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SAMMY'S GOLF CO.,LTD.
Bangkok Studio
3FL, 593/13-14 Soi Sukhumvit 33/1, Sukhumvit Road., Klongtan-Nua, Wattana Bangkok 10110
MOBILE: 087-906-7272 (日本語)
FAX: 02-259-2662
URL: www.sammygolf.com
E-mail: sammy@sammygolf.com
Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

打ちっぱなし(内輪話)

PGAとJPGAの違い

石川が「WGC-ブリヂストン招待」での賞金を含めた今期の獲得賞金額が、昨年のPGAツアー賞金ランク150位の選手を上回ったことで、2011年度のPGAツアー残り試合の「スペシャル・テンポラリーメンバー」の資格を手にしました。「FedExカッププレーオフ」以外の5試合に出場可能で、石川はその残り5試合でPGAツアー賞金ランキング125位の選手以上の賞金を稼ぐことが出来れば、予選会に参加することなく来季のPGAツアー出場資格を得ることが出来たのです。現実的には「FedExカッププレーオフ」後のフォールシリーズ4試合で約20万ドルを稼げば来年のシードを得られるのですが、4試合出場ですべてトップ5以内、2試合なら連続トップ3以内が必要と条件が厳しいため、今年は日本ツアーに専念し、世界ランキング50位を以内キープして、「マスターズ」の出場権を確保することを第一に戦うとのことです。来年は日本ツアーが始まるまでは出られるだけPGAツアーに参戦し、メジヤーでも賞金を積み重ねPGAツアーのシードを確定させるという道筋を決めたようです。「来年は全米プロまでに125位以内をクリアできるよう頑張りたい」と具体的なPGA参戦時期についても初めて言及しています。

キム・キョンテは「今年、米ツアーのQTを受けます」と、来年からのPGAツアー参戦を早くから表明していました。2年連続の賞金王よりも、11月後半の米国対世界選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」の出場権を獲得できれば、同じ週に行われる国内男子ツアー「ダンロップフェニックス」は欠場する予定になっています。翌週の「カシオワールドオープン」、最終戦の「日本シリーズJTカップ」も米ツアー出場権をかけたQT参戦のため出場しないということでしたが「ウィンダム選手権」で4位タイに入ったことで、石川と同じく「スペシャル・テンポラリーメンバー」となり、違うアプローチが可能になりました。

今後のスケジュールは表明していませんが、メジャーなどの大舞台で母国の先輩であるY.E.ヤンと行動を一緒にしていたのは、米ツアー進出のためでしょう。キム・キョンテの今シーズンは「マスターズ」、「全米オープン」で好発進とアメリカでも通用することを証明してきました。「全英オープン」は予選落ちでしたが、翌週の日本ツアー「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」で石川に4打差で優勝し再渡米。「WGC-ブリヂストン招待」で6位に入り、石川が予選落ちした「全米プロ」も予選を通過しています。そして「ウィンダム選手権」で4位タイと、PGAツアーでの近況は明らかに石川より上です。

石川にも早く決断して欲しいと述べてきましたが、「日本のゴルフ業界」が許してくれないという事情もあるのでしょう。被災地のゴルフ場はどうなっているのでしょうか?何も手をかけなければ、一月もかからず荒地と化し、ゴルフ場に戻すだけで莫大な費用がかかります。被災した従業員の方々の「職」とゴルフ場を守るために、いまこそゴルフ関係の団体、協会、業界が一致団結し被災地のゴルフ場を買い上げ、管理、運営することが、ゴルフ業界ができる支援策のひとつだと思います。

USPGAツアーは、選手の賞金の一部をプールして、その資金を元手に多くのゴルフビジネスを運営、展開して利益を年金で選手たちに還元していますが、このシステムは日本でもスタートするべきです。USPGAツアーのビジネスは、単にトーナメントを運営するだけではありません。トーナメント関連のビジネスの大きな収入源として「テレビ放映権」があります。世界140カ国に放映され、約4億世帯がPGAツアーのトーナメント中継をテレビ観戦しているといわれています。他の大きな収入源として、トーナメント会場のコーポレートテントがあります。巨大で豪華なインテリアで、ホスピタリティを持ち合わせるテントの権利をスポンサー企業がPGAツアーから買い、クライアント接待などに利用しています。このテントがトーナメントのスケールによっては、派手にいくつもが建ちならび、食事をしながらのテレビ観戦や、華やかなパーティ等のスペースに活用されるのです。その他にも「ワールドゴルフビレッジ」の運営や、「PGAツアープロダクション」による番組制作。「PGAツアー・リゾート」の運営、「PGAツアーウェブ」収入等と、さまざまな事業展開をしています。

「ワールドゴルフビレッジ」はフロリダ州・セント・オーガスティンにあるゴルフのテーマパークで、1998年に完成し、18ホールのコースが2つ。ホテルが4つ。そして映画館、スパ、ショッピングセンターなどが揃っていて、その周辺の別荘販売も手がけています。この地にある「世界ゴルフ殿堂」には世界中のスター選手とともに青木功、樋口久子、岡本綾子、尾崎将司という日本を代表する4人の殿堂入りプロゴルファーの記念の品々が展示してあります。「PGAツアープロダクション」ではPGAツアー・ネーションワイドツアー(2部)・チャンピオンズツアー(シニア)という3ツアーそれぞれの番組を制作し、全米のケーブルテレビ局や世界へ発信しています。

さらに全米各地の空港内に「PGAツアーショップ」を展開し、「PGAツアー」のロゴ入りグッツの販売をしています。このライセンス・ビジネスは、数々の商品を生み出し、米国内でもスナック菓子など含めると40社以上のPGA関連商品が並び、海外でも展開しています。またTPC(トーナメント・プレーヤーズ・クラブ)ネットワークという部門では、トーナメント・プレーヤーズ選手権が開催されるTPC・アット・ソーグラスをはじめ、全米で30コース以上を保有。デザイン、プランニング、運営協力などを手がけています。

1980年代に始まったPGAツアー事業展開と年金制度は、テレビ放映権料やスポンサー料、各選手の賞金から拠出金などを運用し分配するというものでしたが、運営している事業が拡大し、膨大な年金資金が得られるようになり、現在は選手の活躍年数、その成績という実績で分配される変動システムに変わってきました。

基本的には、予選通過を果たしたトーナメント数が、年金支給額の基礎となり、予選通過試合数、賞金獲得額から年金が計算されます。たとえば1試合予選通過すれば約3,500ドルが各選手の年金用資金としてプールされます。最低5年間で出場15試合が基本で、予選通過を果たせば、プールされる金額が倍の7,000ドルとなります。優勝すれば、大きなボーナスがプールされることになります。


ある選手が年間30試合出場し、20試合予選通過したとすると、15試合までの一試合のプール金3,500ドルの合計が、52,500ドル。さらに15試合以上は倍額となるので、7,000ドル×5試合で35,000ドルとなり、トータル87,500ドルが年金資金としてプールされます。10年間、同じペースで積み上げると選手ひとりのプール金が、875,000ドルまで膨れ上がります。そのプール金を元手に、数々のビジネスで利益を上げ、さらに資産運用もして、PGAツアーのビジネスが大きく展開されているのです。

 

丸山茂樹は優勝が3回あり、賞金ランキングも30位、40位以内などの実績があるので、在籍年数とボーナスなどを加算すると20億円程度の年金をPGAツアーから受け取れるということです。スキャンダルを起こしたものの、タイガー・ウッズが受け取る年金はなんと200億円に達するそうです。

私が日本にいた頃で現状は判りませんが、日本男子プロツアーの年金制度は、5年で有資格者となり65歳からの15年間、「年額22,500円」が支給されていました。1ヶ月あたり「1,875円」が65歳から80歳まで支給となっていましたが、これはあまりにもお粗末で話しになりません。日本ゴルフツアー機構(JGTO)は「一時期、制度の導入を検討しましたが、放映権料などの収入が莫大な米国のツアーと比べると財源面で劣りますし、各選手からお金を集めて運用してもメリットが少ないため、結局断念しました」とコメントを出していました。また、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)も、今のところ年金制度はないようですが、果たしてこれでいいのでしょうか。誰のために何を運営している協会なのか理解に苦しみます。日本という国は「政治家」も含めて本当にリーダーに問題があるようです。アメリカとの違いは比べようもありませんが、これほどひどい年金システムの団体でも、限られた人たちの為の役員報酬は、既得権益として確保されているのが現実です。

 

2005年にプロゴルフ協会の長田力前会長と石井秀夫前副会長、船渡川育宏前理事が、自身の再選のために理事選に落選した候補を繰り上げ当選させようと画策し、反長田派の神奈川地区の河野高明理事を暴力団関係者に拉致させ、さらに協会の地区議事録を改ざんしたとして、有印私文書偽造・同行使の罪で逮捕されるという前代未聞の事件が起こりました。

 

長田前会長は12度目のプロテストで合格した苦労人ですが、プロとしての実績はありませんでした。九州地区出身で、親分肌で面倒見が良かったようですが、九州以外ではまったくの無名でした。01年に九州で開催された「日本プロゴルフ選手権」のチケットを1万枚近く売りさばいたことと、有名プロの後押しでトップの座に着いたといわれています。

 

日本プロゴルフ協会は年間収入が15億円ともいわれています。長田前会長は多額の役員報酬だけでなく、月100万円以上の交際費を使い、側近理事を引き連れて銀座で豪遊していたという情報も流れていました。自身の会長というポジションを守ろうと、信じられない事件を引き起こしてしまったのです。


夢や希望、感動といった「スポーツの力」を隠れ蓑に、集めたお金は選手のためではなく一部の特権階級が私物化し、私腹を肥やしているというのが、残念ながら日本のスポーツ業界の悪しき習慣となっています。彼らにとっては明日の保証も無く必死に戦っている選手の年金などどうでもよく、人気選手は金集めのために必要な道具でしかないのでしょう。

 

メジャーリーグの年金制度は「選手会」が運営をしています。メジャーリーグ在籍年数5年以上で有資格者となり、10年選手には満額(約2,000万円)支給となります。45歳からの受給を選択すれば約80%が支給され、60歳以降は終身支給となっています。在籍10年に満たなくても、9年なら90%、在籍5年なら50%支給されるシステムです。仮に選手登録が5年なら満額の半額、9年なら90%の支給となりますが、反対に5年未満はゼロで、マイナーリーグの選手には支給されません。

日本プロ野球の年金は、10年以上が受給資格で年額113万円と、こちらもメジャーと比べると「すずめの涙」程度の支給に過ぎません。10年選手なんて一握りで、おまけに55歳からの支給となっていますが、財源不足で破綻寸前で2012年の廃止が決定していますが、これもひどい年金システムです。解説者になれるのは一握りで、引退した人は現役時代の華やかさとは程遠い、厳しい生活を強いられることになります。他の競技も同様ですが、世界で通用する選手を育成するには、まず日本のプロスポーツ界全体の運営の仕組みを、選手会主導か、選手が納得できる運営に変えることから始めなくてはいけないようです。

 

全米プロ2011

2011年最後のメジャー「全米プロゴルフ選手権」の最終日は、首位タイからスタートしたジェイソン・ダフナーと、1打差を追うキーガン・ブラッドリーが通算8アンダーに並びホールアウト。16、17、18番の3ホールによるストローク戦で行われたプレーオフでしたが、16番でK・ブラッドリーが1mを沈めてバーディを奪い先手を取ると、続く17番でJ・ダフナーが3パットによる痛恨のボギーを叩きます。2ストロークを追うJ・ダフナーは18番でバーディを先に奪うものの、K・ブラッドリーは確実に2オン2パットのパーで終え、プレーオフを制したK・ブラッドリーが初出場で「メジャータイトル」を獲得しました。米国勢のメジャー制覇は、昨年「マスターズ」のフィル・ミケルソン以来7大会ぶりでしたが、アメリカ待望の大型スター誕生に、ギャラリーの惜しみない拍手と“U・S・Aコール”が、日が西に傾いたコースに途絶えることなく鳴り続けました。

 

K・ブラッドリーが2日目のベストスコアとなる「64」をマークし、通算5アンダーとトーナメントリーダーに躍り出た後のインタビューでは「このところ良いゴルフができています。 良いプレーができているときは簡単に感じますね。しっかりとパーオンができていますし、パッティングも今年で一番いいです、パット(叔母)はここに来ていませんが突然現れる時もあります。今週は母、姉妹と甥っ子のエイデンが一緒です。甥のミドルネームはキーガンです。イニシャルで呼ぶと「AK」ですね。みんな初めてのメジャー大会で緊張する?って尋ねますが、私は緊張していませんでした。「AK」のおかげなんです。彼がいると私は笑顔でプレーできます。 パット(叔母)は明日になったら来るかもしれません。 父はジャクソンホールというコース所属のプロです。子供の頃は父にゴルフ場に連れて行ってもらい、朝から晩まで出来る限りゴルフをしていました。父のおかげ、もちろん母もそうですが、たくさんの人のサポートがあって今ここにいることが出来ると感謝しています。父はPGA(全米プロゴルフ協会)のメンバーであることに誇りを持っているので、父の為にもこのタイトルを獲りたいですね」 と語っていました。


キーガンの叔母は、岡本綾子と同世代で「ゴルフ殿堂」入りしているLPGAの名選手、パット・ブラッドリーです。通算31勝で、メジャーでも6勝を挙げています。父親のマークもPGAのクラブプロというゴルフ界のサラブレッドとして期待の若手でした。ニューヨークにあるセントジョンズ大学を2008年に卒業後、秋にプロ転向。1年半ほど3軍ツアー「フーターズツアー」というミニツアーで腕を磨き、昨年昇格した「ネーションワイドツアー」を14位と1年で“卒業”し、PGAツアールーキーとして参戦した今シーズンは、5月末の「HP・バイロンネルソン選手権」でプレーオフを制して早くも初優勝を飾っています。

 

持ち前の明るさと笑顔が印象的ですが、ネーションワイドツアーでの昨年のドライビングディスタンスは311ヤードとかなりの飛ばし屋で、高弾道で攻めるゴルフは魅力的です。188cmと長身で、腕も長く前傾姿勢が深い、最近珍しい個性的なアドレスですが、12番551ヤードのパー5で、ビッグドライブを放った後の2打目を、なんと7番アイアンでピン横80cmに寄せるスーパーショットでイーグルを奪い、一気に流れを引き寄せトップタイに浮上しました。しかし「メジャー」で勝利するのは簡単ではありません。好調に見えたK・ブラッドリーに、ターニングポイントが訪れたのは15番ホールでした。右に池が迫る距離の長いパー3のティショットを、グリーン左奥に外すと、ライの悪いラフからのアプローチは、グリーンを超えて池につかまる痛恨のアプローチミス。ドロップエリアからの打ち直しの第4打も寄せきれずトリプルボギーで一気にスコアを落とし、J・ダフナーに一時5ストロークの大差をつけられてしまいます。 しかしトリプルの直後の16、17番で連続バーディを奪取し、通算8アンダーとしてJ・ダフナーより先にホールアウトしていました。


PGAツアーではまだ未勝利のジェイソン・ダフナーは今田竜二の大親友です。昨年も開催コースは異なるものの、この大会で優勝と2打差の5位と健闘を見せていました。2月に行われた「ウエストマネージメント・フェニックスオープン」ではマーク・ウィルソンを相手にプレーオフで惜敗しています。J・ダフナー独特のプリショットルーティンは、グリッププレッシャーを軽くするためコックを大きく使い、「ゆるゆる」の状態でワッグルを繰り返し、腕とヘッドの重みを感じ「脱力」してからスイングをスタートします。J・ダフナーの初日からの3日間は参加者全員が苦しんだ、最難関の15番から18番までの4ホールでボギーなし、3バーディで通過していました。しかし最終日はK・ブラッドリーがボギーを叩いた15番パー3で、ティショットをグリーン手前の池に入れてボギー。さらに16番ではフェアウェイからのセカンドを右のバンカー、17番では3パットと、3連続ボギーで一気に並ばれてプレーオフ決着となり、残念な結果に終わりました。

 

一番勝ちたかった初出場のメジャー「全米プロ」で今シーズン2勝目を挙げ、米国の救世主になったK・ブラッドリー。ウィニングパットを沈めると可愛がっている甥っ子「AK」を抱きしめ、両親兄弟との熱い抱擁を交わしていました。「メジャー」優勝で世界ランクは108位から29位にランクアップし、FEDEXカップランクは4位、賞金ランクは5位となり、今後の活躍次第ですが「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」候補にもなりそうです。4大メジャーのチャンピオンはこれで、7大会連続で初優勝者になりました。「マスターズ」で石川か池田に順番が回ってくることに期待しましょう。

 

「全米プロ」に3年連続の出場となった石川は初日、2ボギー、5ダブルボギー、1トリプルボギーの「85」の15オーバーで、最下位の155位タイと大きく出遅れました。前週の「WGC・ブリヂストン招待」で優勝争いをした姿は見る影もなく、ホールを追うごとにスコアを落としていく大乱調の石川に、ギャラリーは言葉を失って見守るだけでした。2ホール目の11番でフェアウェイからの第2打を「置きにいくスイングになって、流れが変わってしまった。ピン左2メートルを狙ったが、緩んでしまった」と、グリーン右手前の池に打ち込みダブルボギーが先行。その後3ホールはチャンスを生かせずパーでしたが、続く15番からが本当の悪夢の始まりでした。打ち下ろしの260ヤードのパー3。メジャーで初めてバッグに入れた5番ウッドで放ったティショットはグリーン手前の池へ。打ち直しの第3打もバックスピンで花道まで戻ってしまい結局4オン2パットのトリプルボギー。続く16番はティショットをフェアウェウェイ左のバンカーに入れてボギー。17番での第1打はグリーン手前の池、18番ではティショットと、打ち直しの第3打も池に落とし、2連続ダブルボギーとした。わずか4ホールで8つスコアを落とし完全に上位から取り残されてしまいます。「45」の前半ハーフで5度池につかまった石川は、後半4番(パー3)でもグリーン手前の池にティショットを落とし、またしてもダブルボギー。その後はなんとかパーでしのぎましたが、スコア「85」は、海外メジャーはおろか2008年のプロ転向から国内、海外ツアーを通じて自己ワーストスコアでした。


「コースが難しいという以前に、自分の思ったとおりのスイングができなかった。それが、こういう結果(15オーバー)になったのだと思います。スイングがよくなかったのは、全体的に手首を使うような形になってしまったこと。昨日まで練習場ではできていたスイングをすることを心掛けていたんですが、いざやろうとすると体が硬くなってしまい、うまくスイングスピードを出せずに、インパクトを手先で合わせてしまうようなことが多く、まったくタイミングが合いませんでした。それがゴルフだと思うのですが、練習でやれたことが試合でできなくて悔しいです」ということですが、一般的にはこれを「プレッシャー」というのです。本当はその場から逃げ出したくなるほど、ゴルフの怖さを嫌というほど味わった初日だったでしょう。

レベルこそ違うものの、ゴルフファーなら誰でも経験することですが「おかしいな?昨日は良かったのに、今日は最悪だ」を「メジャー」の大舞台で経験してしまいました。ノープレッシャーの練習場では楽しくスイングできるものです。思うように打てるときには、攻めに勢いが生まれます。失敗を恐れ、ボールを置きにいきたくなり、合わせるようなスイングをするとプレッシャーの餌食になります。判っていても「何かが支配する大きな壁」に怖さを覚えると抜け出すのは大変です。この一言で言い表せない「何かが支配する大きな壁」を乗り越えることができずに、消えていったプロゴルファーは、星の数ほどいるでしょう。

 

一昨年の「エビアンマスターズ」で、ツアー参戦4年目にして悲願の初優勝を遂げた宮里藍も、スランプが追い討ちをかける「プレッシャー」に押しつぶされ、大好きだったゴルフが怖くなり、コーチである父の優さんも「ゴルフをやめてもいいんだよ」と何度も話したそうです。しかし宮里藍は見事にこの壁を乗り越えて見せたのです。「4年間諦めないでやってきて良かった」とスランプから脱出し、輝きを取り戻した2010年は年間5勝大活躍でした。今回の石川は、宮里藍が乗り越えた「何か支配する大きな壁」がほんの少し見えたはずです。

 

ゴルフの本当の怖さを乗り越えて、さらに大きく羽ばたくための、石川の新たな戦いが始まります。「今年のメジャー4試合は、すごくためになったというか、いいモノを得られました。最後にこういう結果になって言うのも何なんですが、徐々にこちらの雰囲気に慣れて、自然体でプレーできるようになりました。”慣れ”というのはとても大事なことだと思います。最初の頃は、ロッカーでも練習ラウンドでも遠慮しがちでしたが、今ではやっと日本にいるときと同じような精神状態でできるようになりました。それが、先週のトーナメントでも生かされたのだと思います。また、技術的にも世界の選手たちに追いついてきているんじゃないかな、と試合に出場する度に実感を得ています。あとは、良かったり悪かったりという波がある中で、その波を小さくしていきたい。それができる選手が世界のトップにいるのだと思います。何十球も同じ球を打てるように僕は練習するしかない。他の選手と比べたら、まだまだ経験も足りないし、技術も劣っていますから」と引き続き厳しい練習を積むのとともに、日本国内よりも厳しい長距離移動や、それぞれの環境の違いにどう馴染むか、今後は準備や調整方法も課題だと語りました。

 

慣れる事の重要性を感じ取ったようですが、慣れるにはその環境に身を置き、他のメンバーと一緒に行動するしかありません。トーナメントは毎週違う会場で開催されますが一緒に移動するメンバーは、戦っている時もいがみ合う事はなく、相手の力を認め合い競い合うことで、戦友のような信頼関係を築きます。スポット参戦ではなく、いつもそこにいるものだけに許された居心地のよさが「慣れ」であり、レベルの高い欧米では、勝利のために必要不可欠の事だと思います。「WGC・ブリヂストン招待」で石川対タイガーと決別したキャディのスティーブ・ウィリアムス+A・スコットとの、優勝争いを見て強く感じたのですが、メジャーを制するために、海外常駐の決断が必要な時期が来ています。

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