素晴らしい感動をもらいました!
先日終わった男子ツアーの「マンシングウェアオープン・KSB杯」で史上最年少ツアー優勝者!が誕生しました。
もうご存知の方も多いと思いますが、東京の杉並学院高校の1年生。15歳の石川遼君がアマチュアで優勝の快挙です。
日本ゴルフツアー機構(JGTO)が、男子ゴルフツアーの世界最年少優勝記録としてギネスブックに申請することを検討中で、大会後に世界6大ツアーの最年少優勝記録であることが判明していることから、認められる可能性は高いようです。
女子では04年南アフリカ女子オープンを14歳のアシュリー・サイモンが制した記録がありますが、石川君の記録は男子の「世界最年少優勝記録」となるでしょう。
JGTOでは昨年つるやオープンを68歳10カ月で予選通過した杉原輝雄プロの記録を「世界最年長予選通過記録」として、資料を添えてギネスブックに申請。現在回答を待っているそうです。
女子では95年大王製紙エリエール・オープンを50歳312日で制した岡田美智子プロの最年長優勝記録がギネスブックに収められています。世界記録保持者として「石川遼」の名前が世界中に知れ渡る日はそう遠くないかもしれません。
DVDを見たのですが、彼のインタビューに対するコメントに感心しました。
特にキャディーをしてくれた大学生に対する感謝の言葉は、プロ達にも良く聞いて貰いたかったと感じたくらいです。
それにしても本当に素晴らしいプレーでした。今年の大会では、初日が悪天候で中止となり、大会は3日間で開催されることになりました。しかしながら「72 ホール」をプレーすることが大前提ということから、男子のツアー規定にある、「決勝ラウンドのプレーする人数を制限できる特例(トーナメント規定第11条 (2)の③及び⑤)」を初めて適用し、最終日は40人のツアープロと1人のアマチュアが36ホールの決勝ラウンドに挑んだのでした。
それにしても落ち着いたプレーと爽やかな笑顔は、ギャラリーもテレビで見ていた全ての人達を魅了したのではないでしょうか。トップで迎えた17番のパー 3、ティショットをバンカーに入れてしまったピンチの場面から、思い切りのよいバンカーショットでカップインしてバーディを取った時、タイガーと同じ「こ こ一番で能力を発揮する能力」を持っている選手なのではないかと感じました。
ホールアウト後のテレビのインタビューでは「今日は36ホールのトーナメントだけど、疲れている姿を見せないようにという事と、10個のバーディを取る!と言う目標でプレーをしました。
今もあまり実感が沸かないですし、今日のプレーのこともあまり記憶にないんです。」とはにかむ笑顔は、まだ高校1年生そのものでした。
しかし、早い組であがっていたので、「まだプレーオフがあるかもしれないので、少し休んだら、又、気を引き締めて、準備したいと思います。」と言う顔は、"戦うプレイヤー"の顔でした。
優勝決定後のインタビューでも「これに溺れることなく、文武両道。まだ高校生なので、ゴルフも勉強も両方とも一生懸命にやっていきたいと思います。」と見事なコメントを残してくれました。
しかし、まだ15歳の高校生です、少し長い目で彼を見ていってあげて欲しいと思います。本当のゴルフの難しさを知るのもこれからでしょう、クラブメーカー やマスコミには今までのように「ビジネスの渦」に巻き込むのではなく、彼のこれからの成長を見守る余裕を持って対応していって欲しいと思います。
ゴルフ業界、トーナメントスポンサー、マスコミ関係者のみなさんが、そういう気持ちで彼を育てることで、第2、第3の石川君誕生の可能性が広がるのではないでしょうか。
JGTOが石川君の広報窓口になるようです、日本ではアマチュアで活躍した女子ゴルフの宮里藍や横峰さくら、男子ゴルフの伊藤涼太君などは、コーチでもある父親がメディアの窓口になっていました。
石川君の広報窓口がJGTOになれば、史上初めてのことですが果たして準備はできているのでしょうか?適任者はいるのでしょうか?大会会場でのインタ ビューや取材日程の調整、言葉遣いの指導まで踏み込み、プロ転向までJGTOが管理するようですが、それより石川君が将来プロの世界を希望しているのであ れば、世界のゴルフ事情に精通した専属コーチを付けてプロ宣言し、高校在学中に出場する試合を選んでトーナメントに参加すべきだと思います。
長年のプロ生活で最終プロテストまで勝ち残りながら、最後で何度もダメだった人や、プロになってもトーナメントの出場資格がなく、トーナメントに出場できないプロ達を数多く見てきました。
石川君は今回の優勝で2009年までのトーナメントの出場権を得ることが出来るのですから、これを利用するべきです。
2009年までのトーナメントで活躍できなくても、この間のトーナメント出場経験を将来のゴルフ人生に役立てればいいのです。
世界最大のマネジメント会社「IMG」が石川君に関心を持っているようです。同社の契約選手にはタイガーのほか、V・シン、A・ソレンスタムら男女ゴルフのトッププロ、フィギュアの浅田真央、安藤美姫、テニスのシャラポワなどがいます。
「タイガー考え方とか物の見方は分かっているつもりです、海外でやることを視野に入れるなら(同社所属選手が)来日した時に一緒に練習ラウンドをして肌で感じてもらえたらいい」との意向を明らかにしました。
JGTOには耳の痛い話です。
メーカーによるクラブフィッティング
ウェッジはロフトが多いためにソールから重心までの垂直高さが低くなりやすく、低重心になります。
ところがウェッジに限って、低重心は良い事ではありません。
重心が低いということは逆にいえば、重心よりも上の面積が広く、そこに当たりやすくなってしまうのですが、ヘッドがボールの下をくぐりやすく、上のほうに当たるとスピンも不安定で、距離のコントロールが難しくなってしまいます。
ウェッジの重心を高くするには主に2つの方法があって、ひとつはフェースの高さを高くすることです。ブリヂストンの「ジャンボMTNIIIプロモデル」に代表されるジャンボ尾崎プロのウェッジなどはその典型でした。
もう一つはネックを太く長くすることで、最近ではこの方法が主流になっています。
重心距離についていえば、フェースを開いて打つか、閉じて打つかと関係があります。
フェースを開いて打つということは、シャフト軸に対して重心距離を短くして使うわけだから、重心距離が長めのほうが振りやすく、 フェースを開かずにネック側を通して打つ場合、重心距離が短いほうが振りやすくなるのです。
このことは、たとえばジャンボモデルと最近の主流であるティアドロップ型などを比べてみても明らかです。
ジャンボ尾崎プロは比較的スクェアに打ちますが、これに対してティアドロップ型を使うプロたちはフェースを開いて打つタイプが圧倒的に多く、使っているウェッジの重心距離も、「クリーブランドTA588」などのほうが4〜5ミリ長くなっています。
サンドウェッジのロフトは56度が標準でした。カスタムメイドで作る場合、SWのフルスイングで飛ばしたい距離に合わせてロフトを決め、次にPS、PWとの番手のつながりを考慮に入れて設定することを勧めています。
ただしバンカー専用として考えると、58度前後のウェッジが多くなってきています。
フェースを開いてロブウェッジとして使うことを考えた場合も、この程度あったほうがセッティングしやすいようです。
PSなどのアプローチ用ウェッジとは5度間隔くらいを目安にするといいでしょう。 ただし、パワーのないゴルファーには58度ではややロフトがありすぎになります。
ある程度パワーのある人にとっては上げやすいので楽ですが、非力な人にとっては55〜56度のほうが、距離が出るので脱出しやすくなります。
アメリカの市場では、カスタムメイド、フィティングの市場が活気付いています。
従来のゴルファーの技量に合わせてクラブを作り上げていくフィッティングから、私のショップにもあるようなスウィング解析や弾道測定器を駆使してゴルファーに合ったクラブ作りをしていくというフィッティング方法に変わってきています。
タイトリストのような大手メーカーでもスウィング分析・クラブフィッティング・フィットネス・ボールフィッティングをセットにしたTPIなる事業展開をし ています。日本でもほとんどの大手メーカーがデジタル形式のフィッティングができるショールームなどを充実させ、セミオーダー方式での販売を始めました。
もともと、従来のフィッティングは、リシャフト・ロフトライ角の調整・バランス調整などが主流であり、今のメーカーのセミオーダー方式の多くもこの方法をとっています。
大手メーカーはテレビや雑誌で大げさなセールストークで宣伝したクラブが、陳列するだけで売れてしまうことを望んでいるはずです、そのために莫大な広告宣伝費をつぎ込むのです。
個人対応のセミオーダーは多分メーカーが一番やりたくない販売方法でしょう。アメリカでも日本でもメーカーがクラブのフィッティングに重きを置くのはいい ことです、しかしこれはあくまでセミオーダー的な、シャフト・グリップの選択が可能なだけであって、ヘッドの選択余地は自社の完成済みヘッドに限られてい るのが現状です。
あるゴルファーが、メーカーにセミオーダーで注文するとします。クラブ長さは#3で38.5インチ(グリップエンド合わせ)・バランスD0・シャフトダイナミックゴールドのS200というオーダーです。
この場合のヘッド重量は3Iで241g(ヘッドの重心距離によって若干差があります)位が目安となります。
別のゴルファーが3Iで38.5インチ・バランスD1・シャフトはNSPRO950GH−Sを注文します。
この場合の3Iのヘッド重量は、248g位が目安になります。このとき、メーカーは同じ3Iで7g重量の違うヘッドを在庫しているのでしょうか?
多くのメーカーはヘッドを外注で大量にOEM生産させており、ヘッドに関しては設定したスペックのヘッドしか生産していません。このように統一されたヘッドで上記2名のゴルファーのオーダー通りに作ろうとすると、無理が生じるのです。
アメリカのメーカーの場合、ターゲットは身長の高い西洋人のはずです。当然仕上がったクラブはアップライトで長いクラブになります。
日本人用のフラットなライ角で短く組むための重いヘッドを生産しているメーカーはありません。
軽いヘッドでバランスを出すには、シャフトに鉛を入れて組んだり、シャフトの長さを微妙に変えたりすることになります。
同一品のグリップにも2〜3gの重量誤差はあります。
しかしヘッドの重量の違いを調整できるほどではありません。
グリップ重量差4グラムでバランスポイント1以内の微調整の範囲です。ゴルファーからするとわざわざセミオーダーしているのに、そのオーダー通りつくろうとすると無理が生じ、逆に品質が悪くなる場合もあるのです。