターズ」は

「技術を魅せるためのステージ」なのですが、

この日ばかりは規格外の「飛距離と高弾道」が

勝利の要因になったことは間違いありません。



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