D0は奇妙な常識
皆さんが「このクラブは重い」とか「すごく軽い」と感じる場合の重さの目安はシャフトの重量です、最近の傾向ではヘッドが 195gでグリップが50gと考えているメーカーがほとんどですが、シャフトが50gだと総重量はテープやソケット、接着剤などを合わせて300g前後に なります、シャフトが70gだと総重量は320g前後です、「超軽量」
と宣伝しているドライバーはグリップを35gのものに変えれば285gまで軽くなります。
ゴルフ業界の奇妙な常識のひとつ「バランスD0」を基準にクラブを組み立てるメーカーがほとんどですが、普段使われている14インチバランス計測法の原理 とはクラブの重心(バランスポイント)からグリップエンドまでの長さを測り、その長さから14インチ引いた全長(インチ)とクラブの総重量(オンス)を掛 けた数値をスイングウェイトとするのです。単位は「インチ、オンス」で、161インチオンスが最小値のAバランス,231インチオンスが最大値のEバラン スになります、AからDまでがそれぞれ0から9まで区分されており、A0からE0まで41段階で区分されています、普通の男性が最も振りやすい重さの基準 が「D0」と発表したのがアメリカ人のロバートアダムです、何と1920年代に考案された計測法です、しかしグリップエンドから14インチを基点にしたイ ンチ、オンスがなぜスイングウェイト(通称スイングバランス)なのか?その根拠は説明されておらず、理論的にも科学的にも裏付けもありません、しかし基準 が無かった当時はクラブ規格を確立するのに大変役立ちました、14インチバランス計測法は手軽に測れる唯一の計測法として80年経った現在も採用されてい ますが、ドライバーの場合クラブの総重量、長さ、材質が当時とは変わっており、あまり重要視するのはどうかと思います。
昔のように、シャフトはスチールだけでグリップもほとんど同じ重さであった時代は、14インチバランスとスイングウェイトは比例し問題ありませんでした が、現在のドライバーに挿しているシャフト重量は30g台から120g代まであり、さらにバランスポイントも違い、グリップも20g台から60g台までと 多様化し、ヘッドに至っては大きさ、重さが違うわけで14インチバランスはスイングウェイトと比例しなくなります。
単に静止状態でヘッド側とグリップ側の重さのバランスを比較するだけの意味だけしかないのです、しかしアイアンセットの場合、長さはハーフインチ刻みで ヘッド重量は番手ごとに6グラム間隔でシフトしシャフト、グリップは同重量となっており振ったときに同じ重さに感じるようにアイアンセットを揃える基準値 のひとつとして有効です。
「軽量、長尺」さらに「D0」にこだわるメーカーが長さを1インチ長くして「D0」に数値を合わせるには、ヘッドを12g軽くする必要がありました、ドラ イバーヘッドの重量は1999年(83機種)の平均値が一番軽く190.4gですがこの時期は長尺が主流でした、クラブを1インチ長くするとスイングバラ ンスは6ポイントも重くなります、ヘッド重量を180g代に設定しているメーカー多く平均値が軽くなっているのです。2000年以降、毎年1gずつ平均値 を伸ばし2005年モデル(98機種)は197gになりました、プロゴルファーは205g以上のヘッドを要求しますが「プロトタイプ」として一般には販売 されません。
「長尺+軽量=飛距離」と誰もが思っていた時代にベストセラーとなったのが「タイトリスト975D」です、このヘッドの重量は206.8gでした「プロゴ ルファーの意見を尊重した結果」から設定された重量です、98年発売当時からタイガーウッズをはじめトッププロの使用率が高く、3年間同じヘッドを売り続 けました、毎年ニューモデルを発売しなくてはならない日本のメーカーには考えも及ばない販売戦略でした。
シャフトのバリエーションも話題になりました、それまでは会社名+ブランド名をプリントして、あたかもシャフトも「自社製」であるかのような錯覚をエンド ユーザーに与える販売方法が当たり前でしたが、シャフトメーカーのロゴが入ったままのシャフトをそのまま使用しコストダウンをはかり、スペックに多様性を 持たせたことによってシャフトの重要性が認知されるようになり、それまでプロゴルファーしかしていなかったリシャフトやフィッティングに一般ゴルファーが 関心を持つようになったのです。


