2009年シーズン開幕
2009年度の米国男子ツアーはハワイ・マウイ島での「メルセデスベンツ選手権」から開幕、賞金ランク対象試合は11月中旬まで46試合が予定されています。
2008年6月に膝の手術でツアーを離脱しているT・ウッズは現在もリハビリ中です。
年末からボールを打つことはできる様になったようですが“X デー”はいつになるのか? タイガー自身も決めかねているようです。
4月に行われるメジャー初戦「マスターズ」に参加するようであれば2週間前の「アーノルド・パーマーインビテーショナル」になるのではないか、という見方が強いようです。
もし石川遼がマスターズに特別招待枠で参加できるようなことになれば、招待枠を持っているA・パーマー氏から、この試合も招待状が届く可能性があります。
しかし、いままで特別招待枠で招待された選手達を見ると、マスターズとは無縁だったようなゴルフ後進国から選手を招待し、その国の人々にマスターズやプロ ゴルフの素晴らしさを知ってもらうという国際交流やゴルフの普及が、特別招待枠の目的のように思います。すでに今田と片山晋呉が自力でマスターズ出場権を 得ていますので、日本人3人目の出場は難しいかもしれません。石川が自力で出場するには、マスターズ前週までに世界ランクを50位までランクアップしなけ ればならないということになります。
世界ランク64位までが出場できる2月25日から開催のWGCマッチプレー選手権には出場できるようです。しかしマッチプレーでランクアップを期待するの は、難しいと思います。石川は出場者の中で最下位に近い世界ランクでの出場です。1回戦での対戦相手は世界ランク上位者との対戦が組まれます。T・ウッズ は欠場でしょうが、S・ガルシア、P・ミケルソン、V・シン、P・ハリントン、C・ビジェガスあたりの強豪といきなる当たることになるでしょう。米ツ アー(WGC)初挑戦で、ストロークではなくマッチプレーとあまりにも不慣れなことが多すぎます。
せっかく得たチャンスはトライするべきだと思いますが「マスターズ」だけのためではなく、常に石川自身の将来・未来のための準備として挑戦してほしいと思います。
何よりも気になることは、石川が米ツアーに推薦等で出場できるようになった時、大挙して押しかける日本メディアの取材合戦です。アメリカツアーにおける取 材上のルールやマナーを、全員が守ってくれればいいのですが、今までと同じならば、他のプレーヤーや他国のメディアの迷惑になる行動を集団で行うことにな ります。
記者会見でも視聴率のための石川報道に固執するあまりに、プレーヤーの気分を害するような的外れコメント要求はやめてほしいものです。非常識な言動をとる のは日本のほんの一部のメディアですが、その一部のメディアの言動で、迷惑をこうむった選手は石川のことをどう思うでしょうか?
石川人気がすごいので、なんでも石川を持ち上げて担ぎ出せば、それがツアー人気につながるとでも思っているのでしょうか?石川はJGTOの選手会理事に選出されたそうです。
USツアー選手会理事は、選手全体を代表してツアー選手たちの意見や希望を聞き、理事会で議論し、ツアー側と協力して問題解決にあたります。理事には選手全員に信頼され、選手代表としての行動力や判断力が備わったベテラン選手がなるべきです。
ツアー2年目を迎える高校生プレーヤーの選手会理事選出は、無責任に石川に重荷を背負わせるだけで、反対する大人がいなかったのかと思うと情けなくなります。
「自分がツアーを活性化させる」という意識を持っている、スマートなプレーヤー達が石川人気を支え、次のスターを育成していかなくてはツアー人気も一時的なものとなるでしょう。
他のメジャーの日程ですが「全米オープン」(6月18〜21日)はニューヨーク州の市営コース、ベスページステートパーク(ブラックコース)で開催されま す。同コースでは2002年にも開催されましたが、その時はタイガーがミケルソンやガルシアを振り切って2度目の「全米オープン」制覇を遂げています。
「全英オープン」(7月16〜19日)はスコットランドのターンベリーリゾートで行われます。1977年(トム・ワトソン)、1986年(グレッグ・ノーマン)、1994年(ニック・プライス)に次いで15年ぶり4度目のジ・オープンのホストコースとなります。
「全米プロゴルフ選手権」(8月13〜16日)はミネソタ州のヘーゼルティンナショナルGC。過去には2度の「全米オープン」1970年(トニー・ジャク リン)、1991年(ペイン・スチュアワート)と、リッチ・ビームが優勝し、タイガーが2位フィニッシュとなった2002年の「全米プロゴルフ選手権」が 開かれています。今田竜二が1999年の全米学生選手権で団体優勝、個人2位の成績を残しているコースでの開催です。
今田がツアー初優勝を挙げた「AT&Tクラシック」が残念ながら昨年度いっぱいで終了となり、今年は開催されません。2008年にツアー初優勝を挙げるだ けでなく大きな存在感を示したアンソニー・キムやカミロ・ビジェガスが更なる飛躍をみせ、今田と共に、いかにタイガーに挑むのかというのも楽しみの一つで す。米ツアー参戦5年目となる今田は、日本人選手としてただ一人のフルメンバーとなりました。プロになって9年目、念願の「マスターズ」初出場を4月に控 え、昨秋や年末に何度もオーガスタナショナルGCに足を運び練習ラウンドをこなしてきたそうです。今までの日本人参加選手とは違う、この周到な準備が花開 くといいですね。
AT&Tクラシック優勝で2010年シーズンまでシード権を持つ今田ですが、2008年度の獲得賞金300万ドル、賞金ランク13位という結果を大きく越えるパフォーマンスを見せてほしいものです。