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打ちっぱなし(内輪話)

世界との差 8月15日2014年

「全英オープン」さらに「WGC・ブリヂストンインビテーショナル」と、

この1カ月の間にビッグタイトルを連取したロリー・マキロイが

「世界ランキング1位」に返り咲きました。

セルヒオ・ガルシアを抑えて「全英オープン」で優勝を飾ったR・マキロイが、

またしても「ライダーカップ」のチームメイトであるS・ガルシアに競り勝ち

、自身初となる「世界ゴルフ選手権」のタイトルを手にすると共に、

公式世界ゴルフランキングの頂点に再び君臨したのです。

 

第2ラウンドではバックナインを僅か「27」で回り、

「61」のコースレコードに並ぶスコアを出したS・ガルシアでしたが、

2日後に同じバックナインを終えて頂点に立っていたのは、

最終日を「66」でラウンドし、スコアを通算15アンダーまで伸ばした

25歳のR・マキロイでした。

 

同大会でアダム・スコットがトップ5入りを果たせなかった為、

バルハラGCで開催される今季メジャー最終戦の

「全米プロゴルフ選手権」の前にR・マキロイは

2013年3月以来となる「世界ナンバーワン」の座を再び手に入れたのです。

「今週、最も誇らしく思うのは、あの『全英オープン』の直後に

こうしたパフォーマンスを発揮できたところなんだ」と語るR・マキロイですが、

2003年にこの大会を制した母国(北アイルランド)の先輩ダレン・クラーク以来、

欧州勢としては2人目の大会覇者となりました。

 

優勝インタビューでは「気を抜くようなことはしたくないと思っていたし、

シーズンの終わりまでこの調子を維持したいと思っている。

1年で最も好きな大会の一つで、このようなパフォーマンスが発揮できて

とても満足している」とも語っています。

スタートホールでドライバーをラフに打ち込んだR・マキロイですが、

木々の合間を縫う低い弾道のスーパーショットで

ピンそば1メートルをつけてバーディを奪い良い流れを呼び込みます。

一方長いパットを残したS・ガルシアは

そこから2パットのパーで最終日をスタートしていました。

 続くパー5の2番で2オンに成功したメジャー3勝のR・マキロイは、

ロングレンジから2パットでバーディを奪います

続く3番でもバーディを奪うと、このホールでS・ガルシアがボギーを叩いた為、

両者の順位が入れ替わりましたが、

このホールにはまた別のストーリーが用意されていました。

 

S・ガルシアがティショットを大きく曲げて、ギャラリーの中へ打ち込んだ際に

ボールがギャラリーの女性の指に当たり、

婚約指輪からダイヤモンドがはずれてしまったのです。

S・ガルシアはその女性にサインボールを贈り、

グリーンをオーバーした2打目を放った後にその女性の連絡先を訊いていました。

幸いにも、落ちたダイヤモンドはラフの中から回収されましたが、

S・ガルシアはパーセーブに失敗し、

対するR・マキロイは2.5メートルのパットを沈め、

3ホール連続バーディと快進撃を見せたのです。

 

その後、R・マキロイは5番でも1.5メートルのバーディパットを沈めた為、

最終組の2人の間には5ホールで5ストロークの差がつき、

R・マキロイが逆に2打のリードを奪い首位に立ったのです。

 

流れを変えるための「何か」を起こさなければならないS・ガルシアでしたが、

8番でR・マキロイがドライバーのティショットをラフへ打ち込んだことで

勝負の流れが変わります。

ラフからの第2打をガードバンカーに打ち込み、

パーセーブに失敗と1打差に詰め寄ります。

するとS・ガルシアは9番で4.5メートルのバーディパットを決め、

同じホールでR・マキロイが2メートル足らずのバーディパットを決められず、

ついに追いつく展開になったのです。

両者共に通算14アンダーとしてバックナインを迎えたのですが、

R・マキロイが11番で2.5メートルのバーディパットを決めた後、

S・ガルシアがそれより僅かに近い位置からのバーディパットを外してしまい、

R・マキロイが再び単独首位に立ち勝負は終盤を迎えました。

 

そして、パー3の15番で決定的なターニングポイントが訪れます。

S・ガルシアのティショットはグリーン左側のラフに外してしましまいますが、

バンカー越えで傾斜が強くピンに寄せるのが

ほぼ不可能なピッチショットが残りました。

結局このホールをボギーと一打後退して、

残り3ホールでR・マキロイのリードは2打となりました。

ラストチャンスの17番ではS・ガルシアが

ピンそば3メートルにつけるバーディチャンスに付けますが、

これを決められず勝負が決しました。

最終日は雨によりコースが柔らかくなる中、

好スコアが続出する一日となりました。

 

メジャー5勝のP・ミケルソンは10バーディ、2ボギーと猛チャージをかけ、

8アンダーの「62」でホールアウトし健在ぶりをアピール。

ここまで4大会連続で予選落ちの憂き目を見ていた

L・ウェストウッドも「63」と、タイガーのライバルだった実力者二人が、

久しぶりの上位進出でしたが、タイガーは最終日に

背中の痛みと痙攣により途中棄権しています。

 

S・ガルシアこれまでに欧州ツアーで通算11勝、

PGAツアーで通算8勝を挙げています。

3歳から父親の手ほどきでゴルフを始めていますが、

1999年の「マスターズ」でベスト・アマチュアに入り、

同年5月にプロ転向。すぐに欧州ツアーの「アイリッシュ・オープン」で

プロ初優勝を飾っています。

同年8月の「全米プロゴルフ選手権」では、タイガーとの激闘の末に

1打差の2位に入り、19歳の早熟ゴルファーとして

一気に世界の注目を浴びることになりました。

欧州ツアーの「リンデ・ドイツ・マスターズ」で2勝目を挙げると、

アメリカ代表チームとヨーロッパ選抜チームによる団体戦

「ライダーカップ」でも、史上最年少の19歳で

ヨーロッパ選抜の代表選手に選ばれています。

この年は日本でも「三井住友VISA・太平洋マスターズ」

「ダンロップ・フェニックスオープン」でプレーをして話題になっています。

 

これらの活躍により、S・ガルシアは2000年5月に

第1回「ローレウス・スポーツ賞」の「最優秀新人賞」を授与されています。

2001年5月の「マスターカード・コロニアル」でPGAツアー初優勝と、

タイガーを追う一番手と評価されていました。

2005年度はPGAツアーで「ブーズアレン・クラシック」、

欧州ツアーで「オメガ・ヨーロピアン・マスターズ」で優勝したものの、

その後3年間両ツアーとも優勝から遠ざかっていました。

2007年の「全英オープン」では、最終ホールで短いパーパットを外し、

パドレイグ・ハリントンとのプレーオフに敗れて2位に終わり

「初メジャー」を逃しています。

2008年5月の「ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ」で

3年ぶりのPGAツアー優勝を果たし、S・ガルシアのゴルフは

再び復調に向かっていたのですが「全米プロゴルフ選手権」で、

またしてもP・ハリントンに2打差で敗れ「初メジャー」を逃していますが、

欧州ツアーで2つの優勝を加え、2008年11月9日付の世界ランキングで、

欧州のゴルファーとしてコリン・モンゴメリー以来

12年ぶりの「2位」に食い込んだのです。

 

S・ガルシアのメジャー大会の自己最高成績は「マスターズ」が4位(2004年)、

「全米オープン」が3位(2005年)、「全英オープン」が2位(2007年・2014年)、

「全米プロゴルフ選手権」が2位(1999年・2008年)となっています。

アジアンツアー4勝を挙げ、アマタスプリングスで開催された

昨年の「タイランドチャンピオンシップ」でも優勝を飾っています。

「全英オープン」に続き、R・マキロイの後塵を拝して

2位に終わった後のインタビューで、ギャラリーの指輪から消えた

ダイヤモンドが見つからなかったら、買うつもりだったのかと問われた

S・ガルシアは「その準備はあった」と微笑んでいました。

 

質問をした女性記者が「私も今日ダイヤモンドをなくしたの」と言うと

「本当?それって、僕が悪かったの?」と答え、

沈みがちな敗者のインタビュー会場が、大きな笑いに包まれました。

昨年末の「タイランドCS」に優勝して以来好調で、

今年は「コマーシャルバンク・カタールマスターズ」で優勝後も

「シェル・ヒューストンオープン」と「ザ・プレーヤーズ選手権」で3位。

「トラベラーズ選手権」2位の後、「全英オープン」と

「ブリジストンインビテーショナル」では

「世界ランク1位」のR・マキロイについでの2位と好調を維持しています。

かつて「エルニーニョ・神の子」として注目を集めたS・ガルシアが、

念願のメジャー制覇に近づいています。

 

松山英樹は最終日を5バーディ3ボギーの「68」で回り、

通算6アンダーの12位タイで4日間を締めくくりました。

「最近なかったプレーがいくつも出たので良かった。

バーディチャンスも多かったし、あとはそれを決めきれる

パッティングの技術とラインの読みかなという感じがする」と、語っています。

 

決勝ラウンド2日間で松山が奪ったバーディのうち

1メートル付近につけてとったバーディが6個で

「2日目が終わってから練習をして、良くなるものがあった」と、

いうように決勝ラウンドに入ってショットは本来のキレを取り戻していました。

パーオン時の平均パット数は4日間通算1.5851でフィールド1位と、

ショットがピンに絡んでいたかを証明しています。

しかし一方で、ストロークゲインド・パッティング

(パッティングがどれだけスコアに貢献したかを表すスタッツ)は

通算で-0.54353と全選手中49位で、

松山と同スコア以上の選手の中では一番低い数値でした。

平均パット数は近くにオンすれば当然良くなるのですが、

松山の場合は平均的に決まる確率の高い、

近い距離から決めきれていないということになります。

 

「ラインの読みが悪いのか、タッチが悪いのか分からないけど入らない。

まぁ、そのうち入るでしょう」と、振り返る松山にとっては

「ショットが良ければとりあえずは戦える」という手応えを得た様です

「このショットが初日から出来れば、パットが悪くても上にいけるという感じはする。

それを、初日が始まる前からしっかり作っておかないといけないけど、

今年になって出来ていなかった」と、振り返っていました。

 

「ショットは緊張してくれば崩れてくるし、

世界のトップでもうまくコントロールできない人もいる。

パットは小さなストロークだし、そこでいかにしっかりとしたものを

作っておくかによって、ショットが悪くてもパーセーブできるときがある。

そういう意味ではパットの方が大事だと思います」とも語っていますが、

ショットとパットが噛み合えば、米国男子ツアー2勝目も、

日本人として初の「メジャー優勝」に手の届くところに来ています。

 

「ブリヂストンオープン」優勝で参加資格を得た丸山大輔は

「距離もあるし、セーフティな方しか狙っていけない」と、

コースのプレッシャーをひしひしと感じ、

「日本ツアー選手権」優勝で参加資格を得た169cmと小柄な竹谷佳孝は、

トラブルになる前に堅実に刻む戦略を決めていましたが、

スコアを伸ばして上位で戦うには「ハイリスク、ハイリターン」の

険しい道を行くしかないのも事実です。

最終日を終えて丸山は「長かった。ただただ長い、それだけでした。

ランが出ないし、ラフに入ったら出すだけ。非常に苦しかった」と、

なすすべなく戻ってくるのが精一杯という印象でした。

「これが最後のアメリカだと思ってやっていた。

やりながら、未来のないゴルフは厳しいなと。

これから飛ぶようになるわけでもないし、

パターが入るようになるわけでもない。どういうゴルフを目指し、

どういうスタイルでやっていけばいいのか考えながらやっていたけど、

見つからなかった」と、06・07年とシードを獲得し

PGAツアーに挑戦していたこともあるだけに、感慨深げに語っていました。

 

PGAツアー初参加となった竹谷は「耐えなきゃと思ったけど、

耐えられないリズムだった。単純に長い。どうやっても、

今の技術、調子、気持ちという部分じゃ足りなくて、

本当に難しいと思った」と、同じく飛距離の壁に跳ね返されたようですが

「打ちのめされたけど、またこういう舞台に来たいと思えることが収穫」と、

課題に正面から向き合うことを誓っています。

 

7,400ヤード、パー70で「ブルーモンスター」と称される

ファイヤーストーンCCですが、バッバ・ワトソンが16番パー5で

424ヤードを飛ばしたことでも分かるように、

キャリーの出る選手のランディングポイントは下り傾斜になっていたり、

幅が広くなっていたりする一方で、そこにたどり着くまでは狭くなっています。

丸山は最終日の8番ではフェアウェイにすら届きませんでした。

 

第2打で握るのはユーティリティやロングアイアンばかりになりますが、

日本ツアーでこういった長いコースが使われていないのが問題です。

丸山は「以前アメリカに来ていたときは、普通の3Iもうまく打てていたけど、

今は打たないんで4Iも厳しい感じ」と、語っています。

「コースが選手を作る」というのは当たり前の話で、

男子も女子も国内での状況は同じです。

選手たちがどんなに努力しようとも、その技を引き出す舞台がなければ、

技術を磨く必要もなくなってしまいます。

日本にタフなコースが増えてくれば、

それだけ世界で戦える選手が出てくる可能性も高まりますが

コースを仕上げる準備期間も必要になり、

開催コースの理解が必要です。

 

参戦する日本人プレーヤーの中で、海外での経験から

「300ヤード近辺」に距離感の必要性を感じて

練習をしているのは石川と松山で、二人の成績が上位なのは

「至極当然」なことなのです。

男女の全英オープンとキーワード 8月1日

「全英リコー女子オープン」が、ロイヤルバークデールゴルフクラブ開催されました。

今年は史上最多11名の日本人選手が挑んだのですが「全英女子OP」では、

過去8年で7度、計11名もトップ10入りを果たすなど、

日本人選手にとっては非常に相性のいい大会です。

その内訳は宮里藍4回、佐伯三貴2回、上田桃子2回、不動裕理1回、

宮里美香1回、比嘉真美子1回となっており、実力派が11名も出場する今年は、

樋口久子(1977年の全米女子プロ)以来となる、

日本人選手のメジャー制覇への期待も高まりました。

 

予選ラウンドを終えて、日本勢最上位の16位タイで

決勝ラウンドに進出したのは、宮里藍でした。

今季「人生で初めて」というパッティングの「スランプ」に陥り、

シード落ちも危惧される状態でしたが、11度目の挑戦となる「全英女子」で、

完全復活へのきっかけを掴んだようです。

バーディーチャンスにつけながら、惜しくも外す場面も多く、

予選ラウンド2日間で、ボギーは出場選手中最少の3つと、

短いパットを確実に沈めて淡々とパーを重ねるという、

宮里藍本来のプレースタイルが久しぶりに見られました。

「入らない中でもイライラせず、その瞬間、瞬間に集中して

プレーすることができました」と、振り返っていますが、

質を維持しながらも「量を増やす」練習へと取り組み方を変えた直後でした。

 

「いままでは量よりも質を重視してやってきたんですけど、

パットの練習量を増やす方向にしました。

プレッシャーの中でも、正しいパットのストロークを

身体が覚えてくれるようになるまで練習しようかな、と。

まだ足りないくらいなんですが、普段の軽く2倍は練習をしていると思います」と、

大会前は3日間連続で18ホールの練習ラウンドを消化。

その後、パッティンググリーンでカップまで1m弱の距離を

360度12分割した場所から、丁寧にセットアップし直してカップインさせるといっ

た練習を繰り返し、ラウンドを意識した練習に取り組んでいました。

 

「メジャーで勝つには、どれだけ我慢ができるかだと思います。

今の自分は体調もいいですし、ショットもいい。せっかくいい状態ですから、

この週末のプレーを楽しみたい」と、語っていました。

迎えた3日目は、バーディを4つ奪うもののボギーが2つに

ダブルボギーが1つとスコアを伸ばせず、通算1オーバー17位タイと

順位を下げましたが、何かを掴みかけているのは明らかです。

大会ホステスプロの森田理香子がスコアを4つ伸ばして

60位タイから通算2オーバーの20位タイに浮上し、

ムービングデイに「メジャー」でも通用する大器の片鱗を見せました。

8選手が決勝進出を果たす健闘を見せた日本勢でしたが、

最終日は3日間の穏やかな天候だったリンクスコースが

本来の姿を見せ、プレーヤーに襲いかかりました。

強風がコースを駆け巡り「我慢比べ」の展開を制したのは、

最終18番で劇的なイーグルを奪ったモーマーティンでした。

1オーバーで迎えた最終18番パー5で、フェアウェイからの2打目が

グリーン手前から転がると、ピンに直撃というスーパーショット。

31歳のM・マーティンは、2メートルのイーグルパットを沈めて

ツアー初優勝をメジャーの舞台で飾りました。

日本勢で最上位となったのは通算7オーバーの原恵里菜でしたが、

バーディこそ奪えなかったもののボギー3つで踏ん張り21位タイ。

森田理香子が通算8オーバー27位タイ、渡邉綾香が

通算9オーバーの29位タイで続き、米ツアーを主戦場とする宮里美香は

通算10オーバーで38位タイ、野村敏京は通算12オーバー45位タイ。

首位と5打差の1オーバー17位から出た宮里藍は11オーバー「83」と崩れ、

野村と同じく45位タイまで順位を落としました。

 

初日単独トップに立った上原彩子が通算14オーバーの54位タイ。

昨年、セントアンドリュースで7位に入った佐伯三貴は

通算15オーバー58位タイとし「風との戦い」を終えました。

最終日こそスコアを崩しましたが「スランプ」という苦しみを

何度も経験してきた宮里藍にも、石川と同じような「復活」に期待が持てます。

 

ツアー3年目のM・マーティンのLPGAでの最高成績は

13年「キア・クラシック」での3位タイでした。

そしてそれが、唯一のトップ10フィニッシュという実績でした。

今シーズンのスタッツを見ると、ドライバーの平均飛距離は

233.2ヤードで156位ですが、フェアウェイキープ率は86%で第1位でした。

深いラフとポッドバンカーでガードされた今週のコースでも

4日間合計77%と堂々の1位で、勝因は安定したティショットでした。

現在31歳で前週までの世界ランクは99位ですが

「金銭的なことを言うと、何年間も多くの人に私がプレーすることを助けてもらった。

だから、この場でみんなに感謝できれば良いのだけど、

みんなは絶対に誰のことを言っているか分かっているはず」と、

支援してくれた方への感謝を忘れませんでした。

 

M・マーティンは、自身のキャリアを磨く上で

「1・朝、起きたときに幸せを感じているか。2・自分はまだ女子ゴルフに貢献し、

その発展に寄与しているか。3・自分自身のお金でプレーをしているか」という

「三つのキーワード」を達成する努力を怠らなかったと語っています。

昨年、102歳で亡くなった祖父の孫娘を想う気持ちが

「私の人生を変えた」といいます。

M・マーティンの父と祖父は意見の食い違いがあって疎遠でしたが、

M・マーティンが19歳の時に父が亡くなり

「そのとき、祖父のことをもっと知りたいと思って、

彼の農園まで会いに行ったの。そこには私について書かれた

新聞記事や写真がたくさんあったわ。私は涙があふれたの。

だって、彼がこんなに私を気にかけ、いつも愛してくれていたなんて

知らなかったから」と、それ以来続ける彼女の「三つのキーワード」に共感した

「温かい人間関係」が広がり「メジャー優勝」という大輪の花を咲かせ

「自身のお金でプレーする」という目標も勝ち取りました。

 

ロイヤルリバプールで行われた男子海外メジャー「全英オープン」にも、

ぎりぎり最後に切符を獲得した石川をはじめ

8名の日本人プレーヤーが参加しました。

初日は松山、小田、塚田が3アンダー10位タイと上々の滑り出し。

スコアの伸びなかった遅い時間帯スタートの石川は2オーバーの84位タイでした。

2日目の石川は風が強い早い組みのスタートでした。

2番で3パットのダブルボギーとし、5番でティショットを

左のブッシュに突っ込んでロストボール、同じく8番でも左へ曲げ、

OBとしてボギーを重ね、前半だけで5つスコアを落とす辛い展開でした。

 

「振り切れていなかった。自分の飛距離を信用できないとこういうコースでは通用しない。

風とか外的なものではなく、内側の問題です」と振り返っていますが

2日間ともスタート時間と風には恵まれませんでした。

 

予選通過が厳しくなると「開き直り」が石川のゴルフを変えます。

11番で3パットのボギーとしたものの、風が弱まりだした

10番、12番、14番、17番とバーディを重ねて通算4オーバーまで盛り返します。

予選通過に一縷の望みをかけ、2打目をピンまで

101ヤードのフェアウェイにレイアップした最終18番パー5では

「練習している距離だけど、それが6メートルくらいにしか乗らなかった。

あれが今の実力かな」と、バーディパットは決められず、

結局、予選通過には2ストローク及びませんでした。

 

「良いスイングが出来ていないと何も生まれてこない。

イギリスに来て、難しいコンディションの中だったけど、

それ以前の部分でつまずいてしまった。

一緒に回ったトッププレーヤー2人(リー・ウェストウッド、キーガン・ブラッドリー)に比べると、

ショットに自信が持てていないし精度も低い。

調子ではなく、まだまだだと思う」と、振り返っていますが、

最近重点的に取り組んでいるアプローチは

「今週、唯一通用したのはアプローチ。まだ幸せなのは、

練習した分は返ってきているということです」と、

PGAツアーを休んでまで取り組んだ合宿の成果には、満足しているようでした。

 

石川がプレーした午前中に吹いた風も、松山がスタートする14時頃には弱まり、

リンクスコースは穏やかな表情を見せていました。

その中で驚異的なプレーを見せたのは松山と同組で回ったロリー・マキロイでした。

R・マキロイは出だしの1番こそボギーとしたものの、

その後に7つのバーディを奪って連日の「66」をマーク。

14ホール中6ホールでドライバーを使い、

2日間の平均飛距離は333ヤードを記録。

「昨日、ドライバーで打てばよかったと思った」という17番では、

追い風に乗って400ヤード近いビッグドライブを披露し

パワーと正確性でバーディを量産し独走体制に入ります。

 

松山も中盤まではR・マキロイに食らい付いていました。

5番ではピン上から10メートル近いバーディパットをねじ込み、

10番パー5では2打目でグリーン右サイドのラフまで運ぶと、

アプローチを絶妙なタッチで50センチにつけて

通算5アンダーとR・マキロイを追います。

しかし12番、15番でボギーを叩き、17番ではドライバーを選択した

R・マキロイとは対照的に、初日と同じくアイアンで刻んだティショットが飛びすぎ、

右サイドのバンカーに捕まってボギー。

続く18番のティショットもドライバーを左サイドのバンカーへと打ち込んで、

12番以降で4つ目のボギーと、勝負を避けたことが悪い流れを呼び込みました。

「ミスもあったけど、マネジメントのミスもあった」と、

静で慎重なマネジメントで好成績を残してきた松山を狂わせたのは、

間違いなく別次元のプレーをしたR・マキロイと、

地元の若きエースを応援する大ギャラリーでした。

 

R・マキロイの勢いは止まらず3日目も1イーグル、3バーディ、3ボギーの

「68」で回り、通算16アンダーとして「完全優勝」での

メジャー3勝目に王手をかけ、最終日も一度も首位に並ばれることなく、

4日間通算17アンダーで後続に2打差をつけて逃げ切りを果たしました。

R・マキロイが、トップで終えた初日に明かさなかった

「2つのキーワード」とは「ロングショットでは、良い決断をして、

良いスイングをするという「プロセス(過程)」に集中した。

もしスイングに関してチェックしているポイントがあったなら、

結果を気にせずそのポイントに集中する。

基本的に、結果がどうなるかは考えていなかった。

それから、“スポット”というのはパッティングに関して。

グリーンでは、狙う「スポット」を決めて、毎回その上を球が通るようにした。

カップに入れようとは考えなくて、もしそれがカップに入れば良いことだし、

入らなかったとしても、また次のホールで同じことをする。

「プロセス」と「スポット」。その2つを今週ずっと自分自身に言い聞かせていた」と、

戦い終えた優勝会見で照れ笑いを浮かべながら明かしました。

勝因となった圧倒的な飛距離(平均327.8ヤード・1位)と、

抜群のパッティング(平均1.53回バイホール・4位タイ)が、スタッツに表れています。

風が穏やかだった初日に飛び出したR・マキロイは

「過度にアグレッシブだとは思わない。この風の方向と強さなら、

ドライバーという選択肢は悪くない」と自身の攻めの選択を振り返っていました。

最終日の16番でティショットを打ち終えた後、

R・マキロイはギャラリーの中の一人を指し示し、

その男は警備員に取り押さえられました。

「彼は今日一日、ずっと僕にうるさく言ってきていたんだ。

そして、16番ティではダウンスイングでわざと咳払いをした。

誰がやったかは分かっていた。だから、つまみ出して貰ったんだ」と、

アクシデントにも冷静に対処して見せたのです。

同コースで06年に開催された際に優勝したタイガーは、

4日間で1回しかドライバーを使わず、今年も多くの選手が

ティショットをバンカー手前に刻む中、R・マキロイは

「2つのキーワード」を信じドライバーを握り、

誰も届かない領域で「完全優勝」を成し遂げたのです。

男子も女子も自身が決めた「キーワード」を守りぬくことが、

勝利の女神を呼び込んだ「全英オープン」でした。

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