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E-mail: sammy@sammygolf.com
Open: 12:00~20:00 (月曜定休)

打ちっぱなし(内輪話)

PGAツアーの新しい取り組み 2月1日号

PGAツアー「ヒュマナチャレンジ・クリントンファウンデーション」は何かと話題の多い大会でした。

まずPGAツアー本部から「2013年には8,300万人近い人々が、

PGAツアーのテレビ放送を少なくとも15分は見ていて、そのうち46%が女性でした。

そのためPGAツアーは、昨年立ち上げたWomen’s Initiative

(女性に関する新政策などを発議する機関)を『PGAツアーWoman』と名称を変え、

拡大していきます」と発表したのです。

トーナメント拡大促進部門の上級副社長であるドナ・フィードロビッツ氏は

「設立パートナーであるアステラス社と共に掴んだ2013年の成功で、

我々は「PGAツアーWoman」を通じ、女性ファンとの様々な価値ある交流や、

女性重視の運営でPGAツアーと組むことを考えたこともないような

スポンサー企業との接点を増やす可能性に、とても興奮しています」と発表しています。

 

女性とその女性をターゲットとした企業を、PGAツアーに

取り込んでいくかということなのでしょうが、アステラス社は、

日本の大手製薬会社「アステラス製薬」の米国法人です。

今大会でも“Women’s Day”と銘打たれた女性向けイベントが金曜日に開催されています。

女性限定のレッスン会や、健康志向の料理教室、

ギャラリーによるファッションショーや女性向けのフィットネスデモなどなど。

ほかにも、公式グッズ売り場では女性は10%オフになり、

フードは2ドルオフになるなど、女性にとっての特典が満載だった様です。

スポンサー企業と共に、新たなファンやスポンサーを獲得していくことが目的なのでしょうが、

日本の男子ツアーは、PGAツアーの取り組みに見習うべき点が多そうです。

 

「ヒュマナチャレンジ・クリントンファウンデーション」は、

予選3ラウンドは毎日違うアマとペアを組んで一緒に回るプロアマ方式ですが、

石川とラウンドしたのは左手だけでスイングするサウスポーでした

「練習場でペアとなるアマチュアの方が片手でパットしているところを見たんですよ。

でも、まさかドライバーは打たないだろうね、なんて話していたんだけど」ということでしたが、

その予想はものの見事に裏切られることになりました。

石川とペアを組んだのはカナダ・モントリオール出身の55歳、

ローレント・ハーツビスさんは「生まれたときからこうだった」という右手には、

肘から先の部分がありません。

左手のグローブは口を使って器用にはめ、

ドライバーを握れば飛距離は200ヤードをゆうに越え、

アイアンショットはおろかアプローチでも、左手一本で微妙なタッチを出してピンへと寄せ、

アンダーパーでのラウンドも2度記録したことがあるという腕前のゴルファーだったのです。

ユーチューブでスイングを見たのですが、ハンドアップ気味のアドレスから

何ともスムースな無理のない理想的なスイングでしたが、

同じカナダ出身の「世界一のボールストライカー」と謳われるモー・ノーマンを見る想いでした。

 

これには石川も「同組のスペンサー・レビンとも話したけど、

僕らが片手でやるより全然うまい。プロゴルファーが片手でやっても、

あんなのできないですよ」と驚きを隠せないようでした。

ローレントさんがゴルフを始めたのは11歳の時で

母に「やってみたら?」と言われたのがきっかけだったそうです

「バイクに乗って朝8時にコースに行く。27ホール、36ホール、

45ホールとプレーして夕方4時に家に帰る。そうして次の日またコースに行く。

それが、まわりの人たちに対して、自分も人と同じように

やりたいことをできるんだってことを証明する方法だったんだ」と

笑顔で語っていますが、毎日2ラウンド半とは相当な「努力」です。

 

初めて「80」を切ったのは10年前で、

06年には北米の「ワンアームド(片手だけでプレーする)ゴルフ選手権」で優勝し、

08年には初開催となった「ファイトマスターカップ(北米と欧州のワンアームドゴルファーが

ライダーカップ形式で戦う対抗戦)」で、4戦全勝で北米チームの勝利に貢献しています。

アメリカには負傷兵も多く、ハンディキャップを負った人たちに

ゴルフを広めていく活動をしてきたようですが「パラリンピックにはゴルフはないの?

でも、その大会でプレーできたら最高だね、たとえハンディキャップがあろうとなかろうと、

何ごとも頑張ってやり通さないといけない。絶対にやめてはいけない。

常にトンネルの先に、光を見ていないといけないんだよ」という言葉には、重みがあります。

 

「ヒュマナチャレンジ・クリントンファウンデーション」は、

11年までは「ボブホープクラシック」として長年開催されていました。

12年からヒュマナ社が冠スポンサーとなり、

同時に競技日数も5日間から4日間へ変更されています。

ヒュマナ社はケンタッキー州ルイビルに本社を構え、

保険や健康関連サービスを提供している企業ですが、

大会パートナーで、元アメリカ大統領が主宰する

「クリントン・ファンデーション」も個々人の健康や女性の社会進出、

環境問題などに取り組む財団です。両者が手を組んだことによって、

今大会は「全米で一番健康な大会」を目指すと大々的に掲げています。

各ホールのティグラウンドにはヤード表示の他に“歩数”が記してあり、

ギャラリー通路の脇には「歩くことの効果」を掲示し、大会期間中は、

各プレーヤーの歩数と表示カロリーがリアルタイムで

コース内のリーダーボードに表示される仕組みや、

より健康的な食品の見つけ方やレシピなどを紹介するテントなども出展されていたそうです。

 

プロゴルファーは「アスリート」と捉えられ始めています。

もちろんトッププロたちはあらゆる面でエリートですが

「タイガーやビジェイ・シンがゴルフ界にフィットネスの概念を持ち込んだ」と語るのは、

V・シンの以前のパーソナルトレーナーで、現在はジム・フューリック、ビリー・ホーシェル、

マット・エブリー、バド・コーリーなどのゴルファーを担当している

ジェフ・フロンク氏で「彼らのような若手はアスリートに近づいているよ。

まるでアスリートのようだ」と語っています。

ニューヨーク・ジェッツや、ジャクソンビル・ジャガーズといった

NFL(米国フットボールリーグ)の名門チームでの指導経験からか

「ゴルフ競技に一流のスポーツ選手が入ってくるようになってきた」とも語っています。

 

シニアツアーのメンバーには、ビール腹がお似合いの

「アスリート型」とは違うゴルファーが大半を占めていますが、

B・ホーシェルは「確かに私たちは、プレー中は走らないし、ジャンプもしないし、

競い合うこともしない。我々はパワーを伝達させるスイングを作るので、

このこと自体はアスレチックな行為には見えないでしょう。

でも実際は、とてもアスレチックなんだけどね。

バスケットでダンクを決めるほどの身体能力がある

ゴルファーがいるくらいですから」と答えています。

A・スコット、ダスティン・ジョンソンは「アスリート型」のゴルファーの代表と言えるでしょうし、

ゲーリー・ウッドランドはゴルフに転向する以前、大学時代はバスケットの名選手でした。

セルヒオ・ガルシアはサッカー選手としても名高いし、

マット・クーチャーはテニスプレーヤーとしても有名です。

 

フロンク氏のゴルファー向けの複合的なトレーニングとは、

大きなゴム製のメディシンボールを使ったウオーミングアップから、

スクワットをしたり、ボックスジャンプを繰り返したり、逆向きの筋力を鍛えたり、

腹筋を鍛えたりと、一連のメニューは1時間ほどで、

フロンク氏に師事するゴルファーたちはこれを週に3、4日は行うそうです。

プレーの前後に、何時間も続くボールの打ち込みや、

ショートゲームの練習に加えてトレーニングに意識を置くことは

「アスリート型」ゴルファーの常識になってきていますが、

ゴルフ界で最初にトレーニングの重要性を唱えたのは

南アフリカ出身のゲーリー・プレーヤーでした。

身長170cmと小柄ながら世界中のツアーで127勝を挙げ、

メジャー大会4冠を制す「キャリア・グランドスラマー」に名を連ねています。

日本でも勝利を挙げていますが、優勝インタビューの後、

コースをランニングしたことは有名な逸話です。

G・プレーヤーの名言に「サラリーマンは一日8時間働くのだから、

毎日8時間練習するのはプロとして当然のこと」というのがありますが、

何事も極めるには「努力」しかないということですね。

 

「タイランドチャンピオンシップ」に参加していた石川も、

ラウンド前後の練習を合わせて8時間以上はボールと向き合っていました。

「ヒュマナチャレンジ・クリントンファウンデーション」初日の石川は、

6番パー5でバーディを奪うと、8番もバーディとして2アンダーで前半を終え、

後半は10番こそボギーとしますが、ここから巻き返しをスタート。

11番パー5では約13ヤードを直接放り込んでイーグル。

さらに、16番、17番、18番と上がり3ホールを連続バーディとして「66」をマークし、

上位争いの期待を持たせたのです。

予選ラウンド3日間は異なるコースを回る今大会、

第2ラウンド石川は比較的スコアの出やすいとされるラ・キンタCCでした。

INから出ると10番、11番と連続バーディ。さらに13番でもバーディを奪って

この日も爆発を予感させるスタートを切ったのですが、

14番、16番とボギーを叩くと、その後はパッティングに苦しんでスコアを伸ばせない展開でした。

終盤、5番、6番と連続する2つのパー5でバーディを奪ったものの、

アマチュアも参加しているため、易しいセッティングの伸ばしあいの中で

「69」はやや物足りないスコアで、首位との差も9ストロークに広がってしまったのです。

しかしこの日のフェアウェイキープ率は92.86%。

パーオン率は88.89%で出場全選手中1位をマークするなどショットのキレは抜群でした。

しかし、パーオン後の平均パット数は1.875パットと全体で96位タイと

「パターさえ入れば」という内容でした。

3日目はニクラウス・プライベートをプレーし、2イーグル5バーディ、4ボギー、

1ダブルボギーと出入りの激しいゴルフで「69」。

通算12アンダーには伸ばしたものの、バーディラッシュの波にはおいて行かれた格好で、

順位を34位に落としながら最終日の決勝ラウンドに臨みました。

プロアマ形式での予選ラウンド3日間が終わり、この日はプロのみの決勝ラウンドでした。

1番からスタートすると安定したショットを武器に2番でバーディを奪った後はパーが続いたものの、

後半は11番パー5のバーディを皮切りに13番、14番、17番とバーディを奪い順位を上げホールアウト。

今大会は当初出場予定がなく、前週の予選落ちを受けての参戦でしたが、

予選落ちの原因がゴルフの状態の悪さでないことを証明して見せました。

パッティングには課題を残したままですが、最終日のパーオン率は4位タイと、

ショットの精度はPGAでもトップクラスで、ティショットでフェアウェイを外したのは2回だけで

パーオンは18ホール中14回でした。

「ボギーが出る要素はあまりなかったと思う」とノーボギーのラウンドを振り返り、

前日までタッチに苦しんでいたパッティングも「今日は外れ方が全然違った」と、

ロングパットはカップをかすめ、返しのパットはど真ん中から決め、

日々の練習の成果が出ました。

「最高のパッティングができたと思う。スコア以上に内容はよかったですね」と、

自信を取り戻したようです。

フェデックスカップポイントでは最低限のプレーで42.5点を獲得し、

計340点として同ランク19位と順位を1つ上げ、

2月のノーザン・トラスト・オープンまで続く連戦が楽しみになりました。

 

 

 

ゴルフクラブとの付き合い方 1月15日号

親交のあった「フォーティーン」創業者の竹林隆光さんが12月27日、

心不全のため64歳という若さでお亡くなりになりました。

73年に成蹊大学を卒業後「75年・香港オープン」ベストアマ、

27歳の時に「77年・日本オープン」のベストアマになられていますが、

当時ミズノに次ぐ2番目のメーカーだったヨコオゴルフ製作所を経て

81年に「株式会社フォーティーン」を設立されています。

私が竹林さんと知り合ったのは地元にあったヨコオゴルフの販売店でアルバイトをしていた時でした。

ジュニアとして競技ゴルフを始めたばかりの頃で

日曜日はゴルフ場でキャディをさせてもらい、

平日はゴルフショップの手伝いをしていたのですが、

師匠のいなかった私にスイングやクラブについて教えていただき、

クラブ作りを始める際にもいろいろとアドバイスをしていただきました。

 

交通事故で現役を引退し、韓国でプロゴルファーの育成に携わっていた際に本社を訪ね、

韓国での販売を竹林さんにお願して、バンコクに来るまで「フォーティーン」を販売していました。

当時はすべて注文製作でしたが、アマチュア目線と物理的な発想で

「やさしく美しくなければクラブではない」をコンセプトに、

クラブの進歩を追求しロングアイアンの長尺化等、

個性的な商品を次々に発売する魅力的な会社でした。

2008年には「会社の成長性を高めるには、あらゆる意味で中小規模では限界がある」と、

ダイワ精工株式会社(現グローブライド株式会社)の完全子会社となり、

竹林さんは特別顧問を務められていましたが、スタッフのことを考えての決断だったのでしょう。

「世界初の中空アイアン」も、竹林さんの代表作です。

重心理論をいち早く導入し、同時に身体とクラブの最適化を図るために

「慣性モーメント数式表」を発表するなど、

ゴルフクラブ作りに物理の視点を取り入れた画期的な発想でした。

スコット・シンプソンが使用し「87年全米オープン」を制し、

日本のクラブとしては初メジャートーナメント優勝クラブとなった

「YAMAHA・SX-21」を設計し、1980年代にもっとも売れたといわれる「PRGR・500アイアン」や

ユーティリティの元祖「インテスト」(通称タラコ)も竹林さんのアイデアです。

「フォーティーン」としては2002年~2003年日本プロゴルフツアー使用率NO.1

ユーティリティ「HI‐858」が大きな話題になりました。

「HI‐858」は2002年「全英オープン」でアーニー・エルスの優勝に貢献しましたが、

ニック・プライス、ジャスティン・レナードや、タイガーと№1争いをしていた

デビッド・デュバルも使用し「フォーティーン」を世界に広めた「名器」でした。

 

「日本オープン」でベストアマに輝いた時使っていたクラブのことに触れ

「14本で7ブランドのクラブがバッグに入っていました。

セットで買って、そのうち2本が使えるというように選んでいって、

生き残ったのが7ブランドで14本だったのです。形がどうこうではなく、

「これはヘッドの先が重い」とか、「後ろのほうが重い」というのを感じていました。

その感じを合わせるためにクラブをいじっていたわけです。

そういったヘッドの重さの違いを、すべてのゴルファーが感じているのかと思ったら、

実はそうではなかった。ほとんどの人が感じていないことが分かったので、

だったら自分の感じで数値化しようと思った」というエピソードを話してくれたことがありました。

 

横浜ゴムが「PRGR」の発売にあたって「ゴルフ業界に新規参入したいけれど、

どうやって設計したらいいのかわからない、商品開発に行き詰まってしまい、

どんなクラブをつくればいいのかわからない」と、相談を受けた竹林さんは

会社を立ち上げた段階で、いきなりオリジナルのクラブを製造しても

販売に自信もなかったので、それまで携わってきた仕事の延長線上にある

設計の依頼を受けることから始めたということでした。

会社を起こして20年間くらいは「フォーティーン」は製造会社ではなく設計会社だったのです。

 

設計会社から製造会社へと転換するきっかけについては

「ゴルフクラブの設計をするときは、金型までつくってから引き渡します。

その際、図面も一緒に添付するのですが、記載された数値を

意図的に隠した状態で渡していたので、先方は図面をもらったところで

同じ金型をつくることはできません。ですから「フォーティーン」のノウハウは

外に漏れなかったのですが、3Dキャドを使って設計をするようになり、

それにともなって金型加工用のデータを渡すようになると、

どうしてもノウハウが外に流出してしまうことになりました。

データでの引き渡しを1~2年続けていたら、ほとんど仕事がなくなってしまって、

それならば自分たちの手でクラブをつくって売らないといけないということになったので

製造会社にはなりたくてなったわけでもないんです。

ただラッキーだったのは、クラブの設計というのは金型を買ってもらうほかに、

1本売れるといくらというロイヤリティー契約だったので、設計の仕事がゼロになっても、

一年半くらいはなんとか食いつなげた」と、話してくれたのを思い出します。

 

2002年~2004年日本プロゴルフツアー使用率NO.1ウェッジ

「 MT-28」を発売して話題になりましたが、当初はティアドロップタイプのウェッジには否定的でした。

新製品が発売される度に、試し打ちとオーダーを兼ねて韓国から高崎の本社を訪ねたのですが、

プロトタイプを私に見せ「この形状が良い様なんだけど、どう思う?」と質問を受けたことがあります。

「アメリカンタイプですね」と答えると「自分にはまだ良さがわからないけど、

若い連中に任せているんだ」と笑顔で話していました。

それまで竹林さんが発売していたモデルはすべてグースネックだったため、

出っ歯型のウェッジは「構えにくい」のは当然でした。

高麗芝用の「ジャパニーズタイプ」とも言えるグースネックのウェッジの特徴としては、

ヘッドの座りがよく、自然にハンドファーストに構えることができ、

ダウンブローに打てることになります。ロングアイアンにもよく使われるのがグースネックですが、

ボールのつかまりはとてもいいのです。私の工場で作っているウェッジは、

ヒール側にふところがあるため、ボールを包み込む様なイメージに仕上げています。

自然にハンドファーストになるということは、ボールが低く飛び出しやすいという特徴があります。

ジャンボが得意にしていた低く飛び出しキュッキュッと止まる難しいアプローチも、

このグースネックのウェッジなら簡単にでき、ダフリも防止できます。


日本のゴルフ場も洋芝が増えてきて、ボールがフェアウェイにあったとしても

少しだけボールが沈むようになり、アメリカンタイプのウェッジが

主流になったのもうなずけるのですが、アメリカンタイプは、

小ぶりで出っ歯なのでボールを拾いやすく、ディアドロップ型という滴に似た形状が特徴です。

ヒール部分が低くリーディングエッジが丸いため開いて使っても違和感がなく、

スイートスポットからトウ側とフェース面を長く使える効果がありスピンを効かせやすいのです。

またヘッドファーストに構えることでさらにロフトが増し、

スピン効果が上がるのですが、現在発売されているアイアンは

PWまではグースネックのモデルが多く、セットとしての流れの中で違和感が生まれ、

距離が合わせ難くなるという問題も発生します。

 

プロゴルファーとの共同開発ということで誕生した「MT-28」ですが、

プロゴルファーはクラブの使用契約をしています。しかしパターと、

ウェッジ契約から外しているプロが多く、ウェッジを使ってもらうことが可能で、

「MT-28」は一気に使用者が増えたのです。

 

竹林さんは「ゴルフのスイングというのは、“クラブによって決められる”ので

流行のクラブばかり次から次へと買い替える人は、それほど上達していない場合が多い。

クラブが変わると、スイングも変わります。それまで使っていたクラブと

異なる特性のクラブを選んでしまった場合、いままで覚えてきたスイングとは違う動きを要求され、

バランスを崩してしまう」と話してくれたことがあります。

買い替えたクラブ用にスイングを変えるのはいいことではありませんが

「ゴルフショップに行って『自分に合ったクラブを探しているのだけど、

どれでしょう?』と聞く人がいますよね。でもそれって、

家電量販店に行って『ぼくに合ったデジカメを選んでください』とか、

カーディーラーで『僕に似合うクルマを探してください』と言っていると同じだと思います。

はたしてそれだけで見つかるのでしょうか? 自分に合ったクラブというのは、

『自分が何をしたいのか、何を目指しているのか』がわからなければ見つけられません。

クラブを買うときは自己分析をしてからでないと」とも話していました。

最も興味深かったのは「ゴルファーに蔓延している二つの勘違いは

『ドライバーを軽くして飛距離UPしたのだから、アイアンだって軽いほうがいいのだろう』と

思っていることです。軽すぎるアイアンを使っているとスイングが変わってしまい、

いままで打てていた球が打てなくなることになる。そしてドライバーのロフトについては、

ほとんどの人が少なすぎると思う。ドライバーの飛距離はスピン量と打ち出し角度で決まるのですが、

いまのクラブも、それからボールも、スピン量が減るように変わってきているので、

高く打ち出さなければ遠くに飛ばせません。でもみなさん、

経験値からロフトはフィックスして考える傾向にあるので、バランスがすごく悪い。

ロフトを変えてみるのもドライバー選びのポイント」という話です。

 

D・ジョンソンが「HSBC・チャンピオンズ」で、ロフト角10.5度のテーラーメイド

SLDRドライバーを使って優勝しましたが、ドライバーのロフト角が増えてきたのは、

マルチレイヤーでコアが硬いボールが市場を賑わせるようになった

2000年代後半からで、ツアーで使用されていたドライバーの

平均ロフト角は8度でしたが、2002年には約8.5度に。

そして2008年の「ドイツ銀行選手権」時点では、9.17度にまで増え、

2013年の「ドイツ銀行選手権」では平均ロフト角は9.39度となり、

HSBCではついに9.41度にまで増えています。2002年は、

出場選手中30本以上のドライバーがロフト角8度かそれよりも低く、

10度かそれ以上のロフト角のドライバーは5本だけでした。

 

最近は、低ロフト角のドライバーは10本程度。高ロフト角のドライバーは20本を越えており、

HSBCでは、23本のドライバーがロフト角10.5度以上。

出場選手が78名だけだったことを考えるとその多さが際立ち、

竹林さんの考えを証明しています。

サミースタジオで販売しているトム・ウィション・ゴルフのデータでは、

スイングスピード時速90マイルで打ち出し角12度のゴルファーは、

ロフト角9度から13度に変更すると、キャリーで9ヤードも飛距離を伸ばせるということです。


竹林さんは「ゴルフクラブといい関係を結ぶことが上達への近道です。

ゴルフクラブを単なる“もの”として扱ったり、すぐに買い換えたりするのではなく、

ゴルフクラブと気持ちを通わせてほしいですね。

ゴルフクラブは、“どうやって振ってほしいか”を訴えているので、

その声に耳を傾けてみてください。クラブがいつもより重いと感じたら、

『今日は体調が良くないのかもしれない』と思っておとなしくゴルフをしてみるとか、

自分をチェックするバロメーターにもなるでしょう。クラブが何を訴えているのかを聞き、

どう応えるのかを考えたほうが、ゴルフはずっと楽しくなると思いますよ」と

クラブ選びのアドバイスをしています。

昨年のゴルフフェアで「次回バンコクに行く時は必ず連絡するから、

ゴルフに連れていって」という約束は、残念ながら果たせませんでした。 合掌。

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